STREET KNOWLEDGE / ANTHONY B
[VP / VPCD1651]


歯に衣着せぬ過激なリリックと刀の入りまくったパワフルなトースティングが魅力のラスタDJの最新作。同直にデビューしたシズラが流行を取り入れ、どんどんスタイルを進化させていったのに対し、ストイックなまでに自らの信念を貫くその姿は痛快この上ない。トラックは定番モノが多く、ルーツ好きにも聴きやすい。カルチャー、マイティ・ダイアモンズをゲストに迎え、彼らの代表曲のカヴァーも収録。[輸入盤](小池信一)

HEART IS WILLING / FREDDIE McGREGOR
[CHARM / JET STAR / CRCD-3090]

物凄いベテランなので最早説明不要。しかも毎回、流行り廃りに流されず、変わらぬクォリティをキープ。だからと言って毎回同じで詰まらないって訳では無い。むしろオーソドックスなスタイルの良さを確認させられる傑作。リメイクはその時代の音を取り入れながらも作り手のセンスが要求されるもの。しかしそれだけではここまでの作品は簡単に出来るものでは無い事も、これを聴けば分かるはずです。[輸入盤](鎌田和美)

POSITIVE INTENT DUBS / ARKOLOGY
[ARKOLOGY / ARK LP004]

打ち込みスタイルのハード・ルーツ。ヴォーカル、インストゥルメンタル、ダブとサウンド・システムの爆音で聞けば必ずハマってしまうであろう定番の重低音サウンドが魅力のU.K.ニュー・ルーツ・シーンからの新星だ。一本調子のマイナー調ベースラインとシンセサイザーが奏でる上ものは最高で、この手のデジタル・ルーツ・ファンには見逃せないグッドな作品。マイティー・マサのお薦め印付き。[輸入盤](長井政一)

ORIGINAL GUERILLA MUSIC / JUNIOR DELGADO
[SOUND BOY / SBCD001]


通好みのルーツ・シンガー、Jr.デルゲイドの70年代中頃〜80年代前半にかけての曲をまとめたアルバム。淡々と言葉を紡いでいくヴォーカル・スタイルなので一聴しただけでは良さが伝わりにくいが、じっくり聴き込むと奥底に内包された深い味わいがジワッと滲み出してくる。アップセッター、ロッカーズ、DEB等、サウンド、プロダクションはまちまちだが、どの曲もゲットーに根差してたキラー・ルーツ。[輸入盤](小池信一)

REGGAE GOLD 2003 / V.A.
[VP / VPAG83654]


今更そのクォリティや曲の説明をするまでも無い内容の人気シリーズ。特にここ数年、再びレゲエが盛り上がってるとか、巷の雑誌で色々言われてるけど、これらの作品を聴いてみると、日本でのブームとは全く関係無い所で、レゲエは動いている事がよく分る。シングルだと膨大なリリース量のレゲエのヒット曲が手軽に楽しめるだけでなく、その年毎の流行を知る事ができる資料としての役割も果たしている。[輸入盤](鎌田和美)

12 THE HARD WAY / V.A.
[TRIBES-MAN / JET STAR / TMLP 001]


1977年頃にリリースされたロイド・コクソンのプロデュース作で、ジャマイカとU.K.のアーティストによるオムニバス盤。フレッド・ロックス、バーニング・スピア、ファビアン、ラス・ミダスといったラスタ・シンガー達と、デルロイ・ウィルソン、パット・ケリー、ジェリー・バクスターといったラヴァーズ勢が参加。引き締まったチューンとゆったりしたチューンがバランスよくダブルで楽しめる。[輸入盤](長井政一)

ザ・ベスト・オブ・ムーミン/ムーミン
[キューンソニー/KSCL-605/6]


新作も素晴らしいムーミンのネオサイト時代のベスト・ヒッツ。アルバムには収録されなかった裏人気曲や新たなリミックスも収録されているので、アルバムを持っている人も気になる内容。スピーチがリミックスとラップで参加した「Moonlight Dancehall」や、チョーゼン・リーをFeat.した「Happy & Free」等々もあり、かなり目を離せない手の込んだセレクションに。初回盤はDJバナのイントロデュースするミックスCD付き。(二木崇)

ブリング・ダウン・ダ・リディム / V.A.
[ユニヴァーサル/UICY4115]


本誌『Riddim』創刊20周年を記念して制作されたアルバム。現在では文章なんぞ書かせていただいているこのオレも、かつては一読者として色々と勉強させてもらいました。何はともあれ、20年もの長きに渡りレゲエ・ミュージックを支え続けてきた本誌の功績にマジで大リスペクト! とういうことでこのアルバムですが、音源は全てアイランドのもの。ルーツ〜ダンスホールの名曲がギッシリ詰まった万人向けコンピ。(小池信一)

レゲエ・グルーヴィン/V.A.
[ビクター/VICP-82343]


昨年夏にリリースされたムラサキ画伯がジャケットを担当した『レゲエ・ジャミン』の続編的内容のコンピ盤。今回も近年、ビクターからリリースされたブジュ・バントンやフレディ・マクレガー等の大物アーティストから、T.O.K.、ウェイン・マーシャル等の旬なアーティスト、そしてパム・ホールやヤシマベス等のラヴァーズ物まで収録した、レゲエの入り口としては充分な内容ながら、手抜きはなく濃度も高め。(大場俊明)

リラックシン・ウィズ・ジャパニーズ・ラヴァーズ/V.A.
[ソニー/AICL-1440]


一作目、二作目と好内容故に予想を遥かに越える程のヒットとなった "Relaxin' With Lovers" シリーズの番外編とも言える日本人アーティストによるラヴァーズ・ロック集。中島美嘉による「接吻」のカヴァーやレゲエ・ディスコ・ロッカーズによる椎名純平&篠原涼子「Time Of Gold」のリミックス等、新録が素晴らしいが、南佳孝やYuki Okazaki等を収録した解釈も頷ける。「林檎殺人事件」(Remix)がいい味出してます。(大場俊明)

サレンダー・トゥ・ラヴ/キンドレッド・ザ・ファミリー・ソウル
[ソニー/EICP-232]


ブラック・リリィでのパフォーマンスが語り草となりジル・スコットの口利きでデビューを果たした夫婦デュオ。ラリー・ゴールドやジェイムズ・ポイザーら新旧の名うてプレイヤーによる豊潤な音世界にふたりの確かな歌唱が乗り、どっしりとした存在感を醸す。その手応えは「オーガニック」なる手垢まみれの言葉を使わずとも、「音楽の根源的なチカラ」と評することが可能。「ネオ・フィリーの大本命」の登場だ。(石澤伸行)

スタックス・ヴィンテージ・スナップス/V.A.
[ビクター/VICP-62334]


同レーベルのミュージアムがオープンするのを記念してコンパイルされた企画盤。今にあってなお特別な「意味」を響かせるビートの数々やソウルフルな歌唱が網羅的に堪能できる他、現行シーンを彩るあのネタこのネタが次から次へと耳に飛び込んでくる。レーベルの誕生から半世紀が経とうとしている今、ちっとも古くなっちゃいないメンフィス・サウンドの魅力を、熱くそしてヴィヴィッドに伝えてくれる好盤だ。(石澤伸行)

サブジェクト/ドウェレ
[東芝EMI/VJCP-68492]


ロンドンでレゲエとパンクの橋渡し的存在だったドン・レッツによる新コンピレーション。13歳の頃からトロージャンの『Tighten Up』シリーズが好きだったという彼らしく、ピックアップした43曲のほとんどはアーリー・レゲエのクラシックス。なおトロージャンのHP(http://www.trojan-records.com/)には、ドン・レッツが一般の人達からの質問に答えるコーナーがあって、これが結構面白い![輸入盤](武田洋)

DON LETTS PRESENTS THE MIGHTY TROJAN SOUND / V.A.
[TROJAN / TJDDD095]


昨年ドン・レッツが編集して話題となった『Dread Meets Rokers Uptown』へのアンサー盤。ドン・レッツの方はパンクスに影響を与えたオリジナル・ルーツ・レゲエ集だったが、こちらはそんなレゲエに触発されて生まれたパンク/ニュー・ウェイヴ発のダブ・ヴァージョン集。スリッツ、クラッシュ、PIL、ポップ・グループ等のダブがこうやってまとめて聴ける意義は大きいだろう。2003年のいまこそ。[輸入盤](武田洋)

ソウル・オブ・エチオピア/グレゴリー・アイザックス
[システム・アイザックス / TEX001]


ジェットスターからニュー・アルバムが控えているグレゴリーだが、こちらは写真家の岡本達幸がリズムキングスと共に作り上げた作品。グレゴリーがグレゴリーらしかったあの時代の音を目指し制作されただけあって、唄もより艶やかに。無理やり曲を詰め込むのではなく、少ないながらもじっくりと聴かせる構成は、これはこれで何も問題はない。「ソウル・オブ・エチオピア」が特に出来が素晴らしい。(大場俊明)

グロウン・アップ/ホーム・グロウン
[ポニーキャニオン/PCCA-01914]


大ヒットした1stから一年振りの2nd。ナンジャマンの“あの曲”を新しいリリックで歌い直したビッグ・チューンが用意されたり、JTBの「Gwaan Good」、ムーミン、キーコ&パパ・ユージの「Happy Birthday」、プシン&ヨーヨーCの「Passion」、更にはワイルド・ワンズの名曲「想い出の渚」を、そのオリジネイター&Hマンでリメイクした曲等、今回も盛り沢山。彼らの懐の深さが嫌みなく伝わる楽しい内容に。(二木崇)

サントラ/スピナビル&ザ・ケイヴマンズ
[アーロンフィールド/AFCA025]


ファースト・アルバム『ヒューマニズム』が好評だったスピナビルの2作目。今年春にリリースしたシングル「君ニ幸アレ」で意表を突かれた様に、今回も隠し球がいっぱい。だが、スピナ自体、どの曲でも自然体で表現し、彼の根底にある黒い音楽魂はどの曲にもきっちりこもっているのが分るはず。リズムがどう変わろうとも、彼の声の魅力が勝ってしまうという稀な存在。更なる飛躍も狙える一枚ではないだろうか。(大場俊明)

カルカヤマコト/カルカヤマコト
[LD&K/134-LDKCD]


大阪界隈では既に注目株の弱冠20歳の女性シンガー、カルカヤマコトのデビュー・ミニ・アルバム。デタミの市原夫妻やHav等の大阪の音楽職人の助けを借り完成した本作は名刺代わりとしては十分な内容。オリジナル曲の他、ボブ・マーリーやマーヴィン・ゲイ等の定番カヴァーも、決して在り来たりにならないところに才能を感じさせてくれる。将来、プシンやキーコにも通じる本物のシンガーに成長することだろう。(大場俊明)

プライスレス/ケリー・プライス
[ユニバーサル/UICD-6065]


3年ぶりとなる3作目。当初予定されていたリリースが半年ほど延期されての待望の新作だ。ウォ−リン・キャンベル、マイク・シティ、スティーヴィ・Jらによる冒頭のアップ群は、凄まじいまでの歌唱力をこれでもかと伝えるのみならず、スロウ曲からは得られなかったカタルシスが。キース・マレイとのスリリングな絡みもさることながら、フェイス・エヴァンスやクラーク・シスターズとの喉技の応酬にも痺れる。(石澤伸行)

トラスト/ローズ
[Pヴァイン/PCD-25001]


オランダ出身の女性シンガーによるデビュー作。キング・ブリットらとの交流がふまえられ「フィリー詣で」の下制作されている。シンガーとしての彼女は、上品に、決して声を荒げず自らの歌世界を構築していくタイプといった印象ながら、時にゴスペリッシュな押し出しを見せたりと耳を奪う場面は多い。ヴィクター・デュプレーらによるクラブ・ミュージック的なサウンド・アプローチとの相性もすこぶる良好だ。(石澤伸行)

フォース・オブ・グラヴィティー/オーガニック・グルーヴス
[ハード・ボイルド/HBCD-005]


NYのアンダーグラウンド・シーンで活動を続けるボーダレスな6人組の通算5作目。倉庫や船上でのパーティ会場を主戦場としてきた彼らの音楽性はインスト主体。生感触はありながら、マニュピュレートされたクールなダンス・ミュージックとしての機動力にも満ちている。中でも、様々な要素が渦を巻きぐつぐつと煮えたぎるようなタイトル曲におけるグルーヴ感は白眉だ。こうなると歌ものが欲しくなるのが人情?(石澤伸行)

ミュージック・フロム・ア・ヴュー/インディヴィジュアル・オーケストラ
[リヴァース/RECD008]


98年にリリースされた1stアルバム、00年にリリースされた12"シングルで、テクノ・ファン以外にもその魅力を伝えた田中フミヤの第三のソロ・ユニット、インディヴィジュアル・オーケストラ。一聴するとさり気ない音世界だが、よく聴けば細部ではきっちり主張がなされたこの音世界こそ、最近、彼が追い求めていたものだろう。“気持ち良い”と感じて貰えれば、それだけで彼の思惑通りなのではないだろうか。(大場俊明)

ライヴ・イン・ジャパン/フェネス
[ヘッズ/DAT-1 / HEADZ 10]


01年にオーストリアのメゴからリリースされた『Endless Summer』が日本でも静かなヒットを記録したフェネスが今年2/9に行った来日公演をパックした一枚。ノイジーながらも独特の美意識が感じられる音響空間や、アコースティクなサウンドを音楽的にカオスへ変貌させたり、またアコースティックに戻してみせたりしつつも雰囲気は決して崩れることはなく、実に素晴らしいパフォーマンスを見せている。(高橋晋一郎)

ビッグ・カジノ/ジェームス・ハダウェイ
[ビートインク/BRC-71]


テクノヴァやアンドリュー・ウェザーオールとのユニット、ブラッド・シュガー名義でも活動するジェームス・ハダウェイことデヴィッド・ハーロウの新作。勿論、メタマティクスも所属するハイドロゲン・ジュークボックスからのリリース。飛び系の音がダビーに交錯する4つ打ちのハウス・トラックにエモーショナルなヴォーカルが重なったり、フルートやホーンが心地よくもグルーヴィーに響いたりと多彩な構成。(高橋晋一郎)