RED GREEN & GOLD / MIKEY GENERAL
[VP / VPCD2216]

甘さと透明感、そして線の細さが独特の魅力を出すコンシャス・シンガー。結構なキャリアの持ち主で、ルシアーノの盟友といった存在。メロディの作りも実に良いのに、シングル単位で聴くとライトに聴けてしまう声質のせいか、活かし切れてないように感じがちな彼の魅力を、このアルバムでは実に上手く引き出す事に成功している。制作はレゲエ界トップ・ホーン・プレイヤー、ディーン・フレイザー作。[輸入盤](鎌田和美)

GENERATION NEXT / PRESIDENT BROWN
[CHET / 513385-1]
ジャック・ルビーのお墨付きDJ。聴かせる構成、展開、更に要所でシングジェイ・スタイルを取り入れたりと実に器用な絶対的スキルに、味のある声。相変わらず高クオリティな内容です。サウンドの方は、ナイヤビンギ等、アコースティックなやさしい感じの曲からダンスホールまで、レゲエの土臭いところが目一杯詰まった感じだけど、メジャー感を強く感じるデジタルな質感が、好みの別れるところか?[輸入盤](鎌田和美)

THE RIGHT OF DUB / SUB OSLO
[GLITTERHOUSE / GRCD 579]

ダブ・エンジニアを含めて総勢9人体制で構成されているドイツのダブ・バンド、サブ・オスロの二枚目となるニュー・アルバム。レゲエを中心としたダブで、全て生演奏で録音されている。前作以上にかなり実験的要素の強いダブ・サウンドを構築しているが、ゲットー臭さも伝わって来てなかなか楽しめる作品である。さすがテクノを生んだドイツのアーティストだけあって、シンセサイザーの使い方は見事![輸入盤](長井政一)

DUB EM ZUKIE / TAPPER ZUKIE
[JAMAICAN RECORDINGS / JRCD 015]

タッパ・ズーキーの未発表ダブ集。76年から79年までの曲を彼自身がプロデュース、ダブ・ミックスはタビーズ・スタジオ(プリンス・ジャミー?)、バックはレボリューショナリーズの面々。これだけで触手は伸びるが、聴いてびっくり、音は想像以上に男気ぷんぷん。ジョニー・クラーク、ホレス・アンディらのボーカル・トラックに、ズーキーの攻撃的なトースティングが浮かんでは消える武骨なダブばかり。[輸入盤](武田洋)

4 REBELS VOL.2 / V.A.
[RAS / 06076-89910-2]

ルチアーノ、シズラ、アンソニーB、マイキー・ジェネラルといったラスタ派の人気アーティスト4人による競演盤。音源はミディアム・チューンを得意とするレーベル、FFrenchのもの。収録曲の殆どが既発のシングルであり、リリース時期も97〜01年頃と若干新鮮味に欠けるセレクションであるが、初CD化の曲ばかり。ルーツ・マナーのナンバーを中心に、ヒップホップ調やラヴァーズなどトラックも表情豊か。[輸入盤](小池信一)

ROOTICAL VIBRATION / V.A.
[ROOTS RECORDS / VR 148]

UKルーツ・レーベルからの最新作は、新旧アーティストを取り混ぜた面白いコンピレーション盤だ。内容は勿論、ロンドン・スタイルのニュー・ルーツ・サウンド。参加アーティストは、ホレス・アンディ、トリニティ、アルトン・エリス、アンソニー・ジョンソン、テナステリン、ロッド・テイラー、アール16、ディリンジャー等と豪華。録音はコンシャス・サウンド・スタジオが使用されている。[輸入盤](長井政一)

THE BIGGEST RHYTHMS / V.A.
[GREENSLEEVES / GRELCD-274]

人気のワンウェイ・シリーズ“Greensleeves Rhythm Album”の集大成と言える一枚。"Diwali" "Clappas" "Masterpiece" 他、過去にリリースされたアルバムからヴァージョンのみをセレクト。基本的にはカラオケなので一般リスナーは少々聴き辛いかもしれないが、シンガー、DJ、サウンドマン等、現場で活動する方々にとっては重宝するアイテム。ラバダブやダブ録りなど色々と活用できるはず。[輸入盤](小池信一)

SOUND SYSTEM ROCKERS / V.A.
[JAMAICAN RECORDINGS / KSCD-001]

バニー・リーが1969年から75年にかけてプロデュースしたサウンドシステム・クラシックスを、どかっと1枚にまとめたナイス・コンピ。デルロイ・ウィルソンの男泣き胸キュン「Once Upon A Time」、フレディ・マクレガーの激キラールーツ「Mighty King」、リンヴァル・トンプソン「Whip Them King」など、魅力的なアルバム・タイトル通りの曲が連なる中盤〜後半がハイライト。音質最高です。[輸入盤](武田洋)

ホームグロウン/UB40
[東芝EMI/VJCP-686566]

結成23周年を迎えたUKレゲエ界の重鎮、UB40の新作。一般的にはエルヴィスのカヴァー「好きにならずにはいられない」のヒットで有名になった彼らだが、本作ではルーツ&カルチャーに根差したサウンドを聴かせてくれる。ルチアーノやモーガン・ヘリティジ等、ジャマイカ勢の作品と比較したくなる仕上がりで、現シーンにもキチンと対応した充実作。収録曲「Swing Low」は英国ラグビー・チームの公式アンセム。(小池信一)

ア・シングル・スレッド/キング・ダジャンゴ
[スカ・イン・ザ・ワールド/TGCS-1880]

80年代半ば、トースターズと共にNYのスカ・シーンを盛り上げていたボイラーズからスタートし、その後もスキナー・ボックス、スタボーン・オールスターズを率いてこのシーンを牽引し続けた男、キング・ダジャンゴの長きに渡る活動から厳選された15曲を収録したベスト盤。人種のるつぼ、NYならではのミクスチャー感覚溢れるサウンドの根底にはスカタライツの精神が脈々と受け継がれているのがよく分る。(大場俊明)

御苑ルネッサンス/レディQ
[アトノ/ATNR-31]

愛嬌のあるアヒル顔とお茶目なパフォーマンスで現場の人気者、レディQのセカンド・アルバムが到着。今回はレゲエだけにこだわらず、ロック、ヒップホップ、ドラムンベース等、様々なリズムの上を変幻自在に泳いでいる(「もっと遠くへ」では唄まで披露し、唄の上手さも実証)。ゲスト陣はポチョムキン、A.Mia、Best The Mellow等。サウンドも練られたものが多く、彼女の可能性を広げる作品となるだろう。(大場俊明)

ラヴ&ピース〜40スモーキン・レゲエ・ヒッツ/V.A.
[ワーナー/WPCR-11726/7]

名曲と呼ばれる曲は大抵、ついつい口ずさんでしまう素晴らしいメロディやフロウを持っているものだ。そうした名曲が喫茶店等で何気なく流れてくると、それをよく聴いていた時代・場所・空気感、匂い等がふと蘇ってしまう。名曲はそれだけの魔法を持っているものだ。本作は長い歴史を持つジャマイカン・ミュージックの名曲だけをぎっしりと40曲収録したコンピ盤。どの曲もやさしく、あたたかで、懐が深い。(大場俊明)

ハード/ジャギッド・エッジ
[ソニー/SICP-418]

約2年ぶりの4作目。ジャーメイン・デュプリのレーベル脱退もあってか、メンバーによる制作への関与度が大幅にアップ。サウンド・プロダクション的には前作の強烈な南部臭が後退した代わりに、穏やかな表情や滋味深い味わいが増したとの印象だ。ただし、イントロに始まり全編に渡ってこれでもかと歌い倒す姿からは、逆に彼らの“歌バカ”な本質が浮き彫りになることとなり、聴いているこちらはニンマリ。(石澤伸行)

ジェシ/ジェシ・パウェル
[ビクター/VICP-62531]

レーベル・オーナーの急逝で移籍を余儀なくされた彼だが、4枚目となる本作に死角はない。ネプチューンズばりのイマドキ・サウンドに乗っても、楽曲を引っ張るイニシアチヴをその歌唱でしっかりと握る様は流石だ。でも、やっぱり中盤に収められたミッドでのオールド・マナーを含んだ優しい歌声にはちょっと堪らないものが。特にデバージ「I Like It」のカヴァの素晴らしすぎる解釈には思わず目頭が熱くなった。(石澤伸行)

エッセンス/モネイ
[ヴィレッジ・アゲイン/VIA-0013]

DJスピナを始め多くの他アーティストの作品に参加していた女性シンガーのソロ作。硬質なビートが曲を支配するアップでは可憐な声質が映え、アコースティックなアプローチのミッドでは少しだけラフな佇まいを見せたりと歌の表情は様々。それでもアルバム全体の統一感が損なわれないのは、彼女のソング・ライト・スキルにしっかりとした軸があるからだろう。一部インスト曲も“スピナの片腕”の意味を伝える。(石澤伸行)

ボーン・ディープ/ジェフ・ブラッドショウ
[ソニー/EICP-294]

ネオ・フィリー作品の多くでその名を刻んでいるトロンボーン奏者のソロ作。ジル・スコット、グレン・ルイス、フロエトリーらとの共演ではそのヒップなブロウで好サポート。ゲストに気持ちよくいつもの仕事をしてもらった賜物だろう、ビラルがハジけるJBのカヴァ「Make It Funky」なんて成果も。クールでわきまえた仕事振りが冴えるが、一部でリードをとる本人のヴォーカルも朴訥とした魅力に溢れている。(石澤伸行)

アイ・キャント・ストップ/アル・グリーン
[東芝EMI/TOCP-67302]

「ブルーノートへ移籍」と聞いて軽く驚いた後に、冒頭タイトル曲のいさましさに喉の奥がキュン。ウィリー・ミッチェルとの黄金タッグが生み出す、全編がまんまハイ・サウンドな展開に、平成も15年を終えようとしているこのご時世にこんなソウル・ミュージックに出会えるとは!と歓喜しっぱなし。“枯れ”を感じさせるどころか“躍動する熱き魂”に疲れた心もリアップさせられる本作、現役感が漲ってます。(石澤伸行)

イリプレイサブル/ジョージ・ベンソン
[ユニバーサル/UCCR-1038]


3年ぶりの新作。ギターの爪弾きを前面に出しつつも歌オリエンテッドなR&Bアルバムとなった。注目すべきはジョシュア・トンプソンとジョーの参加だろうが、そのジョー「Missing You」のカヴァを始めプロダクション全般がジョシュアにより掌握されている風なのが面白い。若いジョシュアが憧れたっぷりに参加した作品で、こんな大御所を自分色に染め上げてしまえるのかという意味で、これは問題作なのかも。(石澤伸行)

ポスト・ソウルマン/BOO
[カッティングエッジ / CTCR-14281]

山下達郎の「Sparkle」を大胆にサンプリングして話題をさらった「Smile In Your Face」から早くも1年半以上。ヒップホップ界の名シンガー、Booのファースト・アルバムがやっと到着。Muroを中心としたプロデュース陣は盟友ばかりだが、どんなトラックでもばっちり合わせてくるBooの歌唱力、表現力は並の才能ではない。レゲエ界にMoominの存在は必要不可欠だが、ヒップホップ界ではBooが必要不可欠な存在だ。(大場俊明)

ムーン・ビームス/Tsuki No Wa
[サウンドスケープ / TKWCD-001]

新Shock感宣言! バンド・サウンドが意志をもった軽石のようにザラザラとこすってくる高級J−Pop。乾燥したはっぴいな日々に雅楽の華やかさをそえて、今夜君はサルになれることうけあいだ! もう2曲目で君は肝心なことを忘れ、けだるいプロペラエンジンの夏空へつき落とされるだろう。客演にはCalm、DJ Klock、大友良英、市川実日子! びっくりしなくなったみんなに贈る2003年のビッグな贈りもの。(山田宗弘)

フロム・ベース・トゥ・ヴァイブレーション/スミス&マイティ
[ラッシュ!プロダクション / ACCR-10002]

あるタイプの音楽愛好家にとっては現在進行形でそのまま伝説化している都市、イギリスはブリストルでマッシヴ・アタックらと活動歴を共にする重鎮、スミス&マイティのベスト・アルバム。選曲は過去リリースされた『Bass Is Maternal』『Big World Small World』『Life Is...』といった3枚のアルバムより。ただやみくもにドラムとベースを打ち鳴らすのではなく、メロディ・ラインとの絡みも絶妙なベテラン技。(高橋晋一郎)

タイミング・インコレクト/DJクロック
[サブライム / IDCS-1013]

遂にリリースされたDJクロックによるミックスCD。これまで日本全国のクラブやヨーロッパ・ツアーなど数々の現場で披露してきたエフェクティブなスクラッチとまさしくジャンルレスな選曲、エッジの効いた部分とハートウォームな部分との絶妙な構成とどこを取ってもDJクロックでしかありえなかった唯一無二の世界がこれで何時でも何処でも再生可能に。数多く存在するミックスCDの中でも抜群のオリジナリティ。(高橋晋一郎)

ハウス・シングス VOL.5 / V.A.
[フラワー / FLRC-022]

フラワー・レコードが贈る“ハウス”をテーマに掲げたコンピ盤の5作目。ハウス・ミュージックの特性上アナログのみのリリースになってしまうものが多いものを12インチ・ヴァージョンのフル・レングスで収録してあるのが有り難い。今回はケリー・チャンドラーによるクラシック「Atmospheric Beats」やケヴィン・ヨスト「Move Your Mind」エレクトリック・ブリーズの「Touch One」などをコンパイル。(高橋晋一郎)

ロウ・マテリアル/V.A.
[ロウ・マテリアル / RMCD-001]


もうどうしようもない位、ジャンルなんて細分化した今、オリジナリティこそ全てとする動きのみがフレッシュな音楽を生みだすという面もある。ロウ・マテリアルが発表したこのコンピレーションはそんな姿勢をパックしたもの。アーティストのスタイルは様々なれど、ポールがマスタリングしたというこのコンピレーションからは規制の枠を飛び出ようとする純粋なミュージシャン・シップが感じられて頼もしい。(高橋晋一郎)