HOME > 281 > Ruffn' Tuff vol.1

topics

281    ARTISTS    RUFFN' TUFF

Ruffn' Tuff
  
Interview by Riddim / Photo by Masataka Ishida
 

『Ruffn' Tuff(ラフン・タフ)』というジャマイカ音楽のドキュメント映画をECが作っている。どんな内容なのか? 「内容が無いよ!」なんてオヤジギャグをかまされそうな気もするが、ここは取りあえず勝手にしゃべらせてみよう。ジャマイカにヤラレて26年、もはや再起不能ですから、ここはひとつ大目に見てやって下さい。
 
●なぜ映画を作ろうなんて思ったんですか? きっかけはあるんですか?
EC:なぜ? う~ん、それはず~っと漠然と思っていた事だね。80年代終わりから色んなジャマイカ人と飯を食って、レコーディングしてきて、ジャマイカの音楽のパワーの源について興味を持った結果だね。それとSkaやロック・ステディを誰がクリエイトしたのかをずっと色んな人に尋ねてきて、自分なりにまとめておきたいというのがどっかにあったかもね。だって、「Skaはオレが作った」とか、「ギターから生まれた」とか言ってる人がいたしね。例えばずっと前にフルトン(ブルックリンのコクソン・ドッドの店のある所)でコクソンに訊いたら「オレだ」って言ってたしね(笑)。トミー・マクックにスカタライツの名前の由来を訊いたら「Skaが流行っていたからSkaと当時一番の話題だった人工衛星(サテライト)に因んでつけた」って言ってたから、Skaを作ったのはスカタライツじゃないってのは知ってた。Skaを流行らせた重要なグループではあるけどね。
 
●それだけ?
EC:いや実は違う。3年位前に行ったキングストンでグラディ(グラッドストン・アンダーソン)にヴィデオ・インタヴューしたんだ。そしたら彼が「2年前に大病して、もう思い出せないよ、勘弁して」って、翌日、自分が昔ラジオ番組に出演してジャマイカのヴィンテージ・ミュージックについて語っているCD-Rを持ってきたんだ。そうか、みんな忘れちゃうな、死んじゃうなってマジで思った。そうしたらコクソン、オーガスタス・パブロ、ローランド・アルフォンソ、トミー・マクック、デニス・ブラウン、デルロイ・ウイルソン…どんどん亡くなってると。これだけ楽しませてもらってるジャマイカの音楽の起源について誰かナマの話を訊いておいてくれ、もうみんなヤバいぞってね。勿論、ジャマイカ人がやるのが一番いいし、ダメでもイギリス人かなって思ってたんだ。そんな事がずっと頭の中にひっかかってる時に今回のプロデューサーの(今井)ミミちゃんにGary Panterの来日パーティ(BAPEギャラリー)で10年ぶりに会って話したら、マジでプロジェクトをスタートさせてくれた。
 
●ジャマイカで撮影したんだから苦労もあったでしょう?
EC:何にもないね。編集も撮影もアルティコの上山君と松田君がやってくれたし、近衛さんていうキャリアのある人も同行してくれたし、NYからソニー(落合)が来たり。写真は石田昌隆さんだし、スタッフは完璧でしょ? しかもホントのドキュメント。撮影する予定は前日の夜に決めるか、朝決めてた。予定したってその通りに行かないのがジャマイカだから、フラストレーションが溜まらないのは、予定しないで幾つかのアイディアを頭に置いといて「今からこいつの所に行きます」って、オレは運転手やってた。
 
●でも、予定が狂うじゃないですか、あの国は。時間が全く止まっちゃう時があるっていうか日本とは違うサイクルで物事が進行する事が…。
EC:だから雨が降ったら雨を撮りに、予定が吹っ飛んだらロケハンかプールか飯って調子。
 
●それじゃいつまで経っても終わらないですよね?
EC:ところがどっこい、イギリスにいるはずのアルトン・エリスもプリンス・バスターもキングストンにいたんだよ。以前はカリフォルニアに住んでたストレンジャー・コールとU-ロイも。マイアミからはボブ・アンディも。向こうからこのプロジェクトのために近よって来てくれていたな(笑)。頼んだって無理な人達だよ。スタッフもひっくるめてこういう千載一遇の出会いがあってこそいい仕事ができるわけだね。すげえだろう。先日U-ロイが来日したけど、その時にこのヴィデオを観せたの。そしたらすっごく喜んでくれた。
 
●Blood & Fireのスティーヴ・バロウも一緒に来てましたが。
EC:ハハ、それだよ。彼もその時ちょこっと観ただけで「イギリスでは公開しないのか、ヨーロッパは?」って。特に動いてるキング・タビーの映像にはぶっ飛んでたね。だってその直前にキング・タビーの事をインタビューされてて、その後でオレのヴィデオでキング・タビーを観たんだからな。ヤバかったんじゃない? U-ロイもタビーが死んで以来、初めて彼を観たって言ってたし。
 
●しつこいですが、ホントは何か苦労があったんじゃない?
EC:そう、実はね、音源が使えないってのが一番辛かったね。その当時の音源を使おうとしたらすごい金額を言われたり、某イギリスの有名レーベルは噂通りメチャクチャいい加減だった。このレーベルの事はスティーヴ(・バロウ)も「モラルがない、仕事をしたけど反省してる」と言ってたな。アーティストに金が払われないんだったら、この映画の精神にも反すると思ってオリジナル・アーティストに再録してもらった。再録した方が金を払えるって事でU-ロイ、ストレンジャー・コール、グラディ、(スカタライツの)ジョニー・ムーアとはレコーディングした。一人でカナダまでリン・テイトのインタビューがてらレコーディングにも行ったよ。良かったね。たった数十秒のために1週間かけてカナダまで行った甲斐があったね。だってロック・ステディが生まれた秘密が分かったんだから。ついでにエンディングの曲もオリジナルでちょろっと作曲してもらった。いやもう、やりたい放題です。Randysのクライヴ・チンなんてホント気持ち良く曲を貸してくれたし、メッセージまでくれた。
 
● こんな所をチェックして欲しいなんてのは?
EC:日本からはキーボード、ギター、ターンテーブルなどたくさんの楽器を輸出している。でも、音楽というソフトはなぜか輸出できてない。デカく言えばオリジナリティやハミ出し者を許容できないのに、ちょっと変な小泉には80%の支持率があって狂ったようにポスターにサインを求める大衆がいたよね? 今の日本の右へならえ的な気分がイヤだから、そんなとこまで考えてくれたら嬉しいかな。音楽だってワールド・カップのNHKのテーマ・ミュージックなんてガッカリしたよ、オレは。それに比べて地球の反対側のオレ達の国までドルを稼ぎに来れる音楽を作ってるジャマイカ人のオリジナリティには頭が下がりますよ。バカはこんな映画を作っちゃうしね。
 
●制作していて特に注意した点はありましたか?
EC:今さら監督とか映像作家になりたいわけじゃないから2作は作んない。でも、昔は、少しは映像の仕事もやってたから実はすごく細かい奴なんだけど、今回はどうでもいいの、細かいとこは。でも、音楽の出だしとか、言ってる事には注意した。それとできるだけ観光客にならない、だからオレは観光映画は作れない。ただの好き者の視点で作った点かな。しょせん日本人なんだけど、20年も通い続けてるんだからただの観光客じゃねえぞ! ジャマイカ人よ、お前らより知ってる事もあるんだぞ!ってとこだね。 (次号に続く)

top
top
magazine

magazine

magazine

magazine

magazine

magazine

columns

GO BACK

ISLAND EXPRESS
UK REPORT
WHAT THE DEAL IS
PLAY IT LOUD
RECORDS & TAPES
RAW SINGLES
CHART
RING RINg RING
BOOM BAP
Day In Da West

columns
columns

columns
columns
columns
columns
page up!
Riddim Nation

"Riddim"がディレクションする
レゲエ番組「Riddim Nation
第19配信中!

Go RiddimNation!

nation