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Review by TAKASHI FUTATSUGI
 
ALBUM
 
1. Jay-Z / Kingdom Come (Def Jam)
遂にこの日が来た。世界8番目の奇跡ことジェイ・Zがアルバム・アーティストとして完全復活。通算9作目の今作は初の試みとして、信頼するDr.ドレーに、何と全曲のミックス・ダウンを任せ、『The Black Album』とも『The Blueprint』とも違ったテイストの世界観を広げる事に成功。制作陣はジャスト・ブレイズ、カニエ、ネプチューンズ、ドレーにDJカリル、B・マネー、サイエンスの7組で、ゲストはアッシャー、ビヨンセ、ジョン・レジェンド、Ne-Yoらシンガーのみ。「The Lost Ones」で袂を分かった人達(デイモン・ダッシュ、ビヨンセら)についても言及。言わずもがな年末最大の話題盤。
 
2. The Game / Doctor's Advocate (Universal)
50セントらGユニットとは完全決別した西の英雄の2nd。しかしながらアフターマス代表のDr.ドレーとの師弟関係は不滅のよう。そうした彼を取り巻く環境が今作ではプラスに作用している。ウェッサイ云々のポイント(スヌープ、ドッグ・パウンドも参加)でも前作以上に濃い訳だし、カニエやウィル・アイ・アムらとのセッションも意義深い物に。50セントが聞いたら間違いなく怒るだろう(もう関係ないか)、ナズとのコラボも本人が望んでいただけあるタイトさだ。期待&前作以上の大充実作。やはりこの男はやってくれる!
 
3. Fat Joe / Me Myself & I (Virgin)
「このアルバムはいかにもファット・ジョーらしいガター・ヒップホップだぜ。コマーシャルな曲を作るのも大好きだけど、今回は今の自分の想いだけを伝えたかったんだ。ストリートに引き戻してやるぜ!」。アトランティックを離れ、自身のテラー・スクワッド・エンターテインメントからのリスタートを切った(配給はEMI)このビッグ・マンは先の発言にもある通り、直球のブッといチューンだけでこのソロ通算7作目をまとめ上げた。ザ・ゲームとの反50セント軍による「Breathe And Shop」(ボブ・マーリィ「War」ネタ)や相性の良いリル・ウェインとの2曲他、かなりハードコアな力作。
 
4. Ying Yang Twins / Chemically Imbalanced (Victor)
ここ数年ヒップホップづいているTVTより、ピットブルに続いてATLの陰陽偽双子の5作目の新作も登場。前回は第3のメンバーにして後見人のMr.コリパーク発案による“囁きラップ&サイン・ベース”の「Wait」が話題を呼んだが、今作ではワイクリフ&ジェリー・ワンダーが共同制作したトラックが5曲あり(シングル曲「Dangerous」を含む)、新機軸もしっかり用意されている。リリカル・コンテンツもストリップ丸出しの尻フリ物ばかりだけでなく幅も出てきた。次はリル・ジョンの『Crunk Rock』か?
 
5. Muro / Tokyo Tribe 2 (Toy's Factory)
Muroプロデュース・アルバムの最新盤がこの井上三太『Tokyo Tribe 2』アニメ版のサウンド・トラック。実際そのアニメ(wowwowにて放映中)の為に数十曲分インスト・トラックを提供したMuroだが、本作はある意味独立したアルバムとしても楽しめる日米オールスター・キャスト(しかも濃い面子)による完全なラップ・アルバムとなっている。キング・ジャスト・ブレイズ、キング・アルケミスト、といった謎の(?)プロデューサー・ユニットの正体を知りたければ、とにかく手に取るしかないというもの。同時発売でインクレディブル以降のソロ・ワークスをまとめたCD+DVDパッケージ2集も出た。
 
6. D.L / The Album (Admonitions) (Ki/oon)
その『Tokyo Tribe 2』のテーマ曲でIllmatic Buddha MC'sをリユニオンさせているDev LargeことD.Lの待ちわびたソロ。タイトルからも想起させられる様に感覚的にはリーダー・アルバムの様相を呈している。勿論ソウルフルなサウンド・プロダクションは全て彼の手によるものだしキャスティングも同じくなのだろう。自身の登場方法も様々で、一曲ずつスリリングに展開されるその流れにも圧倒。集大成とは容易に呼びたくないが、これが彼の表現力の一つの到達点であり、通過点である事は間違いない。
 
7. KM-Markit / Mark Out (Pony Canyon)
U.B.GのKM-Markitの約1年半振りとなる2nd。日本初のスノボ・ドキュメンタリー・ムーヴィ『bd』の主題歌「Get Low」を始め、同じバイリンガル・スタイルのVerbalや加藤ミリヤ、Full Of Harmonyに、東西注目株Simonと4WD、Sphere Of Influence & Jamosa、そしてZeebraとコラボ曲も絶妙に配置され、このヴィヴィッドなスタイルの二枚目ラッパーの個性もより引き立つ作りになっている。ビート・プロダクションも面白いが、そこにも主役のセンスが投影されているようで興味深い。
 
8. Swanky Swipe / Bunks Marmared (P-Vine)
Scarsのアルバムがハードコア・ラップ・ファンの間でジワリジワリと浸透しつつある中、その中核を担う一人=BESのグループ、Swanky Swipeの初アルバムが絶好のタイミングで到着。紙資料には「今一番ヤバイいラッパーは誰?という話になると、誰もがその一人に名を上げる存在=BES」という意のパンチラインがあるが、それが大袈裟でも何でもない事は本作を聴けば分かるだろう。メンバーのEishinやBach Logic、I-DeA(例の曲だ!)らトラックメイカー陣も“らしい音”を提供し、トータルとして完成度の高い作品に仕上がった。それにしてもBESは凄い。言葉がキレまくってる。
 
9. DS455+Big Ron / Wintertime Wit' Tha D.S.C.-White Nite- (Universal J)
『Summer Time In The D.S.C』に続く、ベイ・ブルース発のレーベル・ショウケース的コンピ第2弾。季節感の強い曲を作るのが上手いDSならではの表題曲は、横須賀の大型シンガーBig Ronをfeat.したモノで、その他にもそのBig Ronのソロ曲や、DSと仙台代表L.G.Y(アルバムも発表済)とのコラボ曲、Big RonとGhetto IncのRicheeの曲や、DS単独のパーティ・チューンに、A☆Zackのトーク・ボックスがリードを取った名曲「We Keep On Rollin」の新編等、“見せ方”を心得た構成となっている。
 
10. Ballers / The Special Ball Chapter 2 "I.C.E.B.E.R.G. Step Party" (Bigg Mac)
名古屋リアル・ヒップホップ・ムーヴメントの中心的存在となるクルー=Ballers。今年もM.O.S.A.Dの "E"qual、Akiraにトラック・チームのGrand Beatzや、その一員のDJRyowらがアルバムをリリースし気を吐いていたが、このBallers名義での3部作はこの怒濤の06年を締め括るに相応しい一大プロジェクトとなっている。“スウィート”という隠れテーマもある今作(第2章)にはお馴染み尾張名古屋の導き星=Guiding StarのG-Conquerorも参加。続報を待とう。
 
SINGLE
  
11. Zeebra / Stop Playin' A Wall (Pony Canyon)
地上波で夢のヒップホップ番組『シュガーヒル・ストリート』をスタートさせたばかりのZeebraのニュー・シングル。前作『The New Begining』で起用した日本在住の黒人ビート職人=Focisがトラックを提供した表題曲はフロウも新しい、日本人的な感覚とは程遠い(?)かなり斬新なフロア・チューンとなっている。この辺りの狙いが明らかな点も実に彼らしい。Inovaderとの「雲の上のHeaven」、D-Originuとの(TVCFでも話題を呼んだ世界バスケのテーマ曲)というカップリング曲もポイント高し。
   
12. Kemuri Productions / Kemuri Productions (Kemuri Productions)
DJ Yas、DJ Kensei、刃頭、DJ HideからなるKemuri Productionsが、同名義での唯一のアルバム(ブレイクビーツ集)『Beats Of Incense』をリリースしたのは97年の事。あれから9年の時を経てリリースされるこの久々の音源(ディズニーのリミックスもあったが…)は、5曲のイマジネイティヴなインストゥルメンタル・ヒップホップが収められた香り高き逸品で、勿論無香料のブツとなっている。4人それぞれの活動がどの様にフィードバックされているのかは聴いてのお楽しみ!

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