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2007年7月 アーカイブ

2007年7月 2日

UK REPORT from No.283

Photo & Text by SIMON "MAVERICK" BUCKLAND

Levi Roots
 
Greetings Friends,
 
●先月のコラムでDesmond DekkerとRuddy Thomasの訃報を伝えたが、今月も同様の悲しいニュースをお知らせしなければならない。伝説的なルーツ系シンガーであり、Cultureを30年間以上も牽引してきたJoseph Hillが8月中旬に死去した。ドイツをツアー中に心臓発作を起こしたらしい。彼の死はレゲエ界にとって大変な損失だ。70年代初頭にStudio Oneに才能を見出され時から、彼は生まれ育った田舎で培われたルーツ音楽のスタイルを頑なに守り続けてきた。HillはFreddie McKay、Clifton Gibbsらと共にSoul Defendersの一員としてデビュー。同時期にデビューしたアーティストにはThe Selected Few、Vin Morganらがいるが、その中でHillだけが今まで音楽界生き残った。
 
これは一重に、日常生活や預言、政治、言い伝え、そしてユーモアといった題材を熱い血の通った音楽に仕立て上げる事ができた彼の才能による。HillはCultureに属していたが、このグループはほぼ彼の名前とイコールで結ばれるだろう。それほど彼の存在は他のメンバーを圧倒するものだった。Albert WalkerとKenneth Dayes、それにHillのオリジナル・メンバー3人は『Two Sevens Clash』『Babylon Bridge』『Africa Stand Alone』『Inter-national Herb』『Cumbolo』『At Work』など数々の名盤を残した。しかし、Hillこそがこのグループの看板をAriwaのBlack Steelらと共に掲げ続けたのだ。ほんの一握りの熱狂的なファンを除き、他の2人がステージに上がっていなくても全く分らなかっただろう。彼の死はレゲエ音楽業界のみならずこの世界にとって大きな損失だ。ラスタ・レジスタンスに深い理解を示し、沢山の人々に愛されていた男は数々の名作を残して去っていった。信じて欲しい、誰も彼の代わりはいない。
 
●King JammyのドキュメンタリーDVDがVPからリリースされた。VPのウェブサイトで是非チェックして欲しい。全てKingstonで撮影された映像にはNinjaman、Admiral Bailey、Wayne Smithらのインタビューが含まれている。面白い事に、この映像を撮ったのはOlivier Chastanというフランス人だ。彼は86年に母国を離れアメリカに移り住み、04年以来VPのミュージック・ヴィデオを撮影している。このDVDはジャーナリズムの観点ではなく、あくまで商業的な目的で作られたものだが、この種のドキュメンタリーは皆無に等しく一見の価値があると思う。
 
●Levi Rootsは、若い時にCoxone Outernational SoundでDJとして研鑽を積み、自身のプロダクション及びConquerorレーベルを80年代に旗揚げした。彼はMikey GeneralやEarl Sixteenらのアーティストを育てたが、トラブルを起こして軽犯罪者用の刑務所で短期間過ごす不運に見舞われた。出所後、DJというよりもヴァイタリティ溢れるシンガーとして音楽シーンにカムバックを果たした。そして、アルバム『Free Your Mind』がヒットし、彼のSoundboxレーベルからは、Leviのプロデューサー手腕のお陰で次々と才能あるシンガーがデビューしていった。先日、僕は彼から貰った電話で彼の新しいビジネス、"Rastaraunt”の事を聞かされ少々驚いた。
 

Joseph Hill (Culture) 
 
この商売は名前から想像できる様な飲食店ではなく、一風変わったパフォーマンスの事を指し、既にジャマイカでかなりの人気を得ているらしい。簡単に説明すれば、"Rastaraunt"とはLeviがギターの弾き語りをしながら(ボンゴ奏者がいる場合もあるらしい)、ジャークチキンやアキー&ソルトフィッシュなどの料理を作るというショーらしい。その上、彼自身が開発したLeviブランドのペッパー&ジャーク・ソースを使い実演販売をしているというのだ。ある意味ポスト・モダンなパフォーマンスはジャマイカの裕福な人々の結婚披露宴やパーティのアトラクションとして人気だそうだ。最近ではSky TVや新聞を始め、様々なメディアで取り上げられ、Sainsbury'sスーパーのような食品小売会社も注目し始めているようだ。サイドビジネスとして始めた事がLeviの新たなサクセス・ストーリーに成りつつある。詳しい情報はwww. reggaereggaesauce.comで…。
 
●8月下旬まで息子のフランスでの学校探しで忙しく、絶対に観たかったEnglandでのライヴを見逃してしまった。僕が以前住んでいたKent出身のヴェテラン・バンドIntensifiedが、僕の1番好きなシンガーの1人、Alton Ellisのバックを務めたコンサートだ。スカ・リヴァイヴァル・ブームの中に現れた彼らは、今では貫禄さえも漂わせ、ジャマイカ音楽の正統派バンドとしてUK中にその名を轟かせるまでに成長している。両者のスケジュールの都合でリハーサルを設ける事ができなかったらしい。しかし、そのショーは、僕の友人でAltonのNo.1ファンであるLaul(彼は所有している川用のボートにAltonの名前を冠するぐらい熱狂的だ)が、生涯観たAltonのステージで最高のものだったと太鼓判を押しているのだ。LaulはIntesifiedの音楽をからかい半分しか聴いた事がなく、いつも辛口な評論ばかりを口にした事がない男なのだ。ホーンを全面にフューチャーしたバンドは、繰り返しになるが、ぶっつけ本番で偉大なシンガーとの共演に挑んだのだ。
 
彼らは、Altonが過去に共演したどのバックバンドよりも生命力漲るサウンドで偉大なシンガーをサポートした。Laulによれば、特に「Dance Crasher」は、彼が床にひれ伏すほどの神がかり的ともいえる素晴らしい出来栄えだったらしい。Intesifiedは、Altonを始めとするファンデンション・シンガーが必要とする過去のオーセンテックなサウンドを奏でる数少ないバンドの一つだ。ドイツの興行会社GroverはIntesifiedについて僕と同意見を持っているようで、彼らのヨーロッパ本土のツアーを計画しているらしい。もし、それがダメなら僕がなんとか自分の力で彼らを本土へ上陸させるつもりだ!
 Till Next Time, Take Care...
 
(訳/Masaaki Otsuka)

ISLAND EXPRESS from No.283


帰ってきたセルフィッシュ・レーベル
〜サイドマン的ジャメーカ男女事情

Text by Reiko NAGASE SMITH(協力:アイランドツアー)
 
セルフィッシュ・レーベルから8年ぶりにニュー・リリースのお知らせ。DJジャミネマンによる「サイドマン」! ジャミネマンは1998年の『Riddim』誌「アイランド・エクスプレス」、184号と185号「Dreams Come True」で紹介したキングストン在住日本人DJ、ゆーのー。
 
「サイドマン」とはジャマイカで、トラックの後ろに乗り、積荷や運搬配送の仕事をする人たちのことで、補助的な仕事をする人の総称でもある。ジャミネマン的にはサイドマンは、彼氏がいるとわかってて狙ってくるいたずら男。メインじゃないとわかっててその隙をつく第2第3彼氏。軽い恋愛のお相手、をさす。
 
Mi nuh miss, mi nuh mess, a nuh must miss girl. ミスはしない、混乱させない、絶対って訳じゃない。Miss yuh to Mrs. mi a mischievous. ギャルからミセスまで、ボクは悪戯好きなのさ。
 
ジャマイカ男の評判は、すこぶるいいとは言えないね。料理もアイロンがけもうまいし、ラフで力持ち。口は悪いけどやさしい。でも女にだらしない。リップ・サービス大得意。女と見れば声をかけずにいられない。何人もの女性を掛け持ちするイメージがあるが、真実なのだろうか。
 
私はここに、ジャメーカの男と女事情をみる。浮気とはちょっとちゃうねんな。ジャマイカで誕生する子供の約80%が未婚カップルの間に生まれている事実、が背景にありそう。ジャマイカは結婚率が低いのだ。恋愛して子供が生まれる、そのうち別れちゃうカップルもいる。お互いに別の相手ができてても、子供がいるから何かと会う用事もできる。そうすると、ときどきそうなる。これがベビーファーザー系サイドマン。昔の男系サイドマンもこれに然り。Still。恋愛や妊娠の結末が結婚というどこかの先進国と違って、この国はもっと個人主義でドライである。恋愛に社会的責任など介入しない。そのために恋愛度の熱は高くなる。ジャマイカ人は恋愛に貪欲で、男も女も恋愛にかける情熱は惜しまない。
 
Give mi likkle piece, no(ぎみりこぴーす、の)と、男が女に哀願するのを聞くよね。これ、ジャメーカ流ナンパの言葉。ふざけた言い回しだよ。「ちょっとだけちょうだい」=「ちょっとやらせて」。Likkle Pieceって何よそれ。
 
Mi nuh dis, mi nuh pest, pass mi pass. ディスはしないよ、悪さもしない、通り過ぎるだけ。
 
サイドマンは引き際がいい。トラブルは嫌い。メインマンのビジネスを邪魔しようとはしない。「ほな、メインマンによろしく」まで言っちゃう。サイドマンは基本的にマメ男で、女に都合のいいキープくんでもある。
 
ジャマイカはセックス産業がなく、あっても未熟なの。女の子にとっても簡単にいいアルバイトってのがあるわけでもなく、それが援助交際的サイドマンが存在する理由だろうか。
 
「あたしの彼はちっともお金くれなくってぇ」。So dem do it. ジャマイカの女の子的には、恋愛にお金が介入すべし。Easy nuh.
 
サイドマンは、倦怠期の隙をつく。メインマンにとっては怖い存在でもあるのよ、時に。See mi a seh. メインだと思ってたら大間違い、てなことも時に。Go deh, ごでごで。
 
B面は日本語ヴァージョン、でもジャマイカと日本じゃ恋愛の背景が全然違うから、日本語では片思い胸きゅんチューンに仕上がってます。
 
セルフィッシュ・レーベルは、自分で作って自分で歌って自分で売る、自分のためのわがままレーベル。キングストンにある、プライベートのルーツ系スタジオ「Rootsy Endz Studio」で録音、ジャミネマン初のラヴ・ソングです。ラジオのディスク・ジョッキーにも渡したけど、その番組で全然かからないから、あげたレコードを返却してもらった特異話もあり。リッチーBにも「番組でかけないなら返せ」と言ったが、彼は3回番組でかけたそうな。ディスク・ジョッキーにはレコードを売るべし。買えば、それだけ投資したんだからラジオでかけるだろう、てのがジャミネマンの考えらしい。
 
サイドマン、サイドサイドマンマン、Anytime you call mi.

What the deal is from No.283

(U KNOW)What the deal is
 
ハリケーン・カトリーナから一周年、9/11ら5年が経つ。双方の爪痕は今でも色濃く残っているが、相変わらず米軍はラチがあかないアフガニスタン、イラクに駐留しているし、ルイジアナを含む南部の各地は、今年も予想されるハリケーンの被害に怯えている。一年という期間は長く感じられるが、未だに帰る所がない人々が、国や州からなんの保障も無く、途方にくれているのが現状で、多くの問題が残っている。ブッシュ政権への批判は続くが、次の議会の予備、中間選挙でも苦戦が続くのは、当然の結果であろう。しかしながら、迎え撃つ民主党も、“環境問題”を柱に国民の支持を得ようとしている逃避ぶりで、ヒッピー世代の駄目な部分が出てしまっていると思っているのは、私だけでしょうか?
 
●今月の逮捕
またまた50セントが捕まった。9/8にマンハッタンをナンバー・プレート無し、保険無しのランボルギーニで暴走していたとして現行犯逮捕された50だが、免許も持っていなかったと警察は発表している。目撃者の証言によると、車線変更禁止のところをジグザグ運転していたのを交通課の警官が止めたが、免許を提示するのを拒んだとの事。先月もマサチューセッツのコンサートで、ステージから飛び降りたところにぶつかった女性から訴えられている50だが、トラブルは続く?
 
●今月のビーフ
ラッパー、メイスの契約を巡り、パフ・ダディと50セントがもめていたが、仲介役が入り、めでたくビーフ解消になったと50のマネージメントが語った。50がリリースした『Hip Hop Is Dead』なるミックスCDで、かなり辛辣にパフィを卑怯者と非難していた50だが、どういう風の吹き回しか、突然の歩み寄りを見せた。尚、パフ・ダディもFM局ホット97で、アンサー・ソングを用意しているとビーフを公認したばかりだった。こういうのは、ビジネス用語でなんというのだろう?
 
●今月の博物館
昨年から基金集めを行っているブロンクスのヒップホップ博物館が、暗礁に乗り上げた。ヒップホップ発祥の地でありながら、ヒップホップの経済的成長にはあやかれないでいたブロンクスだが、この博物館を含む多目的用途のビルの、市からの補助金が凍結された。理由は、新しいビルを建設する時に、市に提出する書類が不備だったという、なんともマヌケな事だったのだが、元々ブロンクスに予算を割きたくないという市の態度は見え見えとオーガナイザー達はコメントしている。これに対して市は、ビル建設に関わっている業者などが、“脱税などの容疑がある怪しい団体”とやり返している。NYとしては、いい話だと思うんだけど?
 
●今月の逮捕 2
モス・デフが8/31に逮捕された。MTVのヴィデオ・ミュージック賞のセレモニーに出演した本人が、ミッドタウンの会場、レディオ・シティ・ホール前に設置されたトレイラーのステージで、ブッシュ政権を斬る「Katrina Crap」を、会場前に集ったファンなどの前で披露している途中、警察のストップが入った。無許可で路上で演奏しているカドなどで、その後、逮捕となった。ウ〜ン、ビッグブラザー的な話ですな?
 
●今月のジャム
9/2にブロンクスは、ムーアハウス・プロジェクトで、80年代ヒップホップの重鎮、カーティス・ブローのDJとしても知られるAJスクラッチが、ブロックパーティを行った。同じくアップタウンの巨匠、ブルーシーBなどもDJとして参加、アットホームな手作りジャムは、往年のブロンクスの雰囲気を蘇らせた。AJは一度引退を宣言していたが、今回のジャムをきっかけにまた活動するとのこと?
 
沼田 充司
DJ/プロデューサー。 レーベル<ブダフェスト>主宰。 雑誌『ブラスト』でも執筆中。 ニューヨーク在住。 [Photo by Tiger]

PLAY IT LOUD from No.283

MASH DEM DOWN / CHEZIDEK
[AL.TA.FA.AN. / Y4797]
ドイツとジャマイカを結び、コンシャス系アーティストを中心にリリース展開しているAl.Ta.Fa.An.からのリリース。ワン・ドロップ系のリズムを中心にしたリズムに乗る彼の持ち味であるナイーヴで透明感のある声とキャッチーなメロディは健在。彼のしっかりとした濃い目の存在感を引き出しております。キーを外した曲にも妙な説得力があり、レゲエならではの臭さがカッコ良い傑作となっております。[輸入盤](鎌田和美)
 
BREAK FREE / MIKE BROOKS
[TEAMS / EBCD-13]
ジャマイカの宝物、トレジャー・アイルのリズムトラックを使用したヴェテラン・シンガーの新作。自然とあのリズムが鳴ると身体が反応してしまいます。やはりコーラスワークは重要、とても魅力的です。ビティの作品が青春路線なら、こちらは大人のほろ苦い胸の内をこっそり覗いた感じですね。長年愛されてきた演奏がソウルを持った歌手によって歌われた結果、またレゲエが好きになったカツオです。[輸入盤](磯野カツオ)
  
BREAK THE SOIL / BAMBU STATION
[MT. NEBO / NEBO-3008]
バンドの詳細は分かりません。ただストレートでシンプルなルーツ・レゲエ、聴きたくありませんか? 必要最小限の音数で、ひたむきに自分の道を進んで行く姿がいいのです。近頃は情報優先な気がします。コマーシャルな要素の薄い一本の木だから伝わる肌触りに心は開きます。時間はゆっくりと流れるけど、スローとは少し違う。ためてしっかりと根を張って作られた作品です。ぜひ触れてみて下さい。[輸入盤](磯野カツオ)
 
I AM THINKING ABOUT YOU / BEGONA BANG MATU
[BRIXTON / BRO20CD]
スペインの女性シンガーの新作。ジャズを歌うのがぴったりな艶やかな歌声で、スカ、ロックステディを演じて聴く人を魅了する。そんな彼女は情熱的な女優の様だ。表現力の豊かさに溢れている。ヘンリー・マンシーニのカヴァー曲「シャレード」がお似合いだ。作詞/作曲も手掛ける才能の持ち主で、特にタイトル曲はカツオを惚れさせた最高のラヴァーズ・ロックなんです。皆様に夢見て頂ける大推薦作。[輸入盤](磯野カツオ)
 
WOLF & LEOPARDS / DENNIS BROWN
[VP / VPCD2333]
ナイニーのプロデュースによる77年作。数あるデニス作品の中でも土臭さが際立っていて、個人的には一番好きな作品。「エマニュエル」「ヒア・アイ・カム」等、代表曲も多く、「パーティ・タイム」等のカヴァーも秀逸。今は亡きこの大歌手の素晴しさは、この一枚だけでは到底語り尽くせるはずもないが、デニスの唄声を聴いたことの無いレゲエ・ファンがいたなら是非お薦めする。確実に間違いないから!![輸入盤](小池信一)
 
THE WAY IT IS / I KONG
[VP / VPCD2332]
コーラス・グループ、ジャマイカンズのメンバーだったI・コングが78年にリリースした唯一のアルバム。制作はトップ・ランキング。ダブ・ミックス6曲を追加しての初CD化にルーツ好きはマッシュ・アップ間違いなし!? トロピカルな曲、マイナー調ルーツ、ソウル・マナーなモノ等、作風もバラエティに富んでおり、ウェイラーズ、サード・ワールド等をバックに伸びやかで味のある歌声を聴かせてくれる。[輸入盤](小池信一)
 
ラヴ・イズ・マイ・レリジョン/ジギー・マーリー
[ビクター/VICL-62143]
デビュー以来、ザ・メロディメイカーズにはさして思い入れはなかったのだが、3年ぶりとなるソロ第二弾の本作が想像以上に素晴らしくて彼に対する見方が変わってしまった。一聴、サウンド的にはヴァラエティに富んで聴こえるが、ジギー自体の芯が図太くなったのだろう、作品としての芯も太く、大地に根ざしたものに聴こえる。シリアスな歌詞の中にもタイトル通り慈愛に満ちた素晴らしいメッセージが詰まっている。(大場俊明)
 
パワー・オブ・ワン/ミッチー・ワン
[ビクター/VICP-63538]
「恋のゲット・ダウン」を覚えてますか? あのルーチー・ルー&ミッチー・ワンのミッチーのソロ。と言うとどうしても昔のアイドル的なイメージがつきまとうが、本作は本場仕込みの完璧なダンスホール作品。たぶん活動休止中に裏方に回った事によってよりレゲエへの想いが膨らんだのだろう、"Seasons" や "Scoobay" リディムも軽々と乗りこなしている。J・クリフやB・シグナルなど大物の客演にも負けてはいない。(大場俊明)
 
イェル・ファイア!/マイケル・フランティ&スピアヘッド
[エピタフ/ソニー/EICP-665]
本誌読者ならば、「Disposable Heroes Of Hiphoprisyの…」と言った方が通るだろうマイケル・フランティ率いるスピアヘッドの3年ぶり5作目。戦時下のイラクなどの中東国を旅し映画まで撮影してきた後だけに、腹に響くほどリアルながら、どこかやさしさに包まれている。それらをボトムで支えるスライ&ロビーの切れ味鋭いリズムは、彼の想いを更に強きものへと導いている。ぜひ歌詞を読みながら聞いて欲しい。(大場俊明)
 
レインボウ・マジックス/ボウイングNO.9
[ソフトルーム/ファイル/SRRS-0001]
関西では既に話題になっている唄物レゲエ・バンド、ボウリングNo.9のデビュー・アルバム。彼らの魅力はA.S.Pでも活動するAzuの大らかな歌唱とBCTTTでも活動する岩井ロングセラーによる奇天烈ながら的を得たオルガン・プレイだろう。ポップながらも腰にくるリズム隊も楽曲にぴったりだし、ダブ要素もまぶしたミックスもハマっている。関西にはどうしてこう才能と個性のあるバンドが出現するのだろうか?(大場俊明)
 
スカニヴァーサリー/アーツ
[ドナ・ドナ/DONA-52]
鹿児島が誇るオーセンティック・スカ・バンド、アーツの結成15周年を記念して制作されたサード・アルバム。地元ではかなりの支持を得ているバンドとは聞いていたが、確かに演奏力、アレンジ力、楽曲の良さは15年間という時間を(メンバーの入れ替えはあるにせよ)共に過ごして来た重みを感じる。とは言ってもキャッチーな曲もあったりと振り幅は広く、スカの魅力を詰め込んだ作品とも言えるだろう。(大場俊明)
 
ブレイジング・ガールズ VOL.1/V.A.
[ジェネオン/GNCL-1091]
最近、沖縄音楽にハマっているというシスター・カヤがプロデュースする全国のヒップホップ、R&B、レゲエの活きのいい女性アーティストを集めたコンピレーション。以前からこうした女性アーティストをフック・アップする活動に力を注いできたカヤだけに、各アーティストも真剣勝負で挑んでいる。当然サウンド的にも個性的にも12組ともバラバラだが、だからこそいいのだ。近いうちに現場を唸らせる逸材が入っている。(大場俊明)
 
ビーズ・デイ/ビヨンセ
[ソニー/UICU-9027]
デスチャ解散後初となるソロ第2弾。ロドニー・ジャーキンズ、スウィズ・ビーツ、リッチ・ハリスンといったビートV.I.P.たちを、同時期に異なるスタジオに缶詰にし一気に作り上げたというエピソードは、本作の尋常でないテンションへも繋がっている。その一方で、クレオールという自らのルーツも大きなテーマとして扱う等、表現者としての懐の深さも兼ね備えられ、作品全体の風格はまさにスーパーなものに。(石澤伸行)
 
バック・トゥ・ベーシックス/クリスティーナ・アギレラ
[BMG/BVCP-28064/5]
4年ぶりの新作は2枚組。前作に引き続きリンダ・ペリーと共に構築したシアトリカルなDisc2では、これまでのキャリアを集大成したかのような迫力あるパフォーマンスに圧倒される一方で、マーク・ロンソンやクワメらヒップホップ勢とのがっぷり四つとなったDisc1も耳を奪う。特に先行シングル「Ain't No Other Man」を手掛けたプレミアとの複数の磐石なコラボからは、ふたりのプロ根性を見る思いだ。(石澤伸行)
 
ビューティフル・アウェイクニング/ステイシー・オリコ
[東芝EMI/TOCP-66611]
2年ぶりの3作目。ダラス・オースティンやケイ・ジーに加え、シェイクスピアなんて懐かしい名前も含め、錚々たる職人たちが持ち寄った音世界は、前作以上にR&Bコンシャス。しかしながら、本作の魅力は彼女の歌が描き出す、凛とした立ち姿にこそある。一連のR&B的アプローチに「あやかり」は感じられないし、ポップな質感の中にも「徒花感」は皆無。朗らかな表情の中のある強い意思が美しい作品だ。(石澤伸行)
 
チョコレート/チョコレート
[レキシントン/LEXCD-06007]
米国西海岸の新興レーベル:Kajmereが送り出す女性ヴォーカリストのデビュー作。全編に通底する“陽だまり感”に加え、凡百のオーガニックねえさんたちとは一線を画す“大らかな歌いっぷり”が彼女の強み。かと思えば、クリスピーかつシャイニーなトラックでは至極クールに振る舞ったりと、実にいろいろな表情をみせてくれるシンガーだ。全体を覆う90'sテイストも含め“歌良し、音良し”の美味盤なり。(石澤伸行)
 
アイ・アム/テリ・ウォーカー
[Pヴァイン/PCD-23820]
これまで2枚のアルバムを上梓済のUKネオ・ソウルの牽引役が、自ら契約を打ち切ってインディから放つ“わたし”集。90年代のメアリー・J流儀なスウィング振りやジル・スコットが憑依したかのような現行フィリー・テイスト等、音の装いとしては様々な要素が盛り込まれるものの、制作スタンスの中心には“歌表現”がしっかと据えられる。そのよく整理整頓された視座が、本作の成功裡となっているような。(石澤伸行)
 
ゲット・ユースト・トゥ・イット/ブラン・ニュー・ヘヴィーズ
[ポニーキャニオン/PCCY-01804]
昨年の日本限定版に続く新作。前作を踏襲したと思しき“ど真ん中バンド・サウンド”が醸す潔さにまずは好感度アップ。そしてフィリー的流麗さを備えたブライト・ファンクに膝を叩き、グループへの復活を果たしたエンディアの瑞々しく炸裂する歌声や、ヤワいながら実にイイ雰囲気のヤン様によるヴォーカルにしんみりさせられたり。それなりに長い回り道だったものの“この布陣がベスト”と思える仕上がりだ。(石澤伸行)
 
ノー・ファウンデイション、ノー・ハウス/ウォーリア・チャージ
[ビート/BRC-157]
いきなり飛び出す純度100%の低音にアフリカン・ヘッド・チャージが語り出すオープニングから雰囲気抜群。これが1stアルバムとなるプロダクション・チーム、ウォリアー・チャージ。トリッキーやアスワド等を手掛けた間違いないグループだけに、様々なスタイルでベースの効いたグルーヴたっぷりの楽曲を展開。トリッキーを始めとする参加アーティストの絡みも全く違和感無く、緻密に練り上げられた秀逸な作品。(高橋晋一郎)
 
ボンゴス・ブリープス&ベースラインズ/ゼロ・ディービー
[ビート/BRC-158]
ニンジャ・チューンからクリス・ヴォガドとニール・クームストックによるユニット、ゼロ・ディービーによる1stアルバムがリリースされた。1stアルバムとはいえ'00年から活動を始め自身の作品のみならず多くのリミックスを手掛けてきた為、いわゆるニュー・カマーとは一線を画す。先行12インチ・シングルのタイトル曲を始め、パーカッシヴで派手な鳴りをするフロア直球のダンス・ミュージックが満載の一枚。(高橋晋一郎)
 
ピラミッズ/ピット・アー・パット
[スリル・ジョッキー/ヘッズ/HEADZ 84]
最早完全にベテランと言うか確固たるポジションを持つレーベル、スリル・ジョッキーから届けられた新作はキーボードのフェイ・デイヴィス・ジェファーズとドラムのブッチー・フエゴ、そしてベースのロブ・ドーランから成るピット・アー・パットによる2ndアルバム。ジョン・マッケンタイアも共同プロデューサーとして関わった本作は良い意味でポップ志向。何とシャーデー「Feel No Pain」のカヴァーも収録。(高橋晋一郎)
 
コンドール/ロヴォ
[ワンダー・グラウンド/WRCD-36]
待望のロヴォによる新作が登場。55分で1曲のしかも3部構成といういかにも彼ららしい作品だが、これが又素晴らしい。繊細で壮大な広がり、強烈なリズムと突き上がる高揚感は世界的に見ても例が無い程で、これだけ多くの要素を飲み込んだ果てには何があるのだろうと考えさせられる。ライヴでの破壊力も圧倒的だが、こうやってしっかりとレコーディングされたセッションも決して劣る事のない熱量を放っている。(高橋晋一郎)
 
ジャングル・クルーズ/ナイト・ジャングル
[デルフォニック/LJCD-1004]
ディジュリドゥ奏者のGoma&レゲエ・オール・スターズといったメンツによるこのナイト・ジャングルだが、ディジュリドゥをメインに据えるがために本作はレゲエ的なるものをひとまず横に置いて制作したそうだ。確かに空間を埋め尽くすディジュリドゥと間を大切にするレゲエとの融合は難しいかもしれない。だが、敢えてレゲエから離した事により、耳ではなく意識としてレゲエのリズムが聴こえてくるはずだ。(大場俊明)
  
ゴースト・ヒッツ 00〜06/ソウル・フラワー・ユニオン
[BMチューン/XBCD-1016]
パンクスが歳を重ねてもパンクスとしてのアティチュードを貫き通せば自ずと見えて来る社会の矛盾を引き起こす正体。生涯パンクスを貫き通しているSFUの中川敬の目には日本の、そして世界のそうした奴らが鬱陶しくてならないのだろう、それらを自分の音と言葉で曝け出す。勿論そんな奴らのせいで辛い思いをする人々には優しい眼差しを向け真摯な言葉を投げかける。本作は彼らのベスト盤第3集。聴くべき作品集。(大場俊明)

CHART from No.283

REGGAE 7" | REGGAE LP | REGGAE CD | REGGAE CLUB
HIP HOP 12" | HIP HOP LP | R&B | HOUSE | ABSTRACT

 
REGGAE 7
 
●REGGAE SHOP CISCO(渋谷)03-5458-6625
1. Sizzla / No Way (Daseca)
2. Elephant Man / Bullet (Stone Love)
3. Movado / How High (H2O)
4. Buju Banton / After You (Cashly)
5. Ghost / She's Gone (Big Yard)
 
(1)大ヒット・リディム "Anger Management" の第2弾、"Angrier"。既にヘヴィー・プレイ中のスーパー・バッド・チューン! (2)Busy Signalの "Step Out" 似の高速リディム "Oki Doki"。激しいドラムに打ちのめされます! (3)以前リリースされていたBogle Memorialの後発。最近人気の "Redbull&Guiness" 系リディム "12 Gauge"。 (4)勢いあるキックにやられる "Cashly" リディム。ハードコアな音好きに! (5)最近多いDennis Brownのヒット曲リメイク。今回はJoe Gibbs時代のヒット曲「Ghetto Girl」のリメイク。良いチューン盛り沢山! Nice & Easy。
 
●LION MUSIC DEN(名古屋)052-953-1386
1. Brian & Tony Gold / Rationalize (Big Yard)
2. Sly & Robbie O.D. Feat. Chico & Lenky / Cubanchero (Taxi)
3. Perfect / Babylon A Bun Up (Zee Squad)
4. Natural Black / Dig Up Mi Place (Jah Snowcone)
5. Danielle Feat. Gramps Morgan / Sexual Healing (Taxi)
 
(1)D・ブラウン70's名曲「Ghetto Girl」ビューティフル・リメイク!"Di Ting"Trk。 (2)"Rock Fort Rock" 斬新なラテン調ダンスホール! トランペット&ピアノが効いた好インスト。 (3)Irie FMパワー・プレイ中! 現場向き「Daker Shade Of Black」生音リメイク。 (4)4年振り追加リリースのナイス・ミディアム「Holding」ラジオ超パワー・プレイ中! (5)好調なTaxiからのマーヴィン・ゲイ名曲カヴァー+女DJ(Rap)。
 
●ROCKER'S ISLAND(大阪)06-6214-7565
1. Sizzla / No May (Daseca)
2. Bounty Killa / Bullet (H2O)
3. Elephant Man / Bullet (Stone Love)
4. Terry Linen / Low Life (Reggedy Joe)
5. I Wayne / Live Seed (Loyal Soldiers)
 
(1)ロングヒット中の "Anger Management"トラで以前からよく耳にしていたSizzla! 遂にリリース! 真のバッドマンはバティマンとは関わらないと。 (2)ヘヴィー・プレイ中のの"Redbull&Guiness" トラ似のハードなイケイケ・トラ "12 Gauge"、タイトル通り流行の "ブリッ、ブリッ" 連発! (3)こちらも流行の "ブリッ、ブリッ" 連発! 以前からジャマイカではヘヴィー・プレイ中! おまたせリリース。 (4)日本でも大人気のTerry Linenの久々新曲! 今回も優しい感じのナイス歌物。必聴です。 (5)昨年VP盤でリリース済みですが今回Loyal Soldierからセグメントでリリース! QQ、SizzlaなどもWicked!!
 
●ORANGE STREET(新宿)03-3365-2027
1. Dubkasm feat: Levi Roots / Sensimilia Addict (Sufferah's Choice)
2. Ganja Tree / Medicine Man (I-Grow Records)
3. Roman Stewart / Never Too Young To Learn (Pantomine)
4. Atiko Minus Project / Green (A.M.P Outernational)
5. Lorenzo / Tord In The Valley (Irie Ites)
 
(1)ヴェテランL.RootsをFeat.してのディープなチューン。超ド級ヘヴィー・ルーツ! (2)この所大健闘が目立つフランスレーベルの新譜。どことなくクラシカルなホーン・フレーズが印象的なヴォーカル&ダブ。 (3)72年クラシックレア音源の再発。G.Brownプロデュースの渋いキラー・ルーツ。 (4)ギリシャをベースに活動する3人組ユニットの1stシングル。イントロから引き込まれるインスト・ステッパー! (5)同オケ6枚リリース中、当店一押しはこの1枚。B面Ras Mc Beanと共に熱いヴォーカルを展開。ミックスはGussie-P。
 
 
REGGAE LP TOP 5
 
●REGGAE SHOP NAT(新宿)03-5337-7558
1. Cham / Ghetto Story (Atlantic)
2. Culture / Two Sevens Clash (Joe Gibbs)
3. Culture / Baldhead Bridge (Joe Gibbs)
4. Bitty McLean / On Bond Street (Peckings/Treasure Isle)
5. V.A. / Old Skhool Young Blood (Peckings/Treasure Isle)
 
話題のアルバムが遂にリリース!! 過去のヒット曲から最新曲「Rude Boy Pledge」まで収録。大ヒット曲「Ghetto Story」にAlicai Keys、AkonをFeat.した話題の曲も入っています!(2)、(3)先日急逝してしまったJoseph Hill氏がリード・ヴォーカルを努めるCultureのアルバム。 (2)は特に何度もリメイクされ続ける名曲を多数収録。 (4)来日に伴い人気再熱! 何度聴いても素晴らしい! (5)Peckingsレーベルのコンピ!
 
●DRUM & BASS RECORDS(大阪)06-6211-1044
1. Icchie / Black Box (Delphonics)
2. Silford Walker / Nattin Na Gwan (Crazy Joe)
3. V.A. / London Is The Place For Me 4 (Honest John)
4. Alton & Hortense / I'm Still In Love with You ( Heart Beat)
5. V.A. / Reggae Jeggae 1968 / 69 (Crazy Joe)
 
(1)今や独りでのステージも板についた市原大資 Tp/Tbのソロ・ミニ・アルバム。キラーッ!(2)グレン・ブラウンに残した数々のディープ・ルーツで知られるカルト・シンガーの Joe Gibbsで最近オーヴァー・ダブした新録もの。もちろんトラックはヴィンテージを使用。(3)親切なジョンから又またリリースは60'sのカリプソとアフリカン・ジャズのグッド・コンピ (4)スタワンから揮発のLPに4曲追加でリマスタリング。(5)Joe Gibbsのレアな初期レゲエ・コンピ。 ※D&B Recよりお知らせ、Prince Busterのレア・チューン、Prince Of PeaceとRum & Coca-Cola の2枚が限定リイシュー。www.drumandbass-rec.com / www.rock-a-shacka.com♪
 
 
 
REGGAE CD TOP 5
 
●TOWER RECORDS(渋谷)03-3496-3661
1. Beenie Man / Undisputed (Toshiba EMI)
2. Cham / Ghetto Story (Warner)
3. Tanya Stephens / Rebelution (VP)
4. Ziggy Marley / Love Is My Religion (Victor)
5. Sojah / Sons Of Jah (P-Vine)
 
(1)流石無敵のチャンプにして、ダンスホール界の“キング”ことビーニ・マンの新作! 彼の怒涛のマイク芸に一発KOされちゃって鼻血が止まらん!!  (2)超ド級の話題のスパー・スターが誕生☆力強いリリックと雄叫び「Rraa!!!」がめちゃカッコイイ! (3)確実に成長し続けるタンヤの新作は期待以上の内容充実。DVD付きでファンにはタマンナ〜イ! (4)レゲエ界で最も偉大な遺伝子を受継ぐ男のソロ2作目。スピリットが冴え渡ってます!!  (5)じんわりと聴き手の心を打つメロウ・チューンが今逆に新鮮でヴァイブスが伝わってきます!

 
●HMV(渋谷)03-5458-3411
1. Beenie Man / Undisputed (Toshiba EMI)
2. DJ Spooky / In Fine Style (Trojan)
3. Linton Kwesi Jhonson / Dread Beat An' Blood (P-Vine)
4. Reggae Movie Collection [DVD] (紀伊国屋)
5. Roots Rock Reggae [DVD] (Nowonmedia)
 
(1)半年振りとなる新作は王者の貫禄十二分の力作。 (2)Funky +Groovyチューン満載。リントン・クウェンシィ・ジョンソン主演の英国ブラック・ミュージック・シーンのドキュメンタリー。これは見たい! (4)『Harder They Come』、『Country Man』、『Reggae in Babylon』の3枚組。以前サントラが再発となり話題になった『Reggae in Babylon』の単品での再発がないのが残念。 (5)公開から話題もちきり、字幕は本当に嬉しい!とバイヤー泣かせのDVDリリース・ラッシュ! 
 
REGGAE CLUB TOP 5
 
●CLUB JAMAICA(西麻布)03-3407-8844 Selected by Club Jamaica Crew
1. Sizzla / No Way (Daseca)
2. Bounty Killa / Bullet (H2O)
3. Tony Matterhorn / Not Forgotten (Ward 21)
4. Natural Black / Dig Up Mi Place (Jah Snowcone)
5. Janet Lee Davis / Stick With You (Stone Love)
 
(1)2年たっても新たにリリースされるほど最近では珍しいロング・ヒット・リディム "Anger Management"! Sizzlaがそんな事言わなくてもって感じですが、やはりこの曲ですな!(2)"12 Gauge" リディム! これぞBounty! (3)今や欠かせない人です! (4)「Nice It Nice」以来の人気曲となりそう! オススメ! (5)久々でしかもStone Loveから! これも素敵なカヴァー! ※今月も皆様をお待ちしております! 人気の木曜日ダンス、女の子は是非!
  
●JADE(札幌)011-520-1015 Selected by Green Peace "Ryota"
1. Idonia / Ukku (Young Legends)
2. Delly Ranks / Solid (Jam2)
3. Ward 21 / Get Cross (Jam2)
4. Shakira Ft. Wyclef Jean & Tony Matterhorn / Hips Don't Lie
5. Terry Linen / Low Life (Raggedy Joe)
 
今年赤丸急上昇中の若手DJ、Idonia。やっぱりタイトな方がいいですよね? (2)、(3)はJam2からのブランニュー・リディム。Delly Ranksの早口スタイルいけてます!! (4)大部前からNY等で流行っていた「Hip Don't Lie」Shakira & Wyclef JeanにTony Matterhornが絡んだDutty Wineリミックス。 (5)6月に本人に会った時にかなりプッシュしてましたが、遂にリリース。
 
●CLUB I to I(大阪)06-6252-4201 Selected by Killasan Movement "Ten-Shin"
1. Cham / Don't Test Me (Warner)
2. Cham / Wah Dem A Seh Now? (Warner)
3. Cham feat. Alicia Keys / Ghetto Story Chapter 2 (Warner)
4. Beenie Man feat. Akon / Girls (Virgin)
5. Beenie Man feat. D'Angel / Beenie Man (Toshiba EMI)
 
(1)〜(3)前作『Wow...The Story』から早6年、年々進化をし続けChamの『Ghetto Story』より3曲エントリー。 (3)はロングラン "85" リディムにアリシア・キーズをfeat.して、よりスパイスを効かせた感じに。Real Ghetto Story+NY Story=手の付けられない仕上がりで◎。 (4)、(5)は王様のブランニュー・アルバムより。 (4)R&Bシンガー、Akonを迎えシング・ジェイ・スタイルの王様です。 (5)俺がどれだけイケてる男か♪ビーニマン♪という奥様D'Angelの呼びかけの後、凄まじいフロウで上げてくれます。
 
 
HIPHOP 12
 
●CISCO(渋谷)03-3462-0366
1. Queen / We Will Rock You (Hollywood Basic)
2. Lupe Fiasco / Lupe Fiasco's Food & Liquor (Atlantic)
3. DJ Kazikiyo / Feel The Vibe (Jazzy Sport)
4. Dre / Be Somebody ft. Keyshia Cole (Jive)
5. Pharoahe Monc / Push (Universal)
 
(1)シスコ独占の特別仕様ヴァイナルが限定入荷! ナント『Basic Beats Sampler』にしか収録されてなかったDJ Shadowの音源を収録! 急げ! (2)遂にアナログ・リリース! Neptunes、Kanyeのバックアップもサイコー! (3)ヒップホップの元ネタをスムースミックスしたオススメの一枚! やっぱコイツです! (4)全米で人気沸騰中の一枚が正規リリース! フロア・キラー・チューン! (5)地味だけどやっぱカッコイイ! 次なる動きが気になります…。
 
●Dance Music Record(渋谷)03-3477-1556
1. Skibadee / Tika Toc (AOTG)
2. Lady Sovereign / Ch Ching - Spank Rock Remix (Chocolate Industries)
3. Breakout / Planet Pock Pt. 1 & 2 (Melting Pot Music)
4. Money Lotion Vol.1 : Roctakon (Money Studies)
5. Tombee / Amelie In Dub (Jack To Phono)
 
(1)ドラムンベースMCのヒップホップ初挑戦作は、レゲエ・ネタのホーンもカッコ良いアゲアゲのマッシヴ・トラック !  (2)Def Jamからのリリースを控えたSov嬢のChocolate Industries最後(?)のシングルは、Spank Rockのリミックス入り! (3)ナント、あのエレクトロ名作の生音ファンク・カヴァー! (4)80'sポップスをボルチモア・スタイルでリミックス! (5)ジプシー風フォーキー・ダンスホールな趣のリミックスVer.がオススメ!
 
 
HIPHOP LP TOP 5
 
●MANHATTAN RECORDS WEST(心斎橋)06-6258-2202
1. Jurassic 5 / Feedback (Up Above)
2. DJ Khaled / Listennn... The Album (Koch)
3. Rick Ross / Port Of Miami (Def Jam)
4. Obie Trice / Secound Round's On Me (Interscope)
5. Tha Dogg Pound / Cali Iz Active (Koch)
 
(1)ソロ・アルバム制作の為、Cut Chemistが一時脱退した新生J5のニュー・アルバム! (2)先行カットの「Holla At Me」が上半期を代表とするヒットとなったDJ Khaledのデビュー・アルバム! (3)ビルボード初登場1位「Hustlin」がUSでガン流行りしたRick Rossのメジャー・デビュー・アルバム! (4)「Snitch」、「Cry Now」、「Jamaican Girl」と立て続けにヒットを飛ばしてきたObie Triceの2ndアルバム! (5)Dogg Pound復活アルバムがCDに遅れること約2ヶ月、待望のアナログ・リリース! ブリブリのウェッサイ・チューン満載!!
 
 
R&B TOP 5
 
●DISK UNION ONLINE SHOP hiphop@diskunion.co.jp
1. Fergie / London Bridge (A&M)
2. Janet Jackson / Call On Me (Virgin)
3. Gerogia Anne Muldrow / Olesi : Fagments Of An Earth (Stones Throw)
4. Missy Elliott / Respect M.E. (Gold Mind)
5. Beyonce / B'Day (Sony)
 
(1)アルバムからの先行シングル。のってる人特有のオーラが出まくってます。計算された破天荒ぶりに脱帽。 (2)こちらも先行シングル。デュプリproのキュートなスロウ・ジャム。ネリー参加で磐石の布陣です。 (3)フリー・ジャズ色濃厚なトラックは敷居が高いかわりに嵌ります。フューチャー・ソウルの進化系の一つ。 (4)初ベスト。アルバムの後半では美メロ・メイカーとして遥かに上。次は是非グループで。
 
 
HOUSE TOP 5
 
●CISCO ONLINE SHOP info@cisco-records.co.jp
1. Japanese Synchro System / X-Tension : High Touch (Life Line Records)
2. Japanese Synchro System / Japanese Synchro System (Life Line Records)
3. J / JRH-001 (White)
4. Sugiurumn / Galaxy Ft. ヒダカトオル for Beat Crusaders (Horizon)
5. Joaquin 'Joe' Claussell / Unchained Rhythmus Part.4 (Sacred Rhythm Music)
 
(1)イタロハウスを彷彿とさせる“X Tension”。フュージョン・ライクなアレンジの「High Touch」を収録。 (2)CalmとThe Blue HerbのIll-Bossstinoによる新たなプロジェクトJ.S.Sの1stが再入荷。 (3)シスコ独占入荷、正体不明のスーパーマリオネタ現る!デトロイトのUR、Los Hermanosとしても活躍するジェラルド・ミッチェルのremixも強力。 (4)Beat Crusadersのヒダカトオルをヴォーカルに迎えた極上哀愁メロディーのヴォーカル・ハウス◎!!  (5)前作から約1年を経てPart.3、Part.4が登場! 
 
ABSTRACT TOP 5
 
●DISC SHOP ZERO(世田谷)03-5432-6129
1. Alpha / Without Some Help (Dont Touch)
2. Boca 45 / Vertigo Sounds (Jet Set)
3. Ojos De Brujo / Techari (Pias/Hostess)
4. Warroior Charge / No Foundation, No House (Beat)
5. Noel Ellis / Noel Ellis (Light In The Attic)
 
(1)Massive AttackのレーベルMelankolicを経て始動したレーベルから新作。 (2)Dynamo Productionsとしても活躍するブリストルの熟練DJ Scott Hendyソロ新作。 (3)『V.A. / Barcelona Raval Sessions』でも人気、バルセロナ大所帯バンド。 (4)10月来日! On-U Sound、Tricky作品で知られるUKのリズム隊初アルバム。 (5)カナダ・ジャマイカン・コミュニティー発掘シリーズに続いてコレ。Soul、Funk、Lovers Rockファンは必聴。  
www.discshopzero.com 下北沢駅南口徒歩2分 通販可

RAW SINGLES from No.283

Raw Singles
Text by Takanori Ishikawa
 
1. Bounty Killa / Bullet (H2O)
「Bullet! Bullet!」の連呼で幕を空けるガン・トーク。ファスト・フロウも織り交ぜながら血圧高めに、しかしクールにDJ。BeenieもChamもLexusもヤリ玉に挙ってます。行く手を遮る奴らは容赦なく撃ち殺すぞって感じのリリックス。
 
2. Bounty Killa & Idonia / From The Dis (H2O)
(1)と同トラック "12 Gauge" 使用。ハンドクラップとパーカッションが特徴のサウンドで、それにハードなシンセ・ストリングスを加えたアグレッシヴな音作り。この2人の組み合わせから想像がつく通りのBad Manチューン。強面んここのトラックにはバッチリはまっている。
 
3. Movado / How High (H2O)
現在絶好調。元々オリジナルなスタイルを持っていただけに、一度人気に火がついてから本格的ブレイクまであっという間でしたね。ディスした奴らは皆ぶっ殺すぞというリリックス。"12 Gauge"。ハードだけどヴィヴィッドな、そしてプリミティヴなリズムがこの曲でも生きている。
 
4. Busy Signal & Mavado / Full Clip (Daseca)
リリース当時に当コーナーでも紹介した "Anger Management" リズム。それから一年以上の時間を経過して今年大ブレイク。同トラック使用の新曲が出ました。旬の二人のコンビネーション。イキの良さが全開のBad Manチューン。 
 
5. Sizzla / No Way (Daseca)
"Anger Management"。通常のヴァージョンとはミックス違い(このトラックを印象づける煽情的なストリングス・パート、それに新たなストリングスがプラス)。荒ぶるSizzlaの最近珍しいBad Manネタ。バティマン攻撃もあり。
 
6. Elephant Man / Bullet (Stone Love)
ニュー・スタイルのBad Manリリックスと自らDJ。こちらも「Bullet! Bullet!」です。インフォーマーその他を撃ちまくる内容で、分かり易いフックはこの人ならでは。オリジナル・ジャグリン・トラック "Oki Doki" 使用。このレーベルらしいクリアなミックスがグッド。
 
7. Voice Mail / Garrison (Stone Love)
"Oki Doki" 使用。最近のStone Loveは、音は良いがガチャガチャしたトラックが多かったんだけど、これはスッキリしていて二重丸。ちょっとエレクトロ色もある歯切れのいいビートは、ぜひサウンド・システムで。Big Up! ゲットー・ギャルな内容。彼らのコンビネーションも盤石。
 
8. Elephant Man / Walk Out (Taxi)
このレーベルらしいラテンなアレンジで名作「Rock Fort Rock」(Studio One)をリメイクしたトラック "Cuban Rock"。開放感一杯のダンサブルでポップなサウンド。EleのDJも元ネタそのままのメロで快調。物質的にも良い暮らしをしているHotギャルへのアンセム。
 
9. Wayne Wonder / Again (Birchill)
"Ghetto Blues"。スマートなミディアム・トラックでこれといったインパクトは無いものの手堅い仕上り。となればアーティストの力量次第となる訳ですが、これはGood。オレに出来る事なら何でもするから、2人の関係を改善しようと彼女にいじらしく訴えるリリックス。
 
10. Ghost / She's Gone (Big Yard)
オリジナル・ミディアム “Vin-tage”。ベースとドラムがビシッと全体を引き締めている。最近のミディアムでは指折りの出来の良さ。ワウ・ギターも効いています。タイトル通りの失恋ソング。彼女が去って行った男の心情を熱唱。B面収録のKris Kelliも相当いいです。
 
11. Brian & Tony Gold / Rationlize(Big Yard)
"Vintage"。今や大ベテランのデュオ。全盛期から少しも衰えないその歌唱力は素晴らしいの一言。ここまで歌える実力派がジャマイカから出現しなくなって久しいですよね。ベース・ラインと曲の展開はDennis Brown「Ghetto Girl」を下敷きにしている事も付け加えておきます。
 
12. Peter Hunnigale / On & On (Joe G's)
80年代から90年代前半のUKラヴァーズのサウンドをそのまま再現。トランペットもお洒落感を増幅させるスローなオリジナル・トラック。滑らかでソフトな歌い口もUKラヴァーズ全盛期そのまま。B面にはもう1人の大御所Peter Spenceを収録。
 
13. Bitty McLean / The Real Thing (Silent River / Taxi)
大分紹介が遅れましたが、UK盤TaxiのGoodチューン。Dennisの名曲「Hold On To What You Got」のトラックをそのまま使った新曲だ。清涼感溢れるBittyの歌声はブルーでいい感じ。オリジナルとはまた違ったフィーリングを表現しているラヴ・ソング。
 
14. Baby Cham & Alicia Keys / Ghetto Story [Remix] (Atlantic)
大ヒット曲のリミックス(Akonをフィーチャーしたヴァージョンもあり)。トラックは殆どオリジナル通りでAlicia Keysがシングジェイ風に自らのGhetto Storyを歌いChamとコンビネーション。悪い訳なしの超話題作。

RECORDS & TAPES from No.283

Review by TAKASHI FUTATSUGI
 
MIX CD
 
1. Lord Finesse / Masterpiece 03 (Handcuts)
“ハンド・カッツ”と“ユニバーサル”の共プロジェクト「マスターピース」の第3弾は、ラッパーである以上に“DJ”としての活動が目立つロード・フィネス(D.I.T.C)。ミックス・テープ・マスターとしての“腕前”が少しも落ちていないのは聴けば分かるハズ。テーマである90'sヒップホップ〜R&Bセレクション(自身が制作したトレンズ・オブ・カルチャーも入ってますョ!)を思う存分楽しんだ御様子で、ステファニー・ミルズの激シブなカヴァーも入った会心作!
 
2. Lord Finesse / Masterpiece 03 (Handcuts)
“ハンド・カッツ”と“ユニバーサル”の共プロジェクト「マスターピース」の第3弾は、ラッパーである以上に“DJ”としての活動が目立つロード・フィネス(D.I.T.C)。ミックス・テープ・マスターとしての“腕前”が少しも落ちていないのは聴けば分かるハズ。テーマである90'sヒップホップ〜R&Bセレクション(自身が制作したトレンズ・オブ・カルチャーも入ってますョ!)を思う存分楽しんだ御様子で、ステファニー・ミルズの激シブなカヴァーも入った会心作!
 
ALBUM
 
3. The Roots / Game Theory (Universal)
晴れて“デフ・ジャム”の新アーティストとなった世紀のヒップホップ・バンド=ザ・ルーツの通算7枚目となるオリジナル・スタジオ作。新たなボス(?)、ジェイ・Zに「好きな様にやってみな」と言われ、おおよそ“デフ・ジャム”らしくないシリアスでダークな路線を貫いたのも彼ららしい。いずれにせよ「(ヒップホップの)ゲームにおける自らの位置」を確かめるべく、今やるべき事をやり切った爽快感さえ漂う力作である事は間違いなく…。マリク・Bが久々にジョインしているのも“ファン”にとってはニュースだろう。
 
4. Method Man / 4:21...The Day After (Universal)
「ガンジャや〜めた」宣言をしたメソッドマンが本気で(?)取り組んだソロ4作目。本人とRZA、エリック・サーモンの三者がエグゼクティヴ・プロデューサーを務めた本作は、ウータンの一員としてのメスの顔や、またレッドマンとのコンビで見せる勢い、R&Bシンガー(ジニュワインやミーガン・ロシェール)との絡み等、バランス良く見せ場を作った一枚、となっている。フロウアー健在なり。「It's A New Day」使いのエリックも渋いが、RZAがまた一歩先にイっている感じが…。
 
5. DJ Shadow / The Outsider (Island)
思えばソロを発表した当初はトリップ・ホップ(死語)に一括りされていたシャドウだが、交通事故を経て「やりたい事はやり切っておくべき」という心境に達したという、4年ぶりのこの新作は、話題のハイフィー路線(キーク・ダ・スニーク、ターフ・トーク、フェデレイション、ナンプらをフィーチュア)から、カサビアンのメンバーとのセッション(ロック)や、Qティップ、ラティーフとの曲など、彼の(現在の)趣味を完全にフォローしたもの、となっている。インストは言うまでもないが、どれ一つとっても彼らしいので恐れ入る始末。
  
6. Chingy / Hoodstar (Toshiba EMI)
ここ日本でもバカ売れのチンギー。リュダクリスのDTPとも完全に切れて、“キング・オブ・ミッドウェスト”を打ち出したこのサード・アルバムで真価を問われることとなった彼は、そのハードルも軽々と飛び越えてみせる。前半を“Hood Side”、後半を“Star Side”に色分けし、旬な存在スリー6・マフィアと絡んでみたり、タイリースをフィーチュアしSWV「Rain」をリメイクしてみたり(J.D制作のシングル曲「Pullin' Me Back」のこと)と相変わらずアイデア豊富で聴き飽きない。ドクトクのフロウも冴え渡る会心作なのでは?
 
7. Fatman Scoop / In The Club (Avex)
Hot97FMや、“Fatman Scoop, Crookly Clan!”等の名調子で有名な業界きってのハイプマンが遂に自己名義のアルバムをリリース。UKでも大ヒットした「Be Faithful」「It Takes Two」といった“AV8”発のパーティ・ブレイクスは勿論のこと、ミッシー・エリオットとの「Lose Control」、KMC、ビーニ・マンとの「Soul On Fire」等のフィーチャリング楽曲に、エレファントマン、シャバを迎えた新曲まで、バラエティに富んだ内容に。何だ、ライムしてないじゃん、とか言いっこナシね。これが彼の“スタイル”なので。
 
8. Othello / Alive At The Assembly Line (Miclife)
ライトへディッドの一員であり、ヒプノティックスを従えたアルバム『Classic』がここ日本でも評判を呼んだオセロ。来日公演でもその確かな技量を見せつけた彼が、新たに5ピース・ライヴ・バンド=ザ・ブラック・ノーツとのセッションを核に作り上げた本作は、更なる高みへと到達した素晴らしい一枚だ。生演奏モノ以外でも、プロカッションズのストロやMr.J・メディロスに盟友オメガ・ワッツらが尽力した激シブ・トラックが目白押しで、滑らかなライム・ワールドがしっかり楽しめる仕掛け。
 
9. "E"qual / 7 Days (Columbia)
BallersのEPの興奮がまだ冷めやらぬ中、その中心人物で名古屋シーンの中核 "E"qualの3枚目となるフル・アルバムが到着。ラッパーとしての "E"qualのフォーミュラを完成させた感のあった前作を経て、彼が試みたのは“一本録り”を含めた、よりロウで表現力が生きてくるスタイル。1曲毎に印象が異なったりするのも引き出しの多さゆえ、だろう。殆どのトラックを自身で手掛けていて(一部DJ 034やBach Logicが担当)、その部分でも新しい "E"qual像が見える様になっている。正に“男”のアルバム。
 
10. Doberman Inc. / Stop, Look, Listen (Victor)
関西の若獅子5人衆ドーベルマン・インクの“5MC”としては最期となる4thアルバム。Bach Logicが中心となる鉄壁のサウンド・プロダクションをバックに、リアル・トークからストーリー・テリングまでを、あくまでもグループとして役割分担した上で聴かせる彼らのチームワークは間違いなくこれまでで一番、だろう。それだけにMabの脱退(引退)は残念でならないが、新生D.I=4MCにも期待して頂きたく思う。Laker's Greatestよ、永遠に。
 
11. 走馬党 / 走馬党 (Positive)
ラッパ我リヤのQ、山田マン、Realstylaでも活動する“最年長”の三善/善三に、Mineshin-Hold、IndemoralのSkipp & Pauley、BackgammonのArkという7MCに、DJのToshi、Tanaken、Gossyからなる走馬党が初となるクルー・アルバムをドロップ。全15曲中、実に4曲が全員参加曲となり、その他もコンビネーション、リレー物で構成されている本作は、韻フェチぶりは当然、個性のぶつかり合いが面白い、他にないタイプのショウケース盤となっている。全体のバランスも良し。
   
12. The Original Jazzy Jay / Cold Chillin' In The Studio Live (Cisco)
ミドル・スクール名盤と言えば、このアルバムを外す事は出来ないだろう。US盤が廃盤になってかれこれ15年近くになるが、“ストロング・シティ”のロゴは今尚フレッシュな輝きを放っている訳で…。“デフ・ジャム”創成期にかかわったプロデューサー/DJであるジャジー・ジェイ(ズールー・ネイション)の下に集まった若き才能(当時)アルティメット・フォース(ダイアモンド・Dのユニット)やトニー・D、ラヒーム等のパフォーマンスが聴ける本作は、やはり今聴いておくべき特別な一枚と言えるもの。祝、初日本盤化!!

2007年7月 3日

i-Watch / Swim With Rude Fish

Swim With Rude Fish
i-Watch from Home Grown

 
Interview by Toshiaki Ohba / Photo by Toshiaki Ohba (i-Watch), i-Watch (Others)
 

 前ページで特集したHome Grownのギタリスト、i-Watchによるレーベル、Rude Fish Musicのコンピ・シリーズ第三弾がリリース。素晴しい曲が詰まったナイス・コンピだ。
 
●今年はHome Grownがベスト盤のリリースという事で、時間が取れて本作に対するモチベーションは1、2作目よりもキープ出来たんじゃないですか?
i-Watch(以下 i):そうですね、去年の10月、11月から一人で集中してやってました。前作までは基本的に(共同プロデューサーの)マコチンが凄い数のドラム・パターンを作ってきて、その中から俺がチョイスして上物を乗せて行く形だったんですが、今回は全てイチから俺がやってるんで、気持ちの良い責任感も持てたし、自分の作品って気持ちも強いです。
 
●Home Grownのメンバーとして皆で曲を制作する事と、一人で曲を制作する事の違いは何ですか?
i:それは全然違いますね。Home GrownはバンマスのTancoを中心としたバンドで、制作する時もTancoがプロデューサーで、俺らは演奏者として良い作品になるよう全力を尽くすという感じですからね。勿論、パート毎にアイデアは出しますし、曲自体のアイデアも出しますけど、最終的にジャッジするのはプロデューサーですから。Rude Fishの場合は、最終的にジャッジするのが俺という事です。ドラムを打ち込んだり、コード進行や構成を考たり、ミュージシャンやスタジオをブッキングしたり、ジャケとかも。だから全く違いますよね。でも良い音楽を作りたいという気持ちは一緒ですけど。
 
●いなたい雰囲気と上質且つ心地良いリズムのダンスホールと言うのがRude Fishの持ち味だと思うんだけど。
i:最初にレゲエに入った頃の音が今の音作りに反映しているのかもしれませんね。ループするリズムにメロディラインのあるベースが乗ってという。Bob Marley等の影響ですかね。でもいなたさは狙ってなくて、全て自分が思い描いたものを出しているだけだから、出ちゃってるんだけなんでしょうね。
 

Bamuda, Chozen Lee, Rudebwoy Face, Mi-I, RankinTaxi, Guan Chai, Jing Teng, Micky Rich, Takafin, Ken-U, Han-Kun, Papa B

 
●ミックスはジャマイカ人が担当してますが、トラック制作に参加したミュージシャンは、コーラス以外全部日本人ですね。過去の2作もそうでしたが、そこは拘りですか?
i:リンクのある日本人のミュージシャンで音を作って、日本人の歌を入れて、ジャマイカで仕上げるっていう流れでやりたいんですよ。ジャマイカへ行ってジャマイカ人に頼むのって誰でも出来るけど、それじゃ自分の創作意欲が満たされないんです。ミックスに関しては予め“この曲にはこの人”ってエンジニアを大体決めてて、誰に頼めば想像通りに近いものが出来るかって分ってきたんです。3作目ですからね。
 
●ヴォーカル録音で印象に残ったエピソードは?
i:(Chozen)Lee君は家が近所だから「家でのんびり作ろうよ」って誘ったら本当にのんびり作っちゃって(笑)。最初にプリプロ始めてから5ヶ月位かかって10回位家に来て貰って曲を仕上げました。まあ半分はウチの子供と遊んでくれてたんですけど。でも、録りの時は一発でしたね。さすが! Rankin(Taxi)さんには幾つかオケを渡したんですけど、1曲だけ頼んだのに2曲作ってきて(笑)。もう1曲はRankinさんの次のアルバムに入ると思います。Bon君(Papa B)は札幌なのでCDを送り合って作業を進めたんですけど、初めて歌が入ったCDを聴いた瞬間出て来たあのフレーズにはシビれました。あとHan-Kunも忙しい人だから最初はメールでやりとりしてたんですけど、出来上がったリリックがもの凄く良くって、やっぱHan-Kunは深いところでレゲエを聴いてるんだなって。あと、父親になった人でないと書けない詞だなあって、感動しましたね。
 
●オープニングの「Reggaeの時間」を歌ってるMi-Iは確か以前からラヴ・コールを送ってたんですよね?
i:そうですね。前はタイミングが合わなくてダメだったんですよ。Mi-IさんとHome Grownとは付合いが長いんですけど、彼自身、作品は殆ど出してないんでずっとやりたかったんです。これは録った段階で1曲目しかないなあって。Rudebwoy Faceの「Journey」はそれと同じトラックなんですが、先にMi-Iさんの曲を聴かせたら刺激受けたみたいで、プリプロのつもりがそのまますぐ家で録音という。あと今回、皆を俺の地元に呼んで録音するんではなくて、例えばBon君なら俺が札幌に行って地元のダブ録りのスタジオで録ったり、関西の人なら僕が大阪に行ったから、皆、気負わずにいい雰囲気で録音が出来ました。本当、自信作なんですよね。
 
 
「Rude Fish Music 3」
V.A.
[Rude Fish / Victor / VICL-62427]

 

2007年7月26日

What the deal is from No.293

(U KNOW)What the deal is
 
夏も全開で、NYも野外イヴェントが増え、かつてのサウンド・システム中心の良き時代を偲ぶチャンスも増えています。確かに色々な手段で、今はヒップホップに触れられる様になったが、やっぱりこの野外のジャムが真骨頂なのではないでしょうか? DJ達が楽しんでいる感じは勿論の事、パーティ・ピーブルがやっぱり主役といったジャムは、是非一度経験して欲しいです?
 
● 今月のジャム
3回目となるブルックリン・ヒップホップ・フェスティヴァルが6月の後半、10日間に渡って行われた。それを締めくくるべきライヴが、ブルックリン・ブリッジ下のタバコ・ウェアハウスで行われた。メンツは、ゴーストフェース、ドレス、マッドスキルズ、コンシークエンス、ラージ・プロフェッサー、ショーン・プライスなどで、飛び入りでジェールー、チャブロックなどがパフォーマンスを行った。なんとも懐かしいメンバーばかりだが、圧巻だったのはマッドスキルズで、OKプレイヤーと契約したばかりで、シーンに再び戻って来る勢いが出た好ライヴだった。コンシークエンスのライヴの途中で、公園が使用できる時間が迫って来て、プロモーターがセットを短縮する様にと指示すると、腹を立てたコンシークエンスが、ステージを降りるのを拒否するという一場面もあったが、無事ラルフ・マクダニエルが取り持ち、トリのゴーストフェイスで、幕を閉じた。フェスティヴァルの一貫で、伝説のソウル・レーベル、スタックスの40周年記念パーティも行われ、ラージ・プロフェッサーがDJを務め、こちらも盛況でした。当日の模様は、私も出入りしているhhtv.comで見れます?
 
● 今月のエクスヴィション
そのブルックリン・ヒップホップ・フェスとマグナム・フォトのフェスティヴァルと共同でデヴィッド・アラン・ハーヴェイの『Living Proof』という写真集の出版を記念して、ダンボのパワーハウス・アリーナで写真展とオープニングのパーティが行われた。最近、何かと多い80年代ヒップホップとそのパーティ・ピープルの写真が中心に展示されていたのだが、流石はマグナム、ちょっと一線を画してました?
 
● 今月のジャム2
こちらも5年目を迎えるクロトナ・パークでの野外ジャムのシリーズが、7月5日からブロンクスではじまった。初日は、L・ブラザースこと、ミーン・ジーン、グランドウィザード・シオドロ、U.T.F.O.のミックスマスター・アイスが新旧取り混ぜたヒップホップに、ビート・カルチャーを意識したブレイクの数々で、やはり新旧のオーディエンスを魅了した。このシリーズ、今月一杯続いているので、NYにお越しの際は、必見であります?
 
● 今月のアフロ・パンク
……というムーヴメントはご存知かどうか分からないが、“アフロ・パンク”というアメリカのブラック達がやっているパンク・バンドをフォーカスしたドキュメンタリーの放映後に出来たとされるムーヴメントで、DJのリッチ・メディーナも多く絡んでいることで知られる。そのリッチ・メディーナがホストDJとして、アフロ・パンク・ブロック・パーティも7月1日に行われた。パンクと一言で言っても、勿論多くのヒップホップの要素や、DJを擁したグループも多く、これからが楽しみなムーヴメントである?
 
● 今月の痴話喧嘩
自らの暴力沙汰でも散々だったフォクシー・ブラウンが、今度は売春婦達に袋だたきにあった。6月23日、ブルックリンは悪名高いピンク・ハウス付近で、売春婦数名が、フォクシー所有の現金500ドル入りのヴィトンのバッグ、カツラなどを取り上げ、更に暴行を加えたと警察が発表。これを仕掛けたのが、フォクシーの元ボーイ・フレンドだそうで、警察が逮捕した売春婦の一人が、これを示唆しているとのこと。しかしながら、6月28日にフォクシーが突然証言を翻し、事件は迷宮入りとなった?
 
沼田 充司
DJ/プロデューサー。 レーベル<ブダフェスト>主宰。 ニューヨーク在住。 [Photo by Tiger]

CHART from No.293

REGGAE 7" | REGGAE LP | REGGAE CD | REGGAE CLUB
HIP HOP 12" | HIP HOP LP | R&B | HOUSE | ABSTRACT

 
REGGAE 7
 
●REGGAE SHOP CISCO(渋谷)03-5458-6625
1. Damian "Jr.Gong" Marley / One Loaf Bread (Tuff Gong)
2. Vybz Kartel / Yu A Wife (Don Corleon)
3. Pressure / Ghetto Life (Don Corleon)
4. Richie Spice / Whe The World Gone To (Feed The Children)
5. Mr.Vegas / Tek Way U Self (Kirkledove)
 
(1)お待ちかねの "Gong War" リディム、遂にドロップ! 物悲しい雰囲気の上音に、緊張感を煽るロールを効かせたドラムがカッチョイイ! (2)最近のDonに多かったディスコティークな高速リディムとは打って変わって、物騒な響きのハードコア・ジョグリン、"Artilery" リディム。 (3)Taxiの "Baltimore" をサンプリング。「Welcome To Jamrock」、「Come Around」 に通じるド渋の一発! (4)ソフトな音色のほのぼのミディアム・リディム、"Africa" ! ナイス&イージー。 (5)只今、全国のダンス・ホールを席巻中!
 
●LION MUSIC DEN(名古屋)052-953-1386
1. Tippa Irie / Lyric A Rhyme (Mind The Gap)
2. John Holt & Bounty Killer / My Best Girl (Tads)
3. Peter Hunnigale / Let's Stay Together (Cousin)
4. Noddy Virture / Sang To Me (Reflection)
5. Phillip Fraser / Place In The Sun (Razor)
 
(1)あのStephen Marley「Traffic Jam」("Answer" リディム)で "Papa San" フレーズ使いのBritish Ragga MC! (2)自身のStudio 一期大ヒット曲を再演! キラー絡みで老舗名レーベルからリリース。 (3)Al Green名曲スウィート・カヴァー! Heptone's 「Hypocrite」リメイク。 (4)聞き覚えの無いシンガーながらも最後まで聴かせるナイスなスタンダード・カヴァー。 (5)Stevie Wonderの名曲カヴァーがIrie FMでもプレイされてます。
 
●ROCKER'S ISLAND(大阪)06-6214-7565
1. Da'Ville feat. Sean Paul / Always On My Mind (VP)
2. Mr.Vegas / Tek Way U Self (Kirkledove)
3. Damian "Jr Gong" Marley / One Loaf A Bread (Tuff Gong)
4. Munga / No Fraid A (Don Corleon)
5. Pressure / Be Free (Don Corleon)
 
(1)遂にリリース!! 大ヒット曲にSean Paulが絡むビック・チューン!! 買い逃すべからず。 (2)この間来日も果たした人気DJ! ポップなトラにばっちりあったフロウがWicked! (3)怪しく迫力あるトラックを巧く乗りこなすこの人。流石です。 (4)人気Donレーベルよりニュー・リディム "Artilery"! 一押しはジャマイカで大人気中のMunga! Assassin、Sean Paul等おすすめ! (5)こちらも同レーベルよりヒット曲 「Love & Affection」 に続き哀愁系ミディアム・チューン!
 
●ORANGE STREET(新宿)03-3365-2027
1. The Revolutionaries / Kunta Kinte (Channel One)
2. Lukie D / Voice Of The People (Pleasure Beat)
3. Peter Broggs / A Lie Them A Tell (King Shiloh)
4. Noel Zebulon meets Isses Dread / International Dubwise (Hands & Hearts)
5. Jah Light / Independent Steppers (Lightning Studio)
 
(1)Shakaのダブ・プレートでお馴染み70'sキラー・インストが初プレス! (2)EUレーベルでの活動も好調なLukie Dの最高な1枚。ドラマティックなオケにヴォーカルがいい感じにマッチ。心に染み渡ります。 (3)同レーベルのアルバムからVibronicsミックスによるシングル・カット。闘病中の同氏の復活に期待。 (4)UKモダン・ルーツの原点回帰系、直球勝負のデジタル・インスト・ステッパー。 (5)サウンド・システムと共にレゲエ以外のフィールドでも大いに活躍するJah Lightの1stシングル。デジタル・インスト・ダブワイズ。
 
 
REGGAE LP TOP 5
 
●REGGAE SHOP NAT(新宿)03-5337-7558
1. Luciano / God Is Greater Than Man (Cousins)
2. V.A. / From Bond Street To Greenwich Farm (Cousins)
3. The Revolutionaries / Drum Sounds (Pressure Sounds)
4. V.A. / Studio One Dub Vol2 (Soul Jazz / Studio One)
5. Sizzla / I Space (Greensleeves)
 
(1)UKから素晴らしいアルバムが到着! 60から70年代の名リズム・トラックをほぼ原曲に近いかたちで使用という、Bitty McLeanの名アルバムを思わせる内容。Mafia&Floxyによるリメイク・リズムでの曲もNice! 大推薦盤です。 (2)前記したLucianoのアルバムでも使用されているリズムを中心に、Frankie P、T Curtis、ら好シンガーが熱唱!(1)とセットでチェックしてください! (3)Channel Oneレーベルの秘蔵Dub集。Sly&Robbieによるミリタント・ビートが炸裂! (4)前作に続く好内容。 (5)In The Streetsプロデュースのニュー・アルバム。※新曲、再発をいち早くアップしているホームページを是非チェックして下さい!!http://www.rs-nat.ne.jp/
 
●DRUM & BASS RECORDS(大阪)06-6211-1044
1. Queen Patsy & Stranger Cole / Fabulous Songs Of Miss Sonia Pottinger Vol.1 (Rock A Shacka)
2. The Revolutionaries / Drum Sound (Pressure Sound)
3. V.A / Coconuts Ska (King Edwards)
4. Roots Man Dub / Roots Man Dub (Heart Beat)
5. Twinkle Brothers / Dub Massacre (Twinkle)
 
(1)Gayfeetの歌姫とこの夏初来日を果たしたストレンジャーをコンパイル「You Took My Love」、「Love So Devine」、「We Shall Over Come」他キラーでスウィートな24トラックと詳しいライナー。 (2)チャンネル・ワンの造り出した数々のキラー・ダブを2LPに、ジャケ裏に収録されたダブの元ネタが記載。 (3)King Edwards音源のV.A.なのだが、他のプロダクションから3曲が秀逸A-5、B-4、7。 (4)GGのレア・ダブ、リマスタリングで2LP。オリジの倍程も曲数が! (5)久々の入荷、UK Dub Classics Jah Shakka & Mad Professorによるミックス。www.drumandbass-rec.com / www.rock-a-shacka.com♪
 
 
 
REGGAE CD TOP 5
 
●TOWER RECORDS(渋谷)03-3496-3661
1. Alaine / Sacrifice (Avex)
2. Collie Buddz / Collie Buddz (Sony)
3. Lukie D / Here I Am (Laxis)
4. Mavado / Gangster For Life (VP)
5. V.A. / Dance Classics Lovers (Grand Gallery)
 
(1)新歌姫誕生! Don Corleonの哀愁系ヒット・リディムと彼女の美声の相性が鬼マッチ☆ (2)Sean Paulに続く?! 超大型ルーキーのデビュー作。クールなガンジャ・チューンがヤバイ! (3)ヴェテラン美声シンガーの胸を打つ歌声と極上ラヴァーズ系チューンが最高。 (4)今、シーンで一番熱いバッド・マンの1stアルバム。ハードコアなリリック&サウンドで世界を揺るがす1枚! (5)ソウルのクラシックス名曲を麗しいレゲエ・カヴァーに仕立てた胸キュン盤☆ ※カツオ選曲『V.A. / 斬新!Dub Collection』大好評発売中!
 
●HMV(渋谷)03-5458-3411
1. Collie Buddz / Collie Buddz (Sony)
2. V.A. / Reggae Gold 2007 (VP)
3. Dennis Brown / Live At Montreux (Columbia)
4. Sizzla / I Spy (Greensleeves)
5. Fermin Muguruza / Euskal Herria Jamaika Clash (Treasure Music)
 
(1)超話題の新人遂にデビュー! ポストSean Paulはコレだ! (2)この時期はやはりコレ。上半期のまとめに、下半期の展望にはずせない1枚。 (3)79年モントリュー・フェスの映像。全力で走りまくる勇姿は一度見たら忘れられないだろう。(4)またまた新作。止まらない止まれない!? この男、ヴァイブス高し! (5)バスクの勇“フェルシン・ムグルザ”。ほぼ全編がジャマイカ録音。広い世界を一つに繋いだ希望の一枚! 2007年「Fuji Rock」出演!
 
 
REGGAE CLUB TOP 5
 
●CLUB JAMAICA(西麻布)03-3407-8844 Selected by Club Jamaica Crew
1. Movado / Me And My Dogs (Tuff Gong)
2. Da'Ville & Fiona / Love In Time (Joe Frasier)
3. Luciano / Running For My Life (Cousins)
4. Bitty Mclean / Lately (Taxi)
5. Munga / Gangsta Ras (Don Corleon)
 
(1)"Breaking News" で始まるあの曲が、そのイントロ付きでリリース。"Gang War" リディム、Jr.Gongも久々にリリース!!! (2)さすがのJoe Fraiser、今回はDennis Brownでお馴染みのあの名曲をこの2人でカヴァー! (3)こちらもUKの好レーベルから嬉しいシングル・カット!「Don't Stay Away」の超好リメイク。Lucianoも超良し! (4)Bittyのニュー!!! 今回はラバダブな感じも! (5)最近活発なDonからニュー・リディム "Backache" ! ※今月も皆様をお待ちしております!
  
●JADE(札幌)011-520-1015 Selected by Green Peace "Ryota"
1. Beres Hammond & Buju Banton / I'm Gonna Do My Best (Penthouse)
2. Nesbeth / Board House (No Doubt)
3. Pressure / Be Free (Don Corleon)
4. Ray Darwin / People's Choice (Tad's)
5. Tarrus Riley / She Is Royal (Cannon)
 
(1)Penthouseからのニュー・リディム "Stop The Fighting" からBeres&Bujuのコンビネーション!! (2)新人アーティスト、Good Tune!! (3)「Love & Affection」で一躍有名になったPressureのニュー、良い感じです。 (4)色んなミックスCDに入ってて気になってた人も多いはず◎ (5)この人キテマス!!! ※【GP Schedule】8/3 King Of Dancehall@Jade、8/4 Dancehall Summit@Acid Room、8/12 Sapporo Reggae Festa@芸術の森 8/18 Jamdung Saturday the Final@Jade、8/25 Eeenergy@Locotonte。
 
●CLUB I to I(大阪)06-6252-4201 Selected by Killasan Movement "Ten-Shin"
1. Assassin / Domek Me Hold You (Don Corleon)
2. Bounty Killer / Top Killer (Time Travel)
3. Mavado / Me And My Dogs (Tuff Gong)
4. Munga / Take My Place (Don Corleon)
5. Alaine / Sacrifice (Don Corleon)
 
(1)Donのニュー・リディム。 "Artilery" Trk。AssasinをPick Up。拳に力が入ります。 (2)怪しげな "Purge" Trk。Bountyヤバすぎです。Mavado、KartlもGood!! (3) "One Loaf A Bread" Trk。やっとリリースされました。オケが渋いです。カップリングがBountyってのもお得です。 (4)Hip HopのTrkを使用。JAではBusyの「The Days」と共にハード・プレイです。 (5)最近アルバムもリリースして絶好調のAlaine。※8/13月曜のレギュラー・ダンス「Run De Place」にAlaine登場。詳細はH.P.にてwww.121web.net
 
 
HIPHOP 12
 
●CISCO(渋谷)03-3462-0366
1. Kanye West / Stronger (Roc-A-Fella)
2. Madlib / Beat Konducta Vol.3 (Stones Throw)
3. Stateless / Prism (!K7)
4. M.I.A / Boyz (Interscope)
5. Ikon / Breaking (Jalapeno)
 
(1)Edwin Birdsong「Cola Bottle Baby」をサンプった衝撃の一発。With Daft Punk。 (2)インドの音をサンプってブレイクビーツEP化。「昭和」フィールな音もありで◎。 (3)DJ Shadowプッシュの大注目バンドの新作。コレは期待! (4)Ed Banger人気に更なる拍車をかける好シングル。 (5)ドラム良し! Dr.Rubberfunkもシャレだしたか?なRMXも収録。  
 
●Dance Music Record(渋谷)03-3477-1556
1. DJ Motive / DJ Motive × Kakato EP (Face The Music)
2. Smith / Black In Red (Jorze Disc)
3. Hollertronix / #7 (Money Studies)
4. A-Trak / Dirty South Dance (Fool's Gold)
5. DJ Elected / Bloody Potato (Sirkus)
 
(1)今や話題騒然の鎮座Dopenessと環Royをフィーチャー! アッパーなトラックにマッチした「E加減」なフロウが良い加減です。 (2)福岡のジャズ・バンド、Smithのニュー・シングルには、Olive OilとDJ Quietstormリミックス入り! (3)今回はDiploとDJ Eliによるボルチモア・リミックスを収録。Justiceネタとかヤバイでしょう。 (4)エレクトロ・ダンス風味なリミックスEP。 (5)現在進行形なデジタル・ダンスホール〜ヒップホップな1枚。
 
 
HIPHOP LP TOP 5
 
●MANHATTAN RECORDS WEST(心斎橋)06-6258-2202
1. Fabolous / From Nothin To Somethin (Def Jam)
2. DJ Jazzy Jeff / The Return Of The Magnificent (BBE)
3. Mims / Music Is My Savior (Capitol)
4. Guru / Jazzmatazz Vol. 4 (7 Grand)
5. DJ Premier / Rare & Unreleased Joints Vol.1 & 2 (Bootleg)
 
(1)Def Jamへ移籍して気合入ってます!! Jay-Zを迎えた「Brooklyn」が最高。 (2)80年代から常に第一線で活躍し、ヒップヒップ・シーンを牽引する彼による渾身のスタジオ・アルバム。 (3)「I Did You Wrong」ヤバイね〜。ブレイクする1年ぐらい前にプロモ12 inchあったんですよ実は。 (4)素晴らしい。アナログが待ち遠しいです。 (5)プリモ先生プロデュースの未発表曲集。アナログならではのレア音源がギッシリ。
 
 
R&B TOP 5
 
●DISK UNION ONLINE SHOP hiphop@diskunion.co.jp
1. Chrisette Michele / I Am (Def Jam)
2. Jagged Edge feat. Ashanti / Put A Little Umph In It (So So Def)
3. Sammy / Feelin It (Motown)
4. Paula Campbell / Ain't Nobody Stupid (Columbia)
5. Keyshia Cole / Let It Go (Geffen)
 
(1)Nas、Jay-Zとの競演を経て満を持してのデビュー作。丁寧に作られた感が伝わってきます。ブラック・ミュージックの様々なエッセンスが散りばめられた良作。 (2)久々の新作は彼らの味が際立つミッド。JD安定してます。Ashantiはオマケ程度。 (3)今月のアイドル・ソング。Pro.はJazze Pha。Bメロの甘酸っぱさもJazze Pha。 (4)“おっかさん”的懐の深さが心地よい、陽だまりの様なスロウ。若いのに結構な苦労人の様。 (5)"Juicy"ネタですが、ひとひねりした使い方。Pro.はMissy。流石!
 
 
HOUSE TOP 5
 
●CISCO ONLINE SHOP info@cisco-records.co.jp
1. Proof Soul Project / Under Cover Of The House EP (BM.3)
2. V.A. / House Nation Tea Dance EP (Rhythm Republic)
3. Coldfeet / I Don't Like Dancing (Brick Wall)
4. Stefano Gamma Presents Crime Of Passion / 'House Of Disco' EP (Rambling)
5. Teddy Pendergrass / You're My Latest My Greatest Inspiration (Unrestricted Access)
 
(1)“ 90'sのR&B、Rock、Popの名曲をHouseアレンジでリメイクする”というコンセプトのもと発表された『Under Cover Of The House』から奇跡のアナログ・カット。 (2)大ヒットを記録した元気ロケッツ1stシングルの『House Nation』リミックスを収録! (3)ニュー・アルバム『Feeling Good』からの先行12"! (4)Freak Do Brazilとしても活躍するStefano Gammaが贈るディスコ決定盤!! (5)Teddy Pendergrassの名曲をTimmy Regisford & Quentin Harrisがハウス・リミックス!!
 
ABSTRACT TOP 5
 
●DISC SHOP ZERO(世田谷)03-5432-6129
1. Jah Light Sound System / Independent Steppers (Lightning Studio)
2. Strictly Rude Boy / Strictly Rude Boy (ESL)
3. Me & You / Floating Heavy (Tru Thoughts)
4. Che Sudaka / Mirando El Mundo Al Reves (K Industria)
5. Pop Group / Idealists In Distress From Bristol (Vinyl Japan)
 
(1)自作スピーカーを楽器に主に都内で着実な活動続けるJah-Light Sound Systemの初音源! (2)See-Iが歌うスカンキン・デジタル・グライム! (3)カリプソ+ヒップホップやダブステップもアリの重心低めな南米音楽紀行。(乱気流通過有)。 (4)スペインのレゲエ〜ダブ風味スカ・パンク・バンド重鎮DVD付新作。 (5)孤高の異端バンド公認ブートレグ集。Mark Stewart & Maffiaな面子も。 
www.discshopzero.com 下北沢駅南口徒歩2分 通販可

ISLAND EXPRESS from No.293


"From Hustle To 'Trick Dem And Buss' "
Text by Reiko NAGASE SMITH(協力:アイランドツアー)
 
Yes! Yes!
 
ハスラーと自称する人は少ないけど、「何やってんの?」と職業を聞くと、「ハスリング・アラウンド、ゆーのー」って答える男がいる。日本でいう無職やフリーターとはちょっと違うし、カジれるスネもコネもないが、ストリート事情には妙に詳しい。
 
実際何で食ってるかって言うと、車洗ったり物売りしたり、ロボット・タクシーのパッカマン(客の乗せ込み屋)したりと、日雇いよりも小さな仕事で日銭を得る。海外からの送金なんてあれば幸い。選挙が近くなれば誰よりも熱くなり、観光客見ると声かけちゃったりもする。毎日が、食えるかどうかの崖っぷち。こうして小金稼いで日々サバイヴしてる彼らの多くは、自称DJかDJ志望。人気のビジーやカーテルは俺様と紙一重、と思ってたりする。ライジング・スターはジャマイカ中駆け回ってオーディションに出るし、コンテスト系のイヴェントや地元の小ステージ・ショウ等、出れるものなら何でも出る。
 
ヘタするとミックス・アップしがちなこの生き様で、ぎりぎりラインのサバイヴしてる。映画『ロッカーズ』を地でいくヤードマンね。
 
Munga(ムンガ)は、デヴィッド・ハウスでケイプルトンの前座によく出てた。同郷ケイプルトンのビデオに、旗持ちとして登場もしてる。高校をドロップアウトして26歳になる今日まで、DJとハスリングでサバイヴしてきた自称、ギャングスタ・ラス。どこにでもいそうな、実際横にいたらちょっと引いちゃいそうなくらいヤードなこの男に、いま島中がTrick dem and bussされてる。ダンスの現場も携帯の着メロもBuss。
 
もう取り巻きに囲まれてるけど、基本的にどこにも属さない系のラス。正統派ラスとはちと違う。慈愛とかコンシャスとか、崇高なラスタの教えをリディムにのせるアーティストとも違う。透明な声のラス・シンガーでもない。同じくじわじわとキテるターラス・ライリーとはまったく違う路線。ファイアー革新派や怒りのラスタ、とも違う。その手があったか、と、どかんと頭殴られた感じ。
 
バッドな匂いはしても、ギャングスタ、と自嘲するほど怖くはないし、ちょっと土くさくって、その格好がいかにもなヤードマン風。これがムンガ流Trick。田舎出身特有のいとおしさと、ストリートのロッカーズ魂を響かせる。
 
「Bad From Mi Born」は彼の自己紹介的プレゼン・チューン。
Munga, mi hail king selassie I di highest king
セラシアイをこの世で最高な王様と讃えるよ。
A mi par wid shango the baddest king
バッドな王様シャンゴ(=ケイプルトン)についてきた俺様、ムンガだぜ。
A mi link with Kalonji the maddest king
この上なくマッドな王様カランジ(=シズラ)とリンクしてる俺様だ。
If you dis mi your life ah di saddest thing
ディスしたらとんでもない悲劇だぞ。
Munga bad from the first day
ムンガは最初っからバッドだったんだから。
My birthday is next to killa birthday
なんたって誕生日はキラー様の翌日だぞ。
You dis me Wednesday well yuh dead before Thursday
水曜にディスしたら、木曜になる前に命はないと思えよ。
 
こんな事もムンガが言うとご愛嬌。なにげに先輩DJをビゴップも。他にラヴ・チューンもあるし、ギャル・チューンもあり。「Flippin Rhymes」はタイトルからしても、ガリソン(ゲットー地区の事)のユースだけじゃなくて、アップタウンのリスナーも意識した様な作り。
Hail King Selassie I di first when me get up
朝起きたら
Do 40 push-up, do 30 sit-up
腕立て伏せ40回、腹筋30回。
So me haffi firm and fit up
強くなってフィットしなきゃ。
So me have me high grade fi smoke
で、ハイ・グレード吸ってさ。
Sneakers and Guess jeans zip up
スニーカーにGuessのジーンズ、ジップ・アップ。
 
そんな勢いのムンガ・オノラブル。最近自分の誕生日にセント・メアリーの故郷、イスリントンに凱旋。彼のチューンにも歌われてるが、「誕生日はボウンティ・キラーと一日違い」が彼のウリのひとつ。ハスリングという道を選び、一時は母親を落胆させた元ハスラーの、最高のママ孝行だったようだ。
 
2K7、ムンガ、Focus, focus, focus。

RAW SINGLES from No.293

Raw Singles
Text by Takanori Ishikawa
 
1. Munga / Take My Place (Don Corleon)
ヘヴィなHip Hopサウンドにオートチューンをかけた歌パート、そしてWickedなDJが三位一体。不穏な空気を振りまき、スローに重厚にロックするサウンド。Sizzla「Rise To…」に勝るとも劣らぬクオリティで黒光りする1曲。タフでバッドな自身をアピール。
 
2. Movado / Gangster (Don Corleon)
この人の取りあげる題材はほぼひとつだけですね、の凶悪リリックス。のっけからハイパーなスピードで飛ばすサウンドとの相乗効果でけれん味なく一気に。ノンストップなギャングスタ・チューン。今のところこの曲のみ使用のオリジナル・トラックは疾走感あり過ぎ。
 
3. Vibez Kartel / Yu A Wife (Don Corleon)
オリジナル・ジャグリン“Arti-lery”。オーケストラ・シンセと少しマーチング・バンド風のドラムでシンプルながらグイグイとドライヴ。もう本当に余裕しゃくしゃくでスキルを全開に繰り出すDJが凄いっす。ベッドでも最高な奥さんをBig Upする内容。
 
4. Busy Signal & Munga / No Boy
(Don Corleon)

これもオリジナルの“Back Ache”。独特としか言い様のない打ち込みビートが今作でも弾けているんですが、それに加えて様々なアクセントをふんだんに、目まぐるしくアレンジ。今までにない感じですね。「俺達は何も恐れないぜ、ヤレるもんならヤッてみろ」のコンビネーション。 
 
5. Pressure / Ghetto Life (Don Corleon)
「Baltimore」(Taxi)リメイク・トラック。オリジナル・トラックからのサンプリングと、Tenor Sawの歌声を要所で使う小憎たらしい仕上り。ゲットーの厳しい現実をリリックスに。オリジナルの豪快にブロウするホーンズは無いが、ソリッドに徹した現代型の素晴しいサウンド。
 
6. Mr.Vegas / Tek Way Yu Self (Dutch Pot)
Soca色を前面に打ち出したオリジナル・トラック。陽性で軽快なサウンド。ギター・リフがリードして、ボトムはズンズン、なメリハリの効いた展開。タイトルと同じ名のNewダンスをレペゼンするチューン。現地へヴィ・プレイ。
 
7. Damian "Jr.Gong" Marley / One Loaf A Bread (Tuff Gong)
シアトリカルなストリングスが特徴な“One Loaf A Bread”使用。リズム・パートは正に2007年のトレンドそのままのアグレッシヴな打ち込み。淡々とリリックスを紡ぐDJからクールなリアリティが滲み出す。ゲットーの住民の未来を心配し、なんとかしなければと訴えるメッセージ・ソング。B面収録のSizzlaも強力。
 
8. Mavado / Me And My Dogs (Tuff Gong)
“One Loaf A Bread”。疑似ニュース番組のアナウンスをイントロに配したギャングスタ・チューン。俺らはいつでもヤッてやるぜって内容。B面にはBountyを収録。俺に逆らう奴ら、ディスする奴らは撃ち殺してやるぜ、の超ストレートなガン・トーク。
 
9. Tornado / Buss Unu Style (Stainless)
懐かしのPhill Collins「Another Day In Paradise」をアダプトしたNewダンス・チューン。サウンド的には80's風味はあまりないっす。けど、チープ&キッチュなシンセは元ネタにピッタリ(?)な娯楽作。この曲のみ使用のオリジナル・トラック。
 
10. Sizzla / Yardie (Stainless)
オリジナル・ジャグリン“Sour Diesel”。ドラム主導の“Koloko”系トラック。凄くシンプルな音作り。レゲエ・ミュージックはジャマイカ人のためにあるとアピールするリリックス。暗にアメリカ音楽は聴くなというニュアンスもあるような、ないような…。
 
11. Beenie Man / Stamp Di Yard (40/40)
アルゼンチン・タンゴとダンスホールを融合させたジャグリン・リズム“Swazzi”。バンドネオンとヴァイオリンの音色を勿論たっぷりと使用したオールド・ラテン・フィーリングでエキゾチックに展開。ビートもラテン・グルーヴです。Newダンス・ネタ。
 
12. Munga / Jah Help Those (RHT)
弾力性満点のキーボードが質感、音色共に満点。バウンスするリズムが躍動しまくるオリジナル“3 Star”リズム。Mungaもキレキレで対応。Jahに守られている俺はBad Mindに惑わされないし、そんな輩と交わる様な不毛な事はしなぜ、とDJ。
 
13. Ghost / Lost Without You (Taxi)
ー。今回はいつものキワ物感を見せずにまともにカヴァー。ファルセット・ヴォイスで切々と。君無しでは生きていけない等々のラヴ・ソング。Taxiお得意のパーカッションで小気味良くラテン色を演出したオリジナル・トラック。
 
14. Shon Telle / Not An Easy Road (Black Chiney)
スムース&メロウなミディアム・トラックに乗せた女性ヴォーカルもの。このレーベルらしい垢抜けたミックスがGood。正統派レゲエ・シンガーと言っては失礼だが、R&B色皆無の歌唱はコクがあって秀逸。「生きていくのは楽じゃないけど、Never Give Up!」と普遍のテーマを熱唱。

UK REPORT from No.293

Photo & Text by SIMON "MAVERICK" BUCKLAND

Mad Professor
 
Greetings Friends,
 
●今年の夏のUKでは、史上最高の雨量を観測しそうだ。特に中部と北部では洪水の被害が相次いでいる。そんな天候の悪さをそのまま反映しているのがレコードのセールスが史上最低を記録したUKのレゲエ・マーケットだ。インターネットの影響だろうか、大手チェーンや個人経営のスペシャリティ・ショップがどんどん潰れていく。ラジオのDJがいくら新曲を華々しく紹介しようが、リスナーにレゲエの楽しさを伝えようが、UKのレゲエ業界は死の淵に立ってしまっているのだ。昔だったらヒット・チューンは簡単に何千枚も店の棚から消えていったのだが、今では、12インチや7インチはだいたい300〜500枚売れればいいほうだ。先日、友人がネット上にどれだけタダの音源が存在するかを僕にみせてくれた。その途方もない量に、普段パソコンをいじらない人間として多大なるショックを受けた。かつて僕が血眼で探していたStudio Oneのシングル(その中には、今となってはアナログで買うことは殆ど不可能なものもある)がネット上にあった。おそるべきことだ。
 
●Mad Professorはアーティストとして進むべき方向に加え、UKを離れてどこか別の国へ移ることを考えているようだ。現在、彼の収入の殆どは急激な値上がり前に購入した不動産の売却益によるものだ。Ariwa Studio 2もかなり前に改修され賃貸物件として稼動しているので、メイン・スタジオもそのようにして貸してしまったほうがいいのかもしれない。今こそ、財政的にも潤っているProf.が彼自らのヴィンテージ録音機器とともに新天地を求めるべきタイミングだと思う。実は、フランスにベースを移した僕やスペインに居を構えるPressure Soundsの Pete HoldsworthらがProf.の後押しをしている最中なのだ。これが人生というものなのか、皮肉にも僕らが仕事を続けられるのは音楽業界を衰弱させているインターネットのお陰なのだ! ネット時代の音楽ビジネスのやり方に遅れをとっているJetstar(僕もその中に入るだろう)などはこの止めようのない“進化”と共存する道を模索しなければならない…。
 
●そのMad Profはポータブル・マルチトラック・スタジオを携えて世界中を廻っている。これさえあれば各地で共演するDJやシンガーのダブ・ミックスがリアルタイムで可能になる。最近、僕が観た彼のショーにはAriwaレーベルの誇るルーツの女王Aishaが出演していた。彼女は長い間、ライヴ活動から遠ざかっていたが、その声の健在ぶりに感心した。Mad Prof.の身軽かつ自由なツアーのスタイルは彼のユニークなビジネス・センスによるものだ。この音楽業界不況下で生き延びていくにはある程度のしたたかさが必要なのだろう。
 

Peter Hunnigale
 
●Englandでのサウンドシステム・ビジネスはすでにアングラ化してしまったが、ヨーロッパ本土では次々に新しいサウンド・マンが登場しているようだ。彼ら若いDJたちはまだまだ駆け出しで、音楽の知識や曲のつなぎ方などに未熟なところがある。しかし、彼らの音楽に対する情熱は確かなものだ。最近、フランスで開催されたサウンド・クラッシュを観る機会があった。ファイナリストはTruths & RightsとPum-Pum Sound(おそらく彼らはPumの意味を全く知らずにネーミングしてしまったのだろう)の2組。当然のことながらTruths & Rightsは対戦相手のことを「Pussy Sound」と馬鹿にし続けた。この侮辱的な言葉の応酬にPum-Pum Soundのクルーの怒りは増していった。そのうえ、Truths & RightsはPum-Pum Soundが「ダブ・プレート以外の曲をネットからMP3方式でダウンロードし1枚のDVDに焼いてきたに違いない!」と言い放ったものだから、クラッシュはさらに険悪なムードになってしまった。両サウンドともアナログ盤のストックが少なく、ダブ・プレートを多用したのだが、それも20秒くらいしか聴くことができなかった!(僕はiPodを使ったクラッシュがあると聞いたこともある!) 観客の支持によりTruths & Rightが勝者となりバトルは閉幕。その後にはフランスのレゲエ界の重鎮や新人たちがステージに立った。Monsieur Lezard,、Brahim、Keefusに加えLaliと改名したSister Linaも素晴らしいパフォーマンスで観客を魅了した。ポルトガル出身のNunoによってオーガナイズされたこのイベントはかつてSaxon、Coxsone、Fatman、そしてHawkeyらがUKで毎週開いていたショウのように楽しい一夜だった。
 
●前述の通りUKのレゲエ・シーンは昔と比べて活気を失っているが、Peckingsのようなレーベルは充実したタイトルを精力的にリリースし続けている。彼らはTreasure Isleのリディムを積極的に使ってきたが、最近ではStudio Oneモノにも手を伸ばし始めた。まずは、Freddie McGregor「Homeward Bound」リディムにPeter Hunnigaleがヴォーカルを乗せたチューンを聴いてみてはどうだろうか。最も偉大なUK出身のシンガーのひとりであるHunnigaleを聴いて損はないはずだ。実際、彼は本当に心優しいヤツでもあるの
 
(訳/Masaaki Otsuka)

RECORDS & TAPES from No.293

Review by TAKASHI FUTATSUGI
 
MIX CD
 
1. V.A. / DJ Yutaka presents Death Row Mastermix (Victor)
DJ生活30周年を迎えたパイオニア=DJ Yutakaのそのアニヴァーサリー・ミックスCDは、何と“デス・ロウ”物。自身もメンバーであるライム・シンジケートのキャップを被り、例の椅子に座る…という衝撃のジャケもそうだが、クラシックをクラシックらしく聴かせつつ“こんな知られざる名曲もあるよ”と提示してみせるセレクション、そしてYutaka Fresh J時代(20年程前)にやっていたマスターミックス(曲間にビートを足したりして作り込む手法)、その全てに説得力がある。チャック・D・バンバータを始めとするシャウトを入れてる面子にも注目!
 
ALBUM
 
2. Finding Forever / Common (Geffen / Universal)

こちらも大ヴェテランのプロデューサー/DJ、JJの約5年ぶりとなる2ndリーダー作が完成。前作が割とソウルフルな要素が強かったのに対し、そのテイスト(フィリー!)を残しつつも、オールドスクール・リバイバル的なノリも意識した(フレッシュ・プリンスとの「Brand New Funk」のリメイクも)よりヒップホップ濃度の高い一枚に。ライムフェスト、ジーン・グレイ、ピーディ・クラックからメソッド・マン、ポス、ビッグ・ダディ・ケインまでと参加アーティスト顔揃れも興味深く、まさにMagnificent=JJならではの内容に。あのコスリも久々に聴ける!
 
3. Talib Kweli / Eardrum (Warner)
自身のレーベル“ブラック・スミス”ことワーナー・ブラザーズへ移籍した“真実の徒”タリブ・クウェリの最新作。クワメ制作の「Listen」や、ウィル・アイ・アムが「Funky Child」でお馴染みの“LAチームのテーマ”を引っ張り出してきた「Say Something」に、UGKが絡むソウルフルなトラックに倍速ラップが光る「Country Cousins」、ノラ・ジョーンズのヴォーカルがいいアクセントになっている「Soon The New Day」等々、いつになく“フック”の多い作りになっているが、不思議なまでの統一感のある会心のラップ・アルバム。マッドリブ、ジャスト・ブレイズ、ビート・ロック、カニエ・ウエストら相性のいいプロデューサー陣の仕事振りも◎。
 
4. T.I. / T.I. vs T.I.P. (Grand Hustle)
昨年ヒップ・ホップ界で一番多くアルバムを売った男、とはこのキング=T.I.。早くも登場したこの5作目は、成功者=T.I.とストリートでハッスルするT.I.P.という2つのペルソナを描きつつ、最後にはそれを対決させてしまうという凄絶なコンセプトに基づくもの。ジェイ・Zやバスタ、エミネム、ネリーにワイクリフ、とゲスト・メンバーも豪華な本作は代表作『King』に負けず劣らずの“濃度”を持つ、地に足着いたスターのアルバム、といった感じか。ハードなトラップ・ビーツから80'sリヴァイヴァル〜エレクトロ・モードとサウンド面でも最先端が詰まった本作でその“座”は更に揺るぎないものとなるハズ。
 
5. UNK / Beat'n Down Yo Block!y (Koch / Victor)

A-タウン=アトランタから現れた号令ラップ野郎=アンクの初アルバムが遂に日本盤化。“ワキラ〜”のフレーズでお馴染みのロング・ヒット「Walk It Out」や、2ステップ・ダンスをより広めた「2 Step」に、そのリミックス(前年はアンドレ3000+ジム・ジョーンズ、後者はジム・ジョーンズ、T-ペイン、E-40がそれぞれ参加)を中心に、A-タウンの魅力(ダンスを含む)を無理なく詰め込んだ本作は、明らかにここ数年のブームの流れにあるもので、その楽しさがワカる人には言わずもがなの好内容。CDエクストラ(P.V)とダンス解説のオマケも嬉しい。
 
6. Huey / Notebook Paper (BMG)
「Pop, Lock & Drop It」のヒットでセントルイスから飛び出した19歳の新鋭ヒューイのデビュー作。“G5”ダンスを流行らせた先のシングル曲(フックで言及してる尻フリのルーツはジャマイカ〜マイアミ?)を始め、ミッド・ウエスト〜サウスのシグネチャー・サウンドを散りばめた“オモロくて、ちゃんと踊れる”ビート群は総じてレヴェルが高く、そこにスターゲイトとT・ペイン、ジャジー・フェイらの“歌ゴコロあるトラック”が加わり、実体のバランスもかなり良い。肝心な主役のフロウも中毒性が高く、しっかり聴かせてくれる。
 
7. V.A. / Top Shelf (Manhattan Records)
ビッグ・ダディ・ケイン、ビズ・マーキー、スペシャル・エド、ダギー・フレッシュ、ジャングル・ブラザーズ、メリー・メル&キャズ、MCライト、グランド・プーバ、ブラック・シープ、ナイス&スムース…といったNY黄金時代(1〜2期)のオールスター達のロスト・テープ物。88年に暴動でその行方がわからなくなっていたマスターをあのファブ・5・フレディが発見し、今回目出たく“新譜”としてリリースされることになったのだが…。これが何ともアツい!! 当然ながら未発表モノばかり、なのだが数あるクラシック物と並べても遜色ない輝きがここにある。Golden、でFreshな奇跡の結晶、てな感じ。
 
8. Equal / King & Queen (Columbia)
名古屋のKingが通算4thアルバムをドロップ。本人が“熱めで派手な爆弾ばっかり”と豪華する位、今作はシンプルさを狙った前作『7Days』とは真逆の作り込みに徹したアプローチが随所に現れた大作感のあるモノ、となっている。それだけにコラボ物も大充実。Foxxi MisQ、F.O.H、Sorasanzen、Jamosa、そしてTokona-Xのヴァースを交えた、般若、AK-69、Akira、Macchoとのマイク・リレー等、これでもか!とばかりに仕掛けのある傑作。アキソルの名曲「Shotta Fire」のナイス・リメイクも!
 
9. Ozrosaurus / Hysterical (Higher Than High / Bay Blues)
超大作だった前作『Rhyme & Blues』に続く4thは初のインディーズ作品。だが、「どっから出ようとオジロザウルス」。「表現=言論の自由を守る為」にとられたその大英断は、本作のテーマと等号で結ばれるだろう。それ位、今作でのMacchoは危険である。しかしながら勿論ただ吠えているのではなく、そこにはビートという土台があり、それを乗りこなしながら言葉の波動をよりダイレクトに届ける、という一点に集中した感のある本作は進化し続けるハマの大怪獣ならではの重量感がある。まずは感じるベキ。
 
10. Hokt / Bad Boy Paradise (Universal)
North Coast Bad Boyzを始め数々のムーヴメントを起こし、地元札幌を盛り上げてきたノース・スター=Hoktが満を持してデビュー。Ariaのシングル曲等でもその個性をギラつかせていた彼がいかに華のある存在なのかは、あのラージなジュエリー類が無くてもハッキリと分る。S55、Lil'J、DJ PMXにTwo-Jと、信頼するプロデューサー/アーティストと共に作り上げた本作でも、色んな事を体験してきた者のみが語れる歌詞と、それをラップとしてカッコ良く聴かせる為のフロウという表裏一体の2大武器が炸裂している。ブレイクも間違いないトコロだろう。
 
11. Sugar Cru / Tha Street Addiction (Mo Hard Music)
レペゼン静岡のハードコア・ヒップホップ・ウォリアーズ=Suger Cruの初作。Goma Da Flybeats、Mush、Boukunの直情怪行なMC陣と、トラックを担当するPBLの4人からなる彼らは“黒”というテーマ・カラーをベースに“武脳派”さながらの有言実行=大和魂スタイル、男気一本勝負で「おひけえなすって!」と斬り込んでくる。ゲストはライヴ音源上での共演歴アリのTomogen(Doberman Inc)のみ、という徹底ぶりもどこかクイーンズに通底する(?)武骨さの現れか。ドープなビートの上で放たれるストレートなリリックはとにかく心を打つ。
   
12. Mint / After School Makin' Love (P-Vine)
ヒップホップ=ろくでなしのブルース、と例えたヒトがいるが、この男のろくでなし度は又かなり複雑(コンプレックス)? 韻踏合組合在籍時からソロ・アーティスト然とした異彩を放っていたミントのデビュー作が遂に完成。Evis Beats、Ryuja、Nao the Laiza、M.Hiroishi、N.I.、I-DeAという6人の異才に提示された“ノリ”もしくは“泣き”を重視したビートで、「こんなオレ」をプレゼンし続ける、その“キャラ被りはあり得ない”個性のカタマリがいかに天才的なのかは、DJ George(Forcus)による“ベスト・オブ・ミント”のスクリュー・ミックス盤の方でもよくワカる。これぞクル・ミント!?

2007年7月27日

Shaggy / Intoxication

Shaggy
Intoxication
 
Interview by Toshiaki Ohba / Photo by Mayumi Nashida / Translated by Ichiro Suganuma
 

どんなアーティストでも多少の浮き沈みはあるものの、全米1位を獲得したアーティストが100位圏外へと苦汁を舐めたのが前作。しかし「Church Heathen」では見事に欧米各国で1位を獲得し今年大復活。キングストンにある彼の根城、ビッグ・ヤード・スタジオの迷路のような通路の奥にあるリヴィングで、間もなく完成するニュー・アルバムについて話を聞いた。
 
●活動拠点は、今はジャマイカなの?
Shaggy(以下S):そうだよ。今はここジャマイカ、そしてニューヨークとマイアミの3カ所に家があるんだ。俺のレコードは世界中でたくさんリリースされているし、ツアーで世界を飛び回っているから拠点は多くないとね(笑)。
 
●前作のアルバム『Clothes Drop』のセールスは芳しくなかったみたいだけど、そこから学んだことと言えば?
S:今でも前作は、内容としてはとても良かったと思っている。ビッグ・アルバムだった『Hot Shot』や『Lucky Day』の後にも「Strength Of A Woman」や「Hey Sexy Ladies」といったビッグ・ヒットも出してるだろ? だから決して止まっていたわけじゃない。まあ、でも『Clothes Drop』の時はレコード会社(ゲフィン)のサポートが予想していたものよりも随分と足りなかったんだ。だから結果的に判断すると最高じゃなかったかもしれないけれどね。それが学んだことのひとつだよ。
(横からECが口を出す)
EC:あの『Clothes Drop』のジャケットは、Shaggyが決めたのかい?
S:ECはあれを好きじゃないのか?
EC:ああ、ダメだね。
S:確かにジャケットも良くなかったな(笑)。あとメジャーってのはいちいちうるさく口を出すしな。だから今回の『Intoxication』はメジャーからリリースするのは止めて、インディ(VP Records)からリリースすることにしたのさ。その方がサウンドにしても、リリックにしても、ジャケットにしても、自分が描いているヴィジョンをきっちり出せるし、それによってもっとファンに分かってもらえると思うからね。
 
●今年は初頭から「Reggae Vibes」(日本盤のみボーナス・トラックとして収録)がジャマイカで1位を獲得し、幸先の良いスタートを切りましたね。
S:実は、「Reggae Vibes」はずっと以前に書いた曲なんだよ。そうそうちょうど「Japan Splash」に出演するために日本に行った時だよ。となると1996年だったはずだね。(ビッグ・ヤードのボス)Robert(Livingston)がこの曲のことを思い出してミックスをしたら良い仕上りだったからリリースしたんだ。大ヒットはしたんだけど、あれはいつもの俺じゃない。この曲では歌ってもいるけど、俺はDJ以外の何者でもないし、それこそが俺のやるべき仕事だからな。
 
●続いて「Church Heathen」をリリースし、世界中で1位となる大ヒットになりましたね。その理由は?
S:そうだね、リリックの内容がヒットした要因だと思うよ。リリックはタイトル通り教会のことを言っているのさ。教会で実際に起こっていることだから、みんなが共感したんだろうね。若い人、年配の人、黒人、白人とかの垣根も関係のない話だしな。もちろんビートも最高だろ? パワーがあって、エネルギーに溢れているからついつい踊りたくなる。それに俺が歌っているんだからホットなのは間違いないだろ?(笑)
 
●ここにアルバム収録予定の11曲入のサンプラーがあるけど、前述のヒット曲以外にも実にShaggyらしい曲から新しいアプローチの曲まで入ってますね。
S:『Intoxication』には全15曲収録する予定だよ。でも日本盤はボーナス・トラックが入るようだから、もっと多くなるかもね(日本盤には「Wrong Move」と前述のジャマイカNo.1ヒット曲「Reggae Vibes」を収録)。
 
●プロデューサーには誰を起用したのですか?
S:Tony "CD" Kelly、Shaun "Sting International" Pizzonia。それからRobert Livingstone、Christopher Birch、Andre "Goldenchy" Fennell、Dwayne Shippyのビッグ・ヤード系の人たちだ。Dwayneはビッグ・ヤードの新入りで今後期待できる奴だよ。
 
●キャッチーな「Those Were The Days」、これはMary Hopkinsでおなじみの曲ですね(68年のヒット曲。邦題は「悲しき天使」)。
S:Shaggy はいつだって古い曲を新しい曲に生まれ変わらせるのさ。覚えているだろ? 「In the Summertime」はMungo Jerryだ。これは1位になっただろ? それから「Oh Carolina」、これはFolk Brothers。これも1位さ。「Angel In The Morning」だって1位だよ。だから「Those Were The Days」、そうMary Hopkinsのこの曲だってきっと1位になるだろうな(笑)。
 
● Sizzlaとの「Mad Mad World」、これはナイス・コンビネーションですね。ただ、Shaggy=ギャル・チューンという印象が強いけど。
S:「Mad Mad World」は、最終的には俺とSizzlaにCollie Buddzも加わることになるんだ。社会的なテーマの歌だって歌うよ。ただ、宗教と政治に関しては出来るだけ歌わないようにしているんだ。特に一つの宗派のこととか、プロテスタント対カソリックとか、そういう宗教の対立みたいな歌は歌わないんだ。ジョージ・ブッシュ対アフリカとかも作らないね。だけど、社会的なことはいつだって歌うよ。「Mad Mad World」は世界中で起こっていることについて歌っているんだ。いまの時代って俺たちが言及しなきゃいけないようなクレイジーなことがいっぱい起こっているだろ? それらを歌うのさ。温暖化とかさ。いま、科学が求められているんだ。ショックを受けて立ち尽くしている場合じゃないのさ。俺たちは実際に今、“Mad Mad World”に生きてるんだからね。
 
●今回はレーベルメイトのRik Rok、Tony Gold、Rayvonの他、Nasha、Sizzla、それにColllie Buddzが参加しているようだけど、やっぱり「What's Love」で参加しているAkonが気になります。
S:「What's Love」は、男が女と別れようとしている時の曲で、彼女は彼のことがまだ好きなんだけど、彼は彼女のもとを去ろうとしている。それは、彼には他の女が必要なんだからっていう曲で、Akonが「愛って何だよ? 関係あるのか?」って歌ってるんだ。曲自体はジャマイカで録音したんだけど、それをAkonに送って彼のパートを録音してもらったんだ。
 
 
 
●Akonとは付合いが長いの?
S:Akonのことは昔から良く知ってるよ。いい友達なんだ。Akonは素晴らしい男だよ。アーティストとして最高だし、ハード・ワーカーだね。いま大成功しているけど、それは当然だと思うよ。この先だってずっと活躍するはずさ。ECもAkonは好きだろ?
EC:もちろん!
S:そうだろうね。Akonがやっているのはレゲエとは違うけど、いつだって新しいスタイルのものを作っているし、平均点的なものはまず作らないしね。
(このインタビューの数日後にマイアミで開催されたビッグ・フェス「Best Of The Best」でShaggyを観た。実はShaggyの2人前のステージにAkonが登場したが、残念ながら共演はなかった)
 
●どの曲が一番の気に入り?
S:いまは「Woman Scorn」かな。「All About Love」だって好きだし(歌い出す)。でも日々変わっている。だから来週は違う曲を気に入っていると思うよ(笑)。
 
●もう「Oh Carolina」も「Boombastic」も知らない新しい世代のレゲエ・ファンがどんどん増えているけど、そういった状況をどう捉えているんですか?
S:俺は常に自分自身を再発見しているんだ。だから今この瞬間の俺は新しいシャギーなんだよ。新しいジェネレーションのファンは、この新しいシャギーを気に入ってくれる。それは間違いない。だって、俺自身がニュー・ジェネレーションだからね。
 
●ツアーの予定は?
S:早く日本でツアーしたいね。いますぐにでもさ。このアルバムがヒットしたらね(笑)。日本に行くのはいつだって楽しみにしてるよ。

 
『Intoxication』
Shaggy

[Pony Canyon / PCCY-01837]

Mavado / Gangsta For Life

Mavado
Gangsta For Life
 
Interview by Minako Ikeshiro
 

 今年、"Most Wanted"なアーティストと言えば、この男しかいない。各方面を騒がせながら、『ギャングスター・フォー・ライフ〜シンフォニー・オブ・デイヴィッド・ブルックス』を完成。スキットを含めてコンセプチュアルな内容で、「旬」だけでは片づけられない傑作だ。本誌でもしっかり指名手配して、ゲットしたマヴァード最新語録。
 
●タイトルはあなたのスローガンだから分かるのですが、サブ・タイトルに『シンフォニー・オブ・デイヴィッド・ブルックス』を付けたのはなぜ?
Mavado(以下M):アルバムの内容そのものだから。マヴァードとデイヴィッド・ブルックスの間には基本的に違いはない。音楽的な面を指してマヴァードになるだけだ。
 
●「ギャングスター・フォー・ライフ(一生ギャングスター)」はデイヴィッド・ブルックスのテーマでもあるということ?
M:「一生ギャングスター」というのは俺個人の個性を指している。他のアーティストはイメージでギャングスターを使うけれど、俺の場合はイメージではなくて俺のパーソナリティーなんだ。俺はジャマイカのキングストン、カサヴァ・ピースで仲間と一緒に苦労して育った。子供の頃から人生の様々な局面を目の当たりにして、自分自身も色んな経験をして大人になったんだ。「ギャングスター・フォー・ライフ」と言っているからといって、俺が悪い奴というワケじゃない。そう取っている人は多くて、あれこれイメージを膨らまそうとするけど、俺は意味なく人殺しをするようなギャングスターとは違う。
 
●一度聞いたら忘れない声を持っているのも大人気の秘訣かと思います。小さい頃はクワイヤーにいたんですね?
M:以前はよく教会で歌っていたよ。5才くらいから始めて、しばらくやってたな。歌い方もそこで覚えたし、教会ではちょっとしたスターだったよ。ばあちゃんに8才くらいまで連れて行かれたんじゃないかな。子供の頃は普通だったんだ。色んなことを経験するうちに自分で決断して、今みたいな性格になった。
 
●バイオによると、学校でカッティ・ランクスやバウンティー・キラーの曲を歌っていたそうですね。彼らはDJですから、あなたも最初はDJを目指していたとか?
M:違うよ。彼らは俺が最初に好きになったアーティストで、曲をよく知っていたからやっていたんだけど、俺の方向性が彼らと違うのは最初から自覚していた。俺はシンガーだよ。
 
●シンガーで好きだった人は?
M:サンチェス。
 
●サンチェスの曲だったらどれが得意ですか?
M:全部。サンチェスの曲なら全部歌える。
 
●共演したら凄いことになりそうですね。
M:その話はもう出ている。次のアルバムくらいで一緒にやるつもりだ。あまり知られてないけど、サンチェスもカサヴァ・ピースの出身なんだよ。彼のことは子供の頃から知っている。彼はもうスターだったけどね。
 
●スイスで亡くなったお父さんについて聞いていいですか?
M:親父のことは話したくない。
 
●分かりました。一つだけ確認したいのですが、ラスタファリアンのお父さんに育てられても、ラスタにならかったのはどうしてでしょうか?
M:俺はラスタだよ。そう見えないだけで、俺の心根はラスタだ。物事の判断基準もそこにある。
 
●それにしても、出す曲全部ヒットしてますよね。
M:最近でも「Next Rebel」と「Gang Thang」とか4曲作ったよ。スティーヴンとDJカリームと...あと誰が作ったのか忘れた。俺は毎日はスタジオにいるタイプじゃなくて、必要な時に行くんだ。
 
●売れてから一番変わったことは?
M:周りの反応。俺に対する扱い方が全く違う。そこはマヴァードとして対処しているから、別にクールだけど。
 
●メイン・プロデューサーのダセーカについて教えて下さい。
M:3人組で、全員ミュージシャンだ。(セレクターの)フッタ・ハイプが紹介してくれて、そこからすべてが始まった。
 
●兄貴分のバウンティ・キラーとなどんな関係なのでしょう?
M:彼は将軍だ。彼の周りにいるだけで色んなことが学べる。何年もこの業界で巨人として立って来た人で、自分の打ち出し方もよく分かっているし、キャリアの築き方もよく考えている。彼は言ったことを実行する。凄く尊敬しているんだ。
 
●自分で面倒を見ている若手はいますか?
M:DJのフレックス。彼は俺の弟みたいな存在で、昔からの知り合いなんだ。
 
●ショーでのパフォーマンスが格段に良くなった気がしますが、特別に何かしていますか?
M:していないよ。この世界には長くいるから、自然と出来るようになったんだ。一番大事なのは集中力。海外のショウでは45分から1時間くらいやっているよ。アライアンス・バンドにはダセーカのメンバーがキーボードとドラマーとして参加しているんだ。
 
●日本のファンのメッセージを。
M:日本のファンにこれからもサポートをよろしくって言いたいね。サポートしてくれたら、マヴァードはいい音楽を作り続ける。それから、近々日本に行く話が出ていて、ほとんど最終段階に入っているから、ちゃんと待っていてくれ。
 
●長時間、飛行機に乗ることになりますよ(笑)。
M:大丈夫。心の準備では出来ている、準備万端だ(笑)。
 
"Gangsta For Life"
Mavado

[Victor / VICP-63912 / 国内盤
VP / VP1781 / 輸入盤 ]

Likkle Mai / MW

Likkle Mai
MW
 
Interview by Jose Saito / Photo by Yura
 

自身のプライヴェート・レーベル“MK Starliner”を立ち上げ、よりダイレクトに音楽活動をスタートさせたLikkle Maiのソロ第2章はレゲエの原点に回帰した名盤! サンプルの発送からライヴのブッキングまで東奔西走する彼女に話を聞いた。
 
 「(1stソロ・アルバム)『Roots Candy』を出して、フジロックからカフェみたいな所でのアコースティック・ライヴまで色々なステージを体験してきて、(自分に)求められてるって感じたのが“レゲエ”と“日本語のリリック”だなって。
 よりお客さんと密なコミュニケーションをって思うと、やっぱり日本語の方が絶対有利だし、前作ではレゲエっていう枠をとっぱらって音楽そのものにフォーカスしたんだけど、私自身も人生で一番影響を受けている音楽は圧倒的にレゲエだから、今回は得意なことを素直にやってみたという。……本当にね、この1年間歩んできた流れがこの『MW』に如実に現れているんじゃないかと思います」(Likkle Mai/以下括弧内は彼女の発言)
 

彼女の考えはいつも明確で核心を突いている。自分が一番のレゲエ・ファンであるという自負があるからこそ、オーディエンスが何を欲しているかということがよく見えるのだろう。
 
さて、文字通り本作は彼女の原点回帰とも言えるレゲエ・アルバムなのだが、冒頭を飾る、打ち込みのリズムに生の管楽器が映えるルーツ・ステッパー「My Woman」や、泣きのホーン・アンサンブルがグッと心に沁みるロック・ステディ「Home Sweet Home」、Little TempoのTicoによる開放的なスティール・パンの音色が心地よい「Shine On Me」など、とにかく明るいイメージの楽曲やホーンの華やかさが目に付く。
 
「元々スカって大好きで、ホーンはセクションになった時が一番気持ちいいなって思ってて。今回、バンドには西内徹さん(Reggae Disco Rock-ers)、芝井(直実)さん、Icchieさんとか錚々たるメンバーが参加してくれているんですけど、文句なしにレゲエの『ワァーッ!』って両手を上げたくなる感じが出てますよね。今まで得意としてきたマイナー・コードはそれだけでクールに聴こえてくるんです。でも今回は明るくて楽しい、そして力強いレゲエを提示したいっていう気持ちがあって。“My Woman”とかもホント、そういうイメージ」
 
では、実際のレコーディングについてはどうだったのだろう。
 
「録り方もすごく工夫して、音楽スタジオは一切入らなかったんです。“Home Sweet Home”なんかは森俊也さん(Dreamlets他) の生ドラムなんですけど、それは国立(市)の地元のクラブを借りてテーブルとか全部片して録ってみたら、部屋鳴りがあって凄く良い音で録れたんですよね。で、『これは使えるぞ』っていうことで、ホーンセクションもそこで録ったりとか。結構、そういう意味では“国立サウンド”なんですよ(笑)」
 
そんな100%ホームメイドな本作。誰に一番聴いて欲しいだろうか。
 
「私の場合はレゲエのあるジャンルだけにフォーカスしているわけじゃなくて、スカからダンスホールまで一貫してレゲエのスペシャリストなんで、そういうレゲエの懐の深さっていうのをこのアルバムで体現したかったんですよ。あと、女の人がもっとこないとシーンが盛り上がらないでしょ? ダンスホールDJの方って、より男性的な世界観じゃないですか? それは否定しないけど、もっと女性とか、今まで足を運ばなかった人がいないとこれから先、私も食えないし(笑)。……それは男性には出来ない、私にだからこそ出来ることかもしれない」
 
このように、シーンの中で自分の役割をはっきりと認識しているアーティストはどのくらいいるのだろうか? 更にはプライヴェート・レーベル“MK Starliner”(ネーミングはやはりマーカス・ガーヴェイの“Black Starliner”より拝借したそう)を立ち上げ、その活動の一切を自分達主導のものへと移行。これはかなりの自負と覚悟だ。
 
「だから私、今こそレゲエ・ミュージシャンなんですよ。『後ろ盾がないっていうのはこういうことか!』っていう思いもしてるし、背負ってるものもあるし、ある意味レゲエを歌うのが本当に楽しくなっちゃって」
 
“操り人形になるくらいなら、自由な人間として墓に入るわ!”……ラストを飾るジミー・クリフのカヴァー、「The Harder They Come」の詩世界そのままに、確かなヴィジョンを持って前に歩き始めたリクル・マイ。これからの動向にも注目だ。
 
"MW"
Likkle Mai

[MK Starliner / MKD-001 ]

2007年7月31日

Eric Donaldson / Mr.Cherry Oh Baby

Eric Donaldson
Mr.Cherry Oh Baby
 
Interview & Photo by Shizuo "EC" Ishii / Text by Toshiaki Ohba
Trancelate by Ichiro Suganuma

 

 「Cherry Oh Baby」と言えば、ストーンズもUB40もカヴァーした永遠のクラシック。その作者エリック・ドナルドソンとご対面と相成った。その顛末とインタビューをどうぞ。
 
 朝食後、ECと共にキングストンの街中から車で20分ほど走った場所にあるグラッドストン“グラディ”アンダーソンの自宅にお邪魔し、撮影をこなして昼食も食わずにホテルに戻ると、ちょうどクライヴ・ハントが友人を連れてやってきた。しばし歓談後、「そう言えばEC、エリック・ドナルドソンを探してるんだってね? 俺は用事があって行けないけど、友達が案内してくれるから車で着いて行きなよ」と思いがけない展開。実はH-Manの最新アルバム『諸法無我』に収録予定だった「Cherry Oh Baby」を日本語訳でカヴァーした「僕のベイベー♥」の使用許可がイギリスの音楽出版社から全く連絡が来ず、こうなりゃ直談判と「Cherry Oh Baby」の作者であるエリックの連絡先を探し回っていたのだ。世界の大名曲の作者と言えどもここジャマイカでは既に過去の人、連絡先を知っているプロデューサー/ミュージシャンにぶち当らず諦めかけていた折のビッグ・ニュース、「え?! それホント?! じゃ、昼飯は諦めてとりあえず行こうぜ」
 
 小雨が降る中、車を西に走らせるとすぐに左手にタフ・ゴング・スタジオが見える。どうやらこのまま西に直進して行くようだ。街並が消え、見晴らしが良くなってきた頃、どうもECの運転が怪しくなってきた。長時間のフライトに加え、NYでひと仕事後、ジャマイカに移動したかと思えばレンタカーを借りてまずはカールトン・マニングに挨拶。ホテルにチェック・インするもすぐさまレンタカーでスタジオをくまなく回り(カーナビは勿論、地図も持ってない…)、次々と超大物プロデューサー/アーティストとアポ無しで面会。連日そんなハードワーカーぶりを見せつけられていたので、この何もない一本道の運転で睡魔が襲ってきたとしても無理はない。ただ僕は「ここで死ぬのは勘弁だなあ…」と思い、無理矢理運転を代わる事にした(国際免許証なんて持っていないが…)。とにかく前を走る黒くて大きな車のケツにひっつき、泥色の川沿いの山道を走り続けた。映画『ロッカーズ』で見た事のある壊れそうな橋を通り過ぎ更に山の中へ。既にキングストンからは1時間半以上走り続けたはずだ。
 
 気付くと前の車がスピードを落とし、何やら合図を送っている。ふと見上げるとヘタクソとしか言い様の無い今にも倒れそうなマティーニ・グラスの絵が描かれた看板。そこには「Cherry Oh Baby Club」の文字が。「ここか…」。正直、身体が震えた。そしてすぐに現れた男は、当時のジャケット写真そのままの、何とも形容しがたい無骨な顔を持つ小男だった…。
 
 そしてH-Manがカヴァーする件のOKを取り、それならとECが朝3時頃の日本のH-Manにケイタイを入れると「どうしたんですか?」「エリック、OK!」。僕からすれば無茶苦茶な話だが、用件は済んだ事だし、ここまで来たんだからとインタビューもお願いした。
 
●まずバイオグラフィーを教えて下さい。
Eric Donaldson(以下E):俺はセント・キャサリンのケント・ヴィレッジで生まれた。1947年6月11日生まれだから今、60歳さ。歌を始めたのは学校に行ってた頃だ。時々教会でも歌ってたけどね。60年代になってサー・コクソンの下で1曲録音して、彼はそれを自分のサウンド・システムのスペシャルとして使用したけど、結局レコードはリリースされなかった。その後、アルヴィン・ラングリンのGGでも録音したし、J.J.ジョンソンとは「Right On Time」「Bring It On Home To Me」って曲を録音した。あと、リー・ペリーとも何曲かやったよ。「Cherry Oh Baby」を12インチでリリースしたりもしたな。まあ、そんな感じで活動していたけど、そんなに売れていた訳じゃない。あれは1971年だったかな。俺は「Jamaican Festival Song Competition」に参加する事にしたんだ。そのフェスティヴァルはジャマイカではとても大きなもので、ジャマイカの独立を祝うフェスティヴァルなんだ。1962年に独立してから毎年行われてるのさ。それに「Cherry Oh Baby」を携えて参加し優勝したんだ。その後も何回かコンペティションに参加しているんだけど、少なくとも7回は優勝した。だから俺は“キング・オブ・フェスティヴァル”って呼ばれる様になったのさ。それでダイナミック・サウンズと契約して、71年に『Eric Donaldson』っていう最初のアルバムをリリースしたんだ。「Cherry Oh Baby」「Love Of The Common People」なんかが収録された。ダイナミックでは4枚のアルバムを作ったかな。
 
●なぜキングストンに移ったのですか?
E:ここらセント・キャサリンは田舎だから仕事がなかったんだ。だからみんなキングストンとかモンテゴ・ベイとかオーチョ・リオスに出て行くのさ。俺の場合は音楽でやっていきたかった。でもここら辺にはスタジオもないし、プロデューサーもいないからキングストンに行ったのさ。ま、キングストンに行くしかなかった、って事だね。
 
●最初から歌手になろうと思ってたんだね?
E:そうさ。だからキングストンに行ったんだ。デューク・リード、サー・コクソン、J.J.ジョンソン、リー・ペリー、GGラングリン、バイロン・リーらのオーディションを受けたよ。結局は彼らみんなと録音したんだけどね。最初の内は誰かと2曲やって、また別の人と1曲やって、今度はまた別の誰かと3曲やってみたいな感じだ。その後、1985年にダイナミックを離れて、アフリカ向けに曲を書き始めたんだ。アフリカのフィーリングに合う様に有名なミュージシャンを呼んで作ったんだ。だから最後にジャマイカのステージで歌ったのは1997年で、それは「Jamaican Festival Song Competition」でまた歌った時かな。その時は「Peace & Love」って曲で優勝した。実は今までに25枚位のアルバムを出してるんだけど、ジャマイカでは4枚しかリリースされてないんだ。あとは、ブラジル、ヨーロッパ、アフリカ各国、西インド諸島の色んな国でリリースされた。1985年を最後にそうなった。1998年に作った『Peace & Love』はブラジルでリリースされて、内容もセールスもいい感じだよ。[次号に続く]
 

Pushim / Hey Boy

PUSHIM
HEY BOY
 
Text by Maki Kawaguchi / Photo by Akira Okumura (D-Cord Manegement ltd)
 

お待たせしました! 我らが歌姫、PUSHIMの新作はブランニュー・チューン3曲にインストとダブ・ミックスを1曲ずつ収録。勿論、どれも期待以上のキラーなものばかりだ。彼女のインタビューに、ミックスを行ったNYのレポートを交え紹介していこう。
 
 傑作アルバム『Sing A Song...Lighter!』から約1年。その間も毎年恒例の夏フェスの参加や全国ツアー、NeOSITEレーベル10周年シングル「I Say Yeah」や2本のPV集『VISIONS Vol.1&Vol.2』のリリースに、最近では「SPECIAL LIVE TOUR 2007」など休む間もなく活動してきたPUSHIMだが、それら精力的な活動を経ていよいよ2007年第一弾となるニュー・シングル「HEY BOY」をリリースする。「I pray」「Anything For You」「a song dedicated」といった最近のシングルとはガラリと趣を変えた、キュートなダンスホール・チューンの登場だ。
 
 「『Sing A Song...Lighter!』が生音で作ったアルバムだったから、次は打ち込みも加えたサウンドでやりたいなってのがあって。あと最近のシングルがミディアムやバラードで、かつメッセージ性の強いものが続いたから、今回はただ単に“イエーイ!”って踊れる曲を作りたかった。軽いノリの曲を出すことが今の自分にとってすごく意味があったんです。自分がただ踊りたかったってのもあるんだけど(笑)。歌詞も面白くコメディーちっくな内容になってるし、聴いて楽しく踊ってくれたら嬉しいな。それがダンスホールの醍醐味だから」
 
 トラックを手掛けるは、只今飛ぶ鳥落とす勢いのヒップホップ・プロデューサー・チーム、BUZZER BEATS。「彼らの作品を聴いていいなと思って。彼らなら歌い手としての私に新しい風を吹き込んでくれると思ったから、“ゴメン、レゲエ作って”って頼んだ(笑)」そうで、ブレイク部分では彼らのヒップホップ・フレイヴァが出たりもしているが、しかし仕上がりはもちろん完全レゲエ。そこには彼らの手腕も当然あるが、しかしやはりPUSHIMのヴォーカルに拠るところが大きい。
 
 「この曲は言葉の運び方がすごくレゲエ的なフック感のある感じになってるの。リズムに対して引っかかる感じというか。そういうフック感をうまいこと出せへんかなってずっと思ってたんだけど、それは今回結構いい感じで出来たかなと思ってる。それってレゲエをずっとやってないと出来へん事やと思うしね」
 カップリングには「今年のテーマ・ソング」と語る勇ましい「SURVIVAL FUTURE」と、女の子達への応援歌ともいうべき「My name is…」、そして前作収録の「往来〜sunrise riddim〜」のミックスを手掛けていたJames “Bonzai” Carusoによる「SURVIVAL FUTURE」のリミックスを収録。是非ともこのエネルギーを体感して欲しい。
 
 ニュー・シングルを引っ提げて、今年も数々の夏フェスに参戦するPUSHIM。カラッと晴れた青空の下で聴く「HEY BOY」はどんなにか心地好いだろう。想像しただけでワクワクしてしまう。
 
「Hey Boy」
Pushim

[Ki/oon / KSCL-1168 ]
 


  


 

BONZAI
meets
PUSHIM

 
Text by Toshiaki Ohba / Photo by Shizuo "EC" Ishii
 

 
 James“Bonzai”Carusoと言えば、ワールドワイドに数多くのヒット曲/名曲の陰で凄腕を発揮してきたプロ中のプロのエンジニアだが、本誌読者のようなレゲエ・ファンにはやはり、ダミアン“Jr.ゴング”マーレーの『Halfway Tree』や『Welcome To Jamrock』、そしてスティーヴン・マーレーの『Mind Control』での確かな仕事ぶりが印象に残っているはず。PUSHIMも前作のアルバム『Sing A Song...Lighter!』のラストを飾った名曲「往来〜sunrise riddim〜」で初めてBonzaiにミックスを任せている。そして今回のシングルでは「SURVIVAL FUTURE」と「My mame is...」のミックスを彼に託した。
 
 マンハッタンの住所が書かれたメモを頼りにタクシーを飛ばして着いたそこは古いオペラ・シアター。そのステージの奥にあるスタジオでドラムの音から一音一音厳しいチェックしていく彼の後ろ姿は正に職人そのものだった。PUSHIMもBonzaiには絶対の信用を寄せているのだろう、リラックスしながら完成を待っていた。そして夜9時半を回った頃、「SURVIVAL FUTURE」が完成。終わったばかりで興奮気味のBonzaiにコメントを求めると「未来について歌ってる最高のチューンだ。ハイパーでエネルギーに溢れてるし、歌詞も心に訴えるものがあると思う。だから僕はこの曲のエネルギーやヴァイブスをキープすることを心掛けたんだ。彼女と仕事をするのは本当に楽しいね。Big Up! Big Up, PUSHIM! 」と熱く語ってくれた。


NG Head / Head Rock

NG Head
Head Rock
 
IInterview by Takashi Futatsugi / Photo by Kobayashi Taxi
 

 一言で言うと“ホンマやばい!”。思わず持ってイカレてしまうくらい強烈にRockしているアルバム『Head Rock』。改めて言うまでもないが、その段違いのスキルと、言葉の斬れ味及び正真正銘のオリジナル・フロウをとくとご賞味あれ!
 
●前作『Head Line』を振り返って一言。
NG Head(以下NG):2年前なんで、95年辺りから05年までのNG Head、いわゆる今までのNG Headが詰まった名刺代わりってヤツですね。このアルバムで何かを掴んだ感はあります。
 
●今作を制作するにあたって一番最初に思い描いたこととは?
NG:まずはタイトルが浮かんで、そこから広げていきました。特にRockをどう表現するか。ステージをロックする/ロックな生き方/ロックなレゲエ……色んなロックを俺風にアレンジして、聴いた瞬間、考えなくても「カッコイイ」とわかるアルバムにしたかった。
 
●既発曲6曲について改めてコメントを。
NG:「Boom」のオケは後発やったんですけど、他に負けないヤツを!と気合いを入れて作りました。「アゲ口」はスタジオ入ってから書いたんですけど、速攻出来た曲。「My Way」は最初ヴァース部分だけやったのを、Sami-Tの“頭にメロディーを”というアイデアで完成したもので、「Dee Jay Style」は唯一のリメイク・トラで、ちょっとオールド感のある昔からの俺を知ってるヤツにはたまらんShit。「Man Get Busy」はHase-T先生と、あーだこーだ言いながらサックリ作ったもので、カジノ891のコンピ用の「Attack」はこういう内容のもたまにはやらんと、て感じで。
 
●新録曲がまたどれも強力ですが、中でもお気に入りは? 特別なフレーズとか…。
NG:全部凄く気に入ってますねー。最近、曲の中にブリッジ的なモノをよく入れるんですけど、「Head Rock」やと、“連れてくぜ、乗っけてどこまでも〜”のとこっスね。「E-Kashitaotode」の歌な感じもそうっスけど、まー、どれも言いたいこと言えてるんでエエ感じやと思います。
 
●「Style & MC」のパート2をやろうと思った理由は? またPVの内容についても。
NG:外す気がしねェー、鉄板っしょ!と。PVではテツヤの良が頑張ってくれて、ルームランナーを何回も走らされて……。山口さん、汗がハンパなかったっス。最後のビール瓶は一発OKでしたが、俺的にはあと2、3回やりたかったかな、というくらいカイカンで。
 
●他のコンビ曲「大阪プライド」、「着火Beat」について。
NG:「大阪プライド」はもうスタジオやかましかった(笑)。ワイワイ言うとったら出来てました。俺の中ではあの曲はシンゴ(西成)君に持ってかれたなぁ、と。そうなって欲しかったスけど。あの“抜け感”たまらんしょ? 「着火Beat」はNorisiamが起用なアーティストで、注文通りの感じ出してくれて。エロ〜い仕上がりでナ〜イス、ってことで。
 
●あとRCサクセションみたいなロック調の“インタールード”も面白かったのですが、レゲエ以外で影響されたアーティストとなると?
NG:高校の時はパンクをよく聴いていましたね。ブルーハーツ、ジュンスカ、あとツレが聴いていたトイ・ドールズも好きで。声がありえへん感じで。あのインタールードは、タイマーズからのインスパイアです。あ、あと、スケートやスノーボードやってた時はオフスプリングとかでアガってましたね。
 
●「ウタイナガラ」は新名曲誕生!という感じですが、自分の中ではどんな感じでしか?
NG:俺の場合、リリックとメロディは同時に出てくるんですよ。この曲もトラックが先にあって、浮かんだ歌詩を思うがまま乗せて、「何を言うか」よりも「どう言うか」……あと、音楽的レヴェルの高いものにもサクっと作りました感が出るように、と意識しましたね。
 
●前作もその一つの証明だったと思いますが、今回も“時間が経っても確実に残るもの”を強く意識して作られた印象ですが…。
NG:正にその通り!! レゲエ界の曲の消化力はハンパなくて、最近の曲もサイクルが早過ぎて、いいものも残りにくい状況です。その中で、シーンに残る曲、日本語のファウンデーション曲もあってええんちゃうの、と。使い捨てのアートなんてない。残るモンを作ってるんです。だからある意味流行らんでもいいんです(笑)。
 
●ここ2年ほどライヴで特に思い出深いエピソードは?
NG:去年の「Highest〜」で、ショウの途中でマイクが出えへんかったこと。アドリブでごまかしたけど正直アセってました(笑)。あとBush Hunterのコンピ2のリリパ(@大阪Club Jule)京都でライヴ終わってから駆けつけることになってて、みんなが引っ張ってくれとったおかげで、最後にJumboとオイシイとこいただきました。
 
●8月リリースの『Combination Works』についても。NG流のコンビ術、その極意とは?
NG:こーれーはーヤバいです。凄い並びになってて、まさに豪華です。極意は、他のジャンルの人とやる時も、それっぽくしようか、とか考えないこと。NG Headを出すのみ。勿論“もしも〜に乗っけたら”はめちゃシミュレーションしてますね。何せ俺はキャラが濃いんで、あんまり前に出たらあかんかな、と思いつつ……めっちゃ出てまいますねー。
 
●今後の予定を。あとシーンを見渡して一言。
NG:King Sizeのイヴェントが盛り上がってるんで、どんどん濃い〜コトやっていきたいっスね。モロモロ、NG Headで検索して下さい。あと野球の方もガンガンやりたいっス(対戦者募集はしてません)。シーンのここ数年の発展は素晴らしいと思うし、アーティスト達の作品を見ても、シーンの衰退する要素は見当らない。その中で、より自分らしい作品をこれからも作っていきたいっスね。濃いのが好きなヤツ、流行りを追っかけるヤツ、みんなでまだまだデッカくなろうぜ! 何年か前、Mighty Crownが「この音楽を日本で一番にする」って言ってたけど、もう時間の問題やな、と。
 
"Head Rock"
NG Head

[Columbia / COCP-34381]
全編NG節全開の最新アルバム。この夏、フェスをロックする曲満載。

 
"Combination Works"
NG Head

[Columbia / COCP-34325]
ジャンルを飛び越えて必要とされる彼がフィーチャリングされた作品集。

 
"Aruz Studio presents ラガ侍"
V.A.

[Geneon / GNCL-1108]
好評シリーズのオープニングにNGは「Zamurai」で参加。本作のみ収録。

Zebraman / MIC Blast from West

Zebraman
MIC Blast from West
 
Interview by Masaaki Okino / Photo by Akira Takata
 

レゲエ・シーンを長年耕し続けてきたヴェテランがこぞってファースト・アルバムをリリースしたり、まだ全国区ではない若手ながら、ネクスト・レヴェルを目指し次々とフレッシュな作品を投下したりと相変わらず西は元気だ。方や東も若手が台頭しだし、作品も続々とリリースされている。今回はこの夏リリースされる東西のアーティスト8人(組)にスポットを当て紹介しよう。まずは西のヴェテランのインタビューから。
 
 ワイルドなDJと繊細なメロディを歌い上げるシンガー、その両方を見事に使い分けるZebraman a.k.a.Traumaの特異な音声多重人格スタイルの集大成といえる1stアルバム『Voice Orchestra』について、じっくり伺ってきた。

●まず、現在の一人二役スタイルはどうやって生まれたの?
Zebraman(以下Z):「Fly The Gate」がヒットしたバイオニック・スティーヴを観て「これや!」と思ったのと、あとタイガーのスタイル。あの人も急に歌ったりするでしょ? そういうのに影響された。昔は情報が少なかったし何回もタイガーとかのヴィデオ見て、先輩から「お前もやれや」って言われて「これやるわ」って。でもまた一週間くらいしたらサンチェス観て「俺シンガーなるわ」って(笑)。そういう自分の軌跡としてこのスタイルが生まれたのかも。当時は皆手探りで想像力だけでレゲエをやっていて、それが面白かった。今は神戸から大阪を観て、追いかけてる感じがあるけど、震災(95年1月17日の阪神・淡路大震災)でかなり格差ができたというのはあると思う。社会的にも震災があったから大阪が発展したといえると思うし。
 
●ヴォイシングにはかなりこだわって作っていますね
Z:ある程度のセオリーにあてはめさえすれば何処でもちゃんと録れると思う。でもやはりいいマイクやマイクプリのあるスタジオで録音しないと。自分のスタジオではプリプロやダブの録りはしてるけど、もっと機材を充実させたい。ヴォーカルだけでなくギター等の楽器や打ち込みも色々試行錯誤して作った。宅録したものを苦労してスタジオ・クオリティに近づけたものもある。
 
●リズム・トラックは全て日本人トラック・メイカーによるもの?
Z:Guiding StarのG-Conquerorのプロダクションでスティクリ(Steely & Clevie)が作ったものもあります。あとはKamishiroさんが制作のものやFly-Tさんのプロダクションの制作です。MoominやCorn Headのアルバムに収録されたものもあります。日本人が作ったものと向こうのミュージシャンに依頼したものでは微妙に違うと思う。僕ら日本人はレゲエを聴いて作っているけど、ジャマイカンの生まれた時からある音楽に感じる、聴こえている部分の違いとうか。でも向こうのエンジアも(日本人が制作したリズム)を「Badだ!」と言うてますね。
 
●今回設立したHot Jam Recordsについて聞かせてください。
Z:まだプロデュースというほどではないけど、自分だけじゃなくて神戸やジャマイカのアーティストの作品も出していきたい。「Don't Worry」でフィーチャーしたWonggyはJamdung(Zebramanがオーナーである神戸のレゲエ・クラブ)で育ったアーティストやしPrecious Stoneもいいサウンド。本気やし面白いね。
 
 このアルバムは一人でオムニバスを作った気分、そう聴こえたらしめたもんやなと。マキシとかミニ・アルバムで様子を見るなんてことしないで満載で。豪快なやり方が好きやから。時間はかかったけど、いい感じで周りの仲間と一緒に作り上げる事が出来た。インスタントなものではなく腐らない、長く聴くことの出来る作品をいかに楽しんで作るかですね。一言でいうなら「ハートフル」。ワイルドな熱いハートで!
 
「Voice Orchestra」
Zebraman a.k.a. Torauma

[Hot Jam / HJCD-1001]

Little Chibi / MIC Blast from West

Little Chibi
MIC Blast from West
 
Interview by Masaaki Okino
 

レゲエ・シーンを長年耕し続けてきたヴェテランがこぞってファースト・アルバムをリリースしたり、まだ全国区ではない若手ながら、ネクスト・レヴェルを目指し次々とフレッシュな作品を投下したりと相変わらず西は元気だ。方や東も若手が台頭しだし、作品も続々とリリースされている。今回はこの夏リリースされる東西のアーティスト8人(組)にスポットを当て紹介しよう。まずは西のヴェテランのインタビューから。
 
 Rebel Music Campでの活動を経て、リトル・チビがヴォリューム満載のアルバム『Irie & Smile』をついにリリースした。シバ・ヤンキーやマチャコ、旧友チャッキー・トクらが参加したこの作品は、彼の近年の軌跡とも言える力作である。

●まずはRebel Music Camp以降の動きについて聞かせて下さい。
Little Chibi(以下C):Rebel Music Campでの活動から4年、V.I.P『Dazzlin' Gold』やCasino 891『Natural Woman』といったコンピに参加したり、Dragon FarmなどのMix CDにダブが収録されてましたが、関西だけでなく日本各地のダンスに出演し、現場での活動はずっと続けています。
 
●アルバムを出すきっかけは?
C:きっかけというよりも、以前からアルバムは作りたかったのですが、現在までの活動の中で生まれた人間関係やタイミングが良い方向に動き出した事もあって、これまでリリースされた曲を録り直したり、新しく曲を作っていく内に少しずつ具体的にアルバムへの道が開けた感じです。思った以上に時間はかかりましたが。
 
●ミックスはジャマイカで、RoofやX-Ratedレーベルで知られるWorld-A-MuzikスタジオのBarry O'Hareが全曲手掛けていますが、これはどういった経緯で?
C:彼はこれまでにRoofやGrove Musicというレーベルからもいい作品を出していて、バーニング・スピアのアルバムを手掛けたり、最近ではシャギーのワールド・ツアーにも専属エンジニアとして参加していたのですが、今回ジャマイカでミックスする事になり、Rebel Music Campで一緒に活動したMi-Iくんの協力でコンタクトを取る事が出来ました。最近の日本のアーティストの作品では、ジャマイカのエンジニアにミックスをしてもらう事は一般的になりつつありますが、今、シーンで依頼が集中しているエンジニアに頼むよりもちょっとタイプの違うオリジナルな作品を多くリリースしているBarry O'Hareに任せた事で独特の重厚なレゲエ・サウンドになったと思っています。
 
●Jah Masonが参加した「月明かり」はすごい迫力ですね。
C:以前日本に来た時にサポート出演したのがきっかけで知り合い、今回、自分のスタジオで彼のパートを録音しました。また、Jah Masonだけでなくコーラスを入れてくれたマチャコや国内のアーティストの参加でいろんな雰囲気の楽曲が仕上がりました。
 
●神戸でDJキャリアをスタートする以前、クリリン(Rock Desire)やダメGらとはスケートボードを通じて知り合いレゲエを聴くようになったそうですが、スケートとレゲエの共通点とは?
C:かなり古い話やね(笑)。でもあえて言うとしたら、どちらも自分のオリジナル・スタイルをクリエイトしていく事が一番重要で、なおかつ一番難しい、という事かな。そういう面ではDJ(レゲエ)とスケートは共通していると思う。
 
●このアルバムでリトル・チビが伝えたい事は?
C:「普通な感じ」かな(笑)。無理しない自然なスタンスをキープして、アルバムのタイトル曲「Irie & Smile」のように子どもにも判りやすいフレーズを使ったり、広い意味でのメッセージを伝えて行きたいです。そしてこのアルバムは「流れ星」という曲にもあるようにレゲエに人生を変えられた人同士の繋がりによって完成した作品です。
 
「Irie & Smile」
Little Chibi

[Broccoli / OBR-003]

Vader, Arm Strong, Dinosaur, 55Level / MIC Blast from West

Vader, Arm Strong, Dinosaur, 55Level
MIC Blast from West
 
Text by Takashi Futatugi
 
続いて、独自のアプローチでレゲエ道を突き進んでいる西の若武者たち、Vader、Arm Strong、Dinosaur、55Levelの4組がそれぞれ個性豊かな作品をリリースしたので、ひとつひとつ紹介していこう。
 
 まずは“若手の番人”Vaderの2ndフル・アルバムから。アート・ワークからも伝わってくる通り、テーマは“バサラ”。つまり、戦国時代を生き抜く“ラガ侍”として、ストイックなまでに“レゲエ道”を説いたVanderらしいチューンが中心となり、そこにKenty Grossとの大食漢アンセム「炊飯器」等がスパイスとして加わった印象(他のゲストはPeter Man、Silver King、Ken-U)。声にも言葉にもフロウにも説得力が増し、理想的な進化を遂げている事は過去の録音作と比較してみればよく判る。大阪シーンの屋台骨の一つ、Aruz Stu-dioのZuraの幅のあるリディムも“主役”のストレートな魅力=男気を上手く引き出している。同研究所発のコンピ『ラガ侍』共々、“必聴”である。

「Vノ字斬り」
Vader

[Aruz / GNCL-1134]


 “言葉の伝わり易さ”でも群を抜く存在である、泉州出身の豪腕DeeJay=Arm Strong。待望の1stミニ・アルバムは“Blazing Dog”からのリリース。お馴染みの「始まりの合図」のイントロから始まる全7曲は、“カエルスタジオ”や“Aruz”、“Gifted Childs”での既発を含みつつも、イキのいいブラン・ニューでガッチリ引き付ける、タイトルそのもののヴァブス満タンの一枚となっている。軽快に韻を踏みながらガッチリ温度を上げていく「MIC Jacker」、「Gattenだ!!」に、“俺は大阪一の呑んだくれ”とうたう和テイストの「のんだくれ」を聴く限り、絶好調そのもの。合い言葉は勿論「ヤーマン」だ。

 
「Strong Vibes」
Arm Strong

[Blazing Dog / BACD-1001]

 
 2007年、7月7日発売、税込1,777円、全7曲入り、そのゲンの担ぎ方も徹底しているDinosaur。“ラバダブ一人旅”を経て更に男のレヴェルを上げた(?)彼のこの“ドクプロ”からの記念すべき初ソロ作は、7曲全てがコンビ物で絡んでいる連中も曲者ばかり(良い声女性シンガー=Cheeを除く)。中でもHibikillaとの「空耳☆ラガー」は腹筋がかなり危険…(焼サンマに〜というフレーズが特に)。芸人気質の根っからの喋り屋、という感じの彼は一人でも充分過ぎるほど“ヤバい”のだが、本作にはそんなツッコミにも対応できるように(?)、ボーナスとしてソロ曲も4トラック混じっていたりする。と言う事は全11曲入りって事? そんなサービス精神旺盛さも彼の魅力。買゛おー。

 
「Baddis Combination まぜるなキケン」
Dinosaur

[Dr.Production / DRCD-010]


 ラストはこれまたいいタイミングでの登場となるナニワのミラクル5人衆=55Level(Mongo、Hi-Bread、Express、Zove King、Stereon)。これまでにも、現場だけでなくコンピやダブ・ミックス等の作品と、フット・ワークの良さを生かした活動で売ってきた彼らだけに、この初アルバムも満を持しての力作に仕上がっている。トラック・メイカーはビッグ・バーチ、セラーニにTakafin。ソロにコンビに、と様々なフォーメーションで攻めまくる“イキの良さ”を重視した真空パック的なまとめ方も彼らに似合っていると思う(緑化系ビッグ・チューン「Kansha」もココで聴ける!)。大ラスにRodem Cycloneによるミックスを配置する、というアイデアもナイスでしょう。

 
「Take You High Mission No.55」
55Level

[55Level / 55L-003]
 

About 2007年7月

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