LIFE / SIZZLA
[GREENSLEEVES / GRELCD281]


先頃リリースされた『Stay Focus』もかなり内容の良いアルバムだったが、今作は彼自身のプロダクション“Kalonji”が制作を担当した絶対の自信作。収録曲の約8割が生演奏によるルーツ色の強い内容で、名曲「プレイズ・イェ・ジャー」を彷彿とさせる「マリファナ」以下、魂が揺さぶられるミディアム・チューンがズラリと並ぶ。若手が充実してきた現在のコンシャス・シーンだが、核はやはりこの男! [輸入盤](小池信一)

UNTOUCHABLE / ANTHONY B
[TOGETHERNESS / 024 691 034 2]

レーベルも大プッシュでUSの雑誌でも良く広告を目にした気合いの一枚。ゲストも豪華だが、それが理由で傑作となった訳では無い。その強い存在感で全体的に統一感がありながらも、今まで以上に幅の広がりがある。そんな新しいスタイルに挑戦するポジティヴな姿勢の中に、昔ながらのレゲエの持つグッド・ヴァイブスを感じさせてくれるからこそ傑作になったのだ。詳細は前号のインタビューを参照のこと。[輸入盤](鎌田和美)

ON BOND STREET KGN. JA. / BITTY McLEAN
[PECKINGS / PTI 002]

これはお見事。技術の進化でトミー・マクック&スーパーソニックスのトレジャー・アイルでの名演が実に綺麗な音でリマスターされてます。そのため、昔のオケをバックに歌を録音した物なのに何の違和感もありません。彼の甘く切なげな声と心に優しく染み入るメロディは何とも言えない黄昏感があります。更にT・マクックのホーンが追い討ちをかけ実に良いムードを作ります。余りに良い作品でびっくり。[輸入盤](鎌田和美)

BLACK FRIDAY / JAZZBO
[LIQUIDATOR / LQ-017]

ドイツ・ベルリン出身のJazzboは、オーセンティックな流れを汲みながらジャズ色の強いスカを演奏しています。大所帯かと思えば5人編成ですが、厚みのあるサウンドを聴かせます。それは穴あきジーンズのかっこ良さと言えるでしょう。まるで霧の中にいる感覚に陥ってしまう録音状態も却ってスカの火を燃やします。エゴ・ラッピンも以前カヴァーした「Black Sunday」を含む全16曲。お薦めです。[輸入盤](磯野カツオ)

MAGIA NEGRA / BANG MATU & ORQUESTA KINGSTON
[LIQUIDATOR / LQCD 012]

スカとラテンは相性がいいですね。妖艶、そして太い声で歌う女性シンガー、ベゴーニャ・バンマトゥはとても魅力的。立派なホテルより、音楽と酒好きの集まるバーが良く似合うし、スペイン語の響きに情熱がほとばしる。ジャズにしてもスカにしてもムードが大切。ヨーロッパには興味深いバンドが沢山いますね。声に恋して、一晩中踊るのにピッタリです。是非ともライヴが観たくなりました。[輸入盤](磯野カツオ)

REGGAE ANTHOLOGY / GARNET SILK
[VP / VP 1693]

今から10年前、27才という若さでこの世を去った孤高のラスタ・シンガー、ガーネット・シルク。バッドマン・トーク全盛であった当時のダンスホール・シーンを、繊細でありながら力強い唄声とコンシャスネスなリリックでガラリと一変させた男。神憑り的パワーはイマ聴いても全く色褪せておらず、マジで感動させられた。名曲ばかりのこのベスト盤、レゲエが好きなら避けては通れない一枚である。[輸入盤](小池信一)

MAGIC TOUCH/15-16-17
[DEB / DEB LP 101]

ラヴァーズ・ロック、ダブ、ルーツの名盤を数多く残したUKのDEBレーベルが遂に復刻開始。アルバム4タイトル、12インチ・シングルが9タイトルと一挙に14タイトルがアナログで蘇ったが、今回のリイシュー・シリーズ最大の目玉がこれ。77年の録音以来、27年ぶりにリリースされることとなった15-16-17幻の1stアルバム。これは間違いなく全UKラヴァーズ・フリーク必聴の1枚。近日CD化も決定![輸入盤](武田洋)

20TH. CENTURY DEB-WISE / DEB PLAYERS
[DEB / DEB LP 06]

『Umoja Love & Unity』に続いて78年にリリースされたDEBレーベルのインスト・ダブ第2弾。 プロデュースはデニス・ブラウン、ミックスはプリンス・ジャミーが担当。このアルバムは入手困難だったため、オリジナル盤を持っている人は相当少ないと思うが、これが格好イイのなんのって! へヴィーなダブの間に1曲だけポツンと咲いたメロディアス・ダブ「Dancing In The Street」は必聴ですよ。[輸入盤](武田洋)

DEATH IN THE ARENA / CLINT EASTWOOD
[CHANNEL ONE / NO NUMBER]

トリニティの弟であるクリント・イーストウッドの名作アルバムがアナログ盤のみで初のリイシュー! 70年代後半、チャンネル・ワンの全盛期にリリースされた作品で、レボリューショナリーズのタイトな演奏による“アリーナ”“ドリフター”などの名オケをバックに、ヤーディなトースティングが炸裂する強力DJ作。ムセ返る様なゲットーの空気が充満したこの時代ならではのサウンドが魅力![輸入盤](小池信一)

TRESURE ISLE IN DUB 1970-1978
[JAMICAN RECORDINGS / JRCD 019 / PCD-2570]

再発を繰り返す度に、ダブの素晴らしさを再認識させられるトレジャー・アイルのダブ音源集。このアルバムはかつてアナログ盤でリリースされた曲以外にも未発表ダブが数多く収められているのが何よりも売り! ジャケットのクレジットには70〜78年とあるが、大半の曲が60年代後半から70年代初期にかけて録音された音源が使用されている。リバーブやディレイの効果が何とも心地よい作品である。[輸入盤](長井政一)

STRICTLY THE BEST 32 / V.A.
[VP / VPCD 1700]

夏の定番シリーズ“レゲエ・ゴールド”、そして冬の定番シリーズ“ストリクトリー・ザ・ベスト”。共にジャマイカのシーンをほぼリアルタイムで紹介してくれるシリーズとして必携。そしてこの冬版の第32弾も頭からI-Wayne「Can't Satisfy Her」〜Bascom X「Lonly Girl」という流れは正に今年のジャマイカン・シーン。当然Beres Hammond、Sizzla、T.O.K.と言った大物のビッグ・チューンも収録。[輸入盤](大場俊明)

HEAVY STEREO INNA KINGSTON TOWN - SOUND SYSTEM ROCKERS VOL.2 / V.A.
[kINGSTON SOUNDS / KSCD 003 / PCD-2565]

以前発表されていた“Sound System Rockers”シリーズの第二弾。内容的には70年代中期、バニー・リーがプロデュースしたホレス・アンディ、ジョニー・クラーク、バリー・ブラウン、ジョン・ホルト等によるルーツ・レゲエ〜歌謡レゲエの未発表ながら名曲と言える数々が楽しめる。正直これらの曲がサウンドシステム向きかは「?」だが、オールド・レゲエの入門版としてはお勧めの1枚。[輸入盤](長井政一)

ディスアピアランス/ダブセンスマニア
[ソニー/AICL-1600]


ミキサーにデニス・ボヴェールを起用した『Appearance』はしなやかかつ凶暴な逸品だったが、そのダブ盤である本作は、ロイド・バーンズに委ね、全く別の作品として生まれ変わった。しなやかさよりもあの時代特有の痛々しいほどのエッジ感。つまりかの名作、ホレス・アンディの『Dancehall Style』の肌触りや空気感。だが、もちろん過去のロイドの音では無く、進化したロイドの音。僕はこっちの方が好き。(大場俊明)

コレクテド/クリス・マーレイ
[スカ・イン・ザ・ワールド/SIWL 017]

このベスト盤を初めて聴いた瞬間から好印象、惚れてしまいました。アコースティック・ブームは忘れて下さい。スカの表現に決まりはありません。全編ブルース・フィーリングたっぷりで、とにかくギターの音色が心地よいんです。当然、歌声も渋い。フローリングでは味わえない本物の木の匂いとでも言いましょうか、素晴らしい才能に出会えました。クリス・マーレイは本物なのです。生きるスカ万歳。(磯野カツオ)

・エクスタティック・パレード/マシェル・モンターノ&エクスタティック[バッカナル45/XTCD-001]

ケヴィン・リトルとルピーのお陰ですっかりお馴染になったソカ。本誌では既にNo.251で特集しているが、その中でも“重要人物”と称されていたマシェル・モンターノ、そして彼が所属するバンド、エクスタティックの代表作が本邦初登場。ソカ界No.1と言われるだけあって確かな唄と演奏で全編グイグイ押しまくりカーニヴァル気分を盛り上げてくれそうな曲ばかり。「Carnival」収録の『The Xtatik Circus』も同時発売。(大場俊明)

ストロンガー・エヴリデイ/ジョン・B
[BMG/BVCM-41025]

3年ぶりとなる4作目は、ビヨンセ・パパによるレーベルとベイビーフェイスの奥方が興した会社による共同制作に。クリエイター勢はジャスト・ブレイズ、ベイビーフェイス、タンクと多士済々ながら、序盤のミッド攻勢にはホンキで腰が立たなくなるかと思うほどだし、中盤のアップもヒップホップ的なスリリングさとベタな哀感が絶妙に織り交ぜられ最高! 何かを掴んだ男だけが成し得る世界観の確立が見事。(石澤伸行)

アイ・ニード・アン・エンジェル/ルーベン・スタッダード
[BMG/BVCP-21399]

デビュー作の成功に対するご褒美ということだろう、2枚目となる新作は本人たっての希望により大方の収録曲がゴスペル・クラシックのカヴァーに。ウォ−リン・キャンベルによるカントリーっぽいアプローチには驚かされるが、メアリー・メアリーとのデュエット曲を始め、R&Bの旨味に溢れたスピリチュアル・チューンもちゃんと収められている。タイトル曲はR・ケリーのドラマ性が存分に発揮された注目曲だ。(石澤伸行)

イマジネイション/オージェイズ
[BMG/BVCM-41023]

ビヨンセ・パパのレーベルが放つ超ベテラン・ヴォーカル・グループの新作。トロイ・テイラーやロブ・フサリ、そしてジャム&ルイスが素晴らしい仕事をしているが、何と言っても、歌に徹した時の3人の爆発力にはヤラれまくりだ。熱いアップに拳を握らされ、懐の深〜いミッドにウットリ。お約束のジェラルド・リヴァートとの親子共演も今回は殊のほか濃密だ。本作の中にあっては、彼らに「老い」は感じられない。(石澤伸行)

コントロール・フリークス/サイレンズ
[ビクター/VICP-62898]

UKからまたひとつガールズ・グループがデビュー。ヒップホップ的なアグレッシヴさにユニゾンな4人の歌声が乗るといった作りながら、安易なトレンド復唱はシャットアウトされていて、つっこみ所ナシ。N.E.R.D.曲のカヴァが話題となっているが、その他の楽曲もきっちりオリジナルな成果物になっていて、最初から最後までアイドルっぽさを丸出しにしてくるような場面がなかったのも含め、イマドキだなぁと。(石澤伸行)

グソウル・エッセンシャルズ8/V.A.
[エイベックス/CTCR-13191]

インディー・ソウルの美味しい部分を丹念に抽出して我々に届けてくれている本シリーズもこれで8枚目。アリソン・ウィリアムス、フェリシア・アダムス、アンプ・フィドラーらこの1年の高印象シンガーたちに加え、ジャネイの片割れジーン・ノリスといった初もの等々、彼らがここに描く「歌とビートの楽園」には毎度ながらホレボレする。そこへきて「本コンピは季刊になっている」との事実に二度までも唖然。(石澤伸行)

ザ・リラティヴス/ジェフ・パーカー
[ヘッズ/THRILL-JP17 / HEADZ 37]

待望の来日を目前に控えたトータスのギタリストであり、シカゴ・アンダーグラウンド・トリオやアイソトープ217でも活動するジェフ・パーカーの最新ソロ・アルバムが届けられた。勿論、録音とミックスを手掛けるはジョン・マッケンタイア。中でも耳を引くのはマーヴィン・ゲイ「When Did You Stop Loving Me, When Did I Stop Loving You」のカヴァー。ソウルフルに展開されるジャズ・アレンジ。流石の玄人技。(高橋晋一郎)

ZURE ZURA 2/F.L.Y
[360°レコーズ/360R29]

ボーダレスな音楽家達が集う様々なコンピに参加してきたF.L.Y a.k.a.山田民族による1stアルバムが届いた。旧知の仲であるTsuki No Waらのメンバーも参加したこの作品は、一言で言えばエレクトロニック・ミュージックなのだろうが、ひとつひとつの音や突拍子もないアイデアに満ちあふれた構成など、F.L.Yでしか作りえない何処にもない作品。とは言っても非常に心地よく身体の奥底に染み入る曲ばかり。(大場俊明)

ザ・キング・オブ・ディスコ/V.A.
[ホステス/RR0037CDJ]

ディミトリ・フロム・パリスとジョーイ・ネグロがセレクトするアングラ・ディスコ・チューンの逸品集。曲の良さだけで興奮させてもらえるのみならず、各曲に施されたエディット処理もツボ突きまくり。ふたりによる曲解説に至っては、彼らのレコ部屋に招待されたような感覚になれて実に楽しい。コンピ大充実のここ数年にあってなお図抜けたクオリティを誇る本企画は、シリーズ化されるとのこと。タマランね!(石澤伸行)

ヒロシズ・キック・バック(プライヴェイト・ミックス)VOL.1/V.A.
[ラッシュ!/ACCR-10022]

原ヒロシが20年前にプライベートで作っていたというミックス・テープをオフィシャル・リリースという形で再現。リラックスする為に選曲されたという本作はマリーナ・ショウやゲイリー・バーツ、ジャニス・イアンにエヴリシング・バット・ザ・ガールなどソウルにジャズ、レゲエに映画音楽とジャンルと時代を超えて完全にクラシックと呼ばれる強度を持った極めつけの楽曲で構成されたサラブレッドな一枚。(高橋晋一郎)