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Beenie Man
The Undisputed Leader
 
Interview by Minako Ikeshiro
 

ジャマイカの今年の夏男は、ビーニ・マンだ。公私共に話題をたっぷりと振りまき、注目を集めまくり。6月のインタヴューでもボクシング・グローヴを肩に掛けて意気込みながら、婚約の話題になると途端にのろけモードになった。新作『Undistputed』はキングの「いろんな気分」が詰まった会心作。
 
全くもって、ビーニ王の身辺が騒がしい。最新作のリリースを前に婚約を発表、フィアンセがバウンティ・キラーの元カノだったことから「またかい!」のケンカが再燃。8月3日〜6日までに行われた、9年ぶりのレゲエ・サンスプラッシュでは、直前のリハーサルでバックを務めるラフ・カットと衝突した同日に、ショッキングス・ヴァイブスの右腕、パトリック・ロバーツを首にする、と発表。サンスプ3日目の記者会見では、「ビーニ・マン、ドタキャンか!?」との噂を主催者側が必死で取り消す一幕も。当夜(正確には、翌朝)、キングは何食わぬ顔で登場し、ブジュ・バントンのバンドとにわかに組んで、あっさり「サンスプを最も盛り上げたアーティスト」のヘッドラインとブジュと分け合った。
 
 一見、やりたい放題だが、実はビーニなりの理由があって、6月のインタヴュー時に「パトリックは最近、音楽を放ったかしにして政治とサッカーで頭がいっぱいで、会社の方向がおかしくなっている」と発言していたし、リハーサルの件はビーニのディス・ソングがあるトゥインズ・オブ・トゥインズとやっていたのが気に入らなかったらしい。「俺は目立つから、必要以上に叩かれるのはしょうがない」とキング。サンスプのステージ裏では超ご機嫌で、「バースデー・バッシュに来るんなら、その前の結婚式にも出席していいぞ!」。ハハァ〜。
 
 波瀾万丈、自信満々のビーニ王による最新作は、エイコンやスコット・ストーチの参加など「メジャー系」の仕掛けもあるが、本誌読者的は頭の“Dangerous”でのコンロス・スミス使いや、“Set You Free”での2006年ぽいミニマムなトラックに乗せた、超懐かしいアーリー・ナインティーズなDJにトバされるはず。キングってば、引き出し多過ぎ。「昔からのファンにだけ通じる、懐かしい雰囲気も取れ入れたんだ。これは、“Many Moods Of Moses”とも言える作品だから」。「97年の名作アルバムの続編なんですか?」と返したら、満面の笑みで「そのとーり!」。既発曲は、「“Come Again”と“Chaka Dance”と“アータタ”」。え、何が痛いって? あ、“Heart Attack”か。ファイアーリンクス "Global" リディム使いのこの曲や、「若手では一番腕を買っている」と言うドン・コルレオーニのヒット・リディム2曲を採用しつつ、エクスクルーシヴ曲では怒濤のDJスタイル百面相を見せる。そのすべてで肩に力を入れずに、自然体でやっているのが王者の貫禄。「ニューダンス・ブームはしばらく終わらないから、そのための曲も作った」と言いつつ、「あの流行は30才以上にはちょっとキツイですよ」と打ち明けたら、「実は、俺もちょっと飽きている」と笑う。
 
そのブームを一緒に引っ張った、ダンサーのジョン・ハイプについて、「奴とはもう組んでない。12月に8つショウがあって、奴は全部すっぽかしたんだ」とコメントした。新譜で残念だった点は「R・ケリーと作った曲を収録できなかったこと。向こうのレコード会社が許可してくれなかったんだ」と言うが、大物の名前があれば何でもいいというわけでもない。去年の時点では参加リストに挙がっていたワイクリフ・ジョンについては、「ワイクリフは今、音楽以外の活動で忙しいんだ。彼ならアーティストとしても参加して欲しいから、トラックだけ送ってくるなら別に要らない。プロデューサーからはアイディアをもらうだけだけど、アーティスト同士は一緒にヴァイブを共有できるからね」。
 
身を固めるだけでなく、キャリア的にもひと区切りつけて、次を狙っている感がある今のビーニ・マンである。「俺が社長だから、ショッキングス・ヴァイブスは辞めようがないけど、次に育てたいのは新しいレーベルのマフィア・ハウスと、そこに属しているディエンジェルとドン・マフィアだね。二人ともいいアーティストだし、アメリカでの配給もコッチに決まっているから、結構デカく展開できると思う」。あちこちとケンカするけれど、後腐れもないのがビーニの特徴である。
 
昨年、リリックのキワどさを理由に干されたサンフェスに「2度と出演しない」と記者会見で発言したのに、今年はちゃんと出てきっちり盛り上げた。そこを突っ込んだら、「ファンのために出るんだ。年に一回、サンフェスだけを見に来る海外のファンから、メールで“何で出ないんですか?”と訴えられたら、出演しないわけにはいかないだろ」と涼しい顔。「俺は大物過ぎるから、DJクラッシュはしない」と言いながら、「サウンドも持っているんだぜ。Mighty Crownに相手になってもいいぞ、って言っておけ」といたずらっぽく笑う。思慮深くてワガママ、ビッグ・マンでいたずらっ子。ローカルの現場を押さえつつ、インターナショナルなビジネス展開のネクスト・レベルを示すキング。多彩多面な音楽性を描きつつ、現時点での決定打を一枚にまとめたのが『Undistputed』である。レゲエ・ファンなら、マスト・チェックだ。
  
『Undisputed』
Beenie Man

[東芝EMI / TOCP-66596]

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