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Unmissable Story extra pieces from Ruffn' Tuff vol.1
Scully

 
Interview by Tadahiro Konoe / Translated by Mizuho Takahashi / Photo by Masataka Ishida
 

映画『Ruffn' Tuff』が話題だが、この映画のために取材した数十時間のテープはインタビュー集として書籍化されている。しかしその書籍からもページ数の制限でもれてしまった人達や発言を採録して本誌で連載する。先ずはECが'80年代末にシンガーとしてレコーディングしたこともある盲目のパーカッショニスト、スカリーだ。
 
俺達、スカリー&バニーの最初のレコーディングは53年だ。あの頃、ジャマイカでデモを作れるスタジオは(1)スタンレー・モッタが持っていたスタジオしかなかったな。(2)ケン・クォーリのスタジオは未だなかったね。最初のレコーディングのプロデューサーは(3)ボブ・アトゥーリというインド人。彼はスパニッシュ・タウン・ロード一帯の地主でね。当時、チボリ・シアターからスパニッシュ・タウン・ロード沿いの土地は全部、彼が持ってたんだ。アトゥーリがスパニッシュ・タウン・ロード側の部分をぐるっと塀で囲んだ。今はそこが(4)チボリ・ガーデンになってるよ。
 
 53年がどういう時代だったかというと、ラジオは(5)ZQIしかなかった。クラシックとか差しさわりのない音楽やニュースを流してたね。そのZQIが後でRJRになるんだ。(6)サウンドシステムは既に盛んで、俺たちもよく出かけたよ。俺たちが先鞭をつけるようになるまでは、アメリカのレコードがかかっていたけれど。あの頃のダンスは良かったねぇ。ジャマイカは平和だった。どこのダンスに行っても歩いて帰ってこられたから。楽しかったねぇ。夜道で唯一怖かったのは犬と石だ。道路が暗いだろう? 躓くと足に怪我をするから、俺は石が本当に怖かったよ。
 
 俺が一番、影響を受けたプロデューサーはコクソン・ドッドとデューク・リードだな。当時はプロデューサーと言えばあの二人だった。二人とも元々はサウンドシステムのオーナーだが、彼らのように自分でレコードをプロデュースしていた人はほんのわずかしかいなかったからね。他には誰だろう。ええと、キング・エドワーズもそうだ。サウンドシステムのオーナー達はちょっとしたレコードのプロデュースをやってはいたけれど、大手はやはりコクソンだ。なんたって彼は自分の作ったレコードを持ってイギリスに行った最初のプロデューサーだからな。デューク・リードがそれに続いた。
 
 ジャマイカの音楽は最初にロンドンで広まった。向こうではそれが(7)ブルービートと呼ばれた。それがスカになって、ロックステディになり、最後にレゲエになった。それが今や地球全部を覆いつつあるよ。どの国にもレゲエを演奏したり歌ったりする連中がいる。なぜって、レゲエが素敵で、本物で、一番いい音楽だからさ。特にロックステディはリラックスする音楽だ。なによりも、ロックステディはロマンティックな音楽だよ。
 
 
【解 説】

(1)→1940年代半ばにハーバー・ストリートにスタンレー・モッタが開いた家電店の一角に小さなスタジオ・コーナーがあった。このスタジオは1930年代頃からイギリスの駅などでよくみられた、誰でも簡単にSP盤が作れる簡易スタジオで、出来合いのトラックにボーカルを重ね、直接盤に刻み付けるというスタイルのもの。モッタのスタジオではカリプソやメントの作品が多くレコーディングされた。モッタはその後スタジオ運営からは撤退したが、家電店のほうは拡張を続け、現在は島内全域に支店を持つ一大家電チェーンとなっている。

(2)→1949年に中古のレコーディング機材を買い、キング・ストリートにあった自身が経営する家具店脇にスタジオを設置。その後、セント・アンドリューのナイトクラブに一時期移転するが、再びダウンタウンに戻り、同時に「Times Record」レーベルを興す。クォーリはRecords Limitedという会社名で米マーキュリー、RCAの流通業務も行っていたが、それらで得た利益を機材に投資し、レコード・プレスの設備を導入。その後、弟のリチャードと共に貸しスタジオ、レーベル、プレス工場を一体化させたFederal Recording Limitedを始める。50年代半ばから60年代初めにかけて、このクォーリのビジネスの恩恵を最も受けたのは、クリス・ブラックウェルやエドワード・シアガのように資金が潤沢で英米に自由に行き来できるプロデューサーではなく、コクソンやプリンス・バスター、あるいはデュークのようなプロデューサーだったと言われている。彼らはクォーリのスタジオとプレス工場を活用して自らの土台を作った。

(3)→ダダ・アトゥーリとも呼ばれる。Caribouレーベルのオーナー。ロード・タナモやローレル・エイトキンスらのリリースもある。

(4)→チボリ・ガーデン近辺は有名なゲットー。現在はスウォッチ・インターナショナル主宰のパサ・パサで有名な地区。

(5)→1930年代に放送開始。BBCの放送を島内に流していたが、放送時間は当初、朝から夕刻までだった。

(6)→50年代前半にキングストンで人気があったセットは、Tom the Great Sebastian's, V Rocket, King Edwards, Sir Nick, Nation, Admiral Cosmic, Lord Koos, Kelly's, Bucklesなど。中でもTom the Great Sebastian'sは他のセットよりも遥かに多いスピーカーと高性能のアンプを有していたため「house of joy」と呼ばれていた。万人受けする音楽を重視したラジオとは異なり、当時のダンスでは激しいR&B、ラテン・ジャズ、地元産のメント、メレンゲなどが積極的にプレイされていた。

(7)→1960年、Starlightレーベルからローレル・エイトキンの「Boogie in my bones」がUKでライセンス・リリースされたのに続き、Melodiscのエミル・シャリットが同じくローレル・エイトキンの「Lonesome lover」をロンドンで録音しリリースした。エミル・シャリットは1946年にMelodiscを創設。ジャズ、ブルーズ、R&Bのレコードをライセンス販売していたが、「Lonesome lover」の好セールスにジャマイカン・ブギーの波が襲来したことを感知する。Melodiscの系列レーベルとしてBlue Beatを同年八月に立ち上げ、その第一号シングルとしてローレル・エイトキンの「Boogie Rock」(ロンドン制作)をリリース。同年中に合計24枚のシングルを制作した。以後、1965年までに300枚以上の作品をリリースし、Dice Limbo, Duke, Chek, Rainbow, Fabなどの系列レーベルを立ち上げた。Blue Beatに音源を提供したジャマイカの代表的なプロデューサーはコクソン、デューク・リード、エドワード・シアガ、デリック・ハリオット、ケン・クォーリ、SLスミスなど。その影響力は大きく、このレーベル名はジャマイカン・ブギー〜スカ〜ロックステディ期に至るまで、UKではジャマイカ音楽の同義語として用いられた。
★Blue Beatより1960年中にリリースされた主なシングル★
Jiving Junior「Lollipop Girls」, Higgs & Wilson「Manny Oh」, Keith & Enid「Worried over you」, Mello Larks「Time to pray」, Theophilus Beckford「Easy snappin'」, The Duke Reid Group「What makes honey」「The Joker」「Duke's Cookies」
 
 
■DVD
「Ruffn' Tuff 〜 Founders of The Immortal Riddim」DVD
監督:石井 "EC" 志津男
[Dex Entertainment / DXDS-0064]


  
■CD
「Ruffn' Tuff 〜 Founders of The Immortal Riddim」
O.S.T.

[Overheat / OVE-0100]
¥2,625(tax in)カリプソ、スカ、レゲエなど全16曲のベスト・セレクション。

 
■BOOK
「Ruffn' Tuff:ジャマイカン・ミュージックの創造者たち」
監修:石井“EC”志津男
A5判/192ページ

リットーミュージック¥1,890(tax in)

出演者の中から13名のインタヴュー+石井、石田、落合のエッセイ集。

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