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287    ARTISTS    D.L

D.L
Admonitions
 
Text by Hiroshi Egaitsu
 

Dev Largeというアーティストが日本にいることを日本のヒップホップ・ファンは幸せに思うべき。彼がいなかったら? Illmatic Buddha MC'sがいなかったら? 彼らを過小評価する者はこの国のヒップホップを知らない。Dev Large、ドロップ・ザ・ボム!
 
ヒップホップがより直裁な魂の動きの記録を可能にした??と書いて、笑うのは、下属文化にも、それを生んだシステムの下層社会にも縁のなき者、もしくは、それを忌み嫌う者であろう。
 悲しいのは、どちらかと言えば、下属文化を忌み嫌うのは、システムのセンターから上にいる者ではなく、恐怖から、純粋なる恐怖から下部構造に呑み込まれたくない、という気持ちが沸き、そこに流されまいとする者たちで、それは2007年、そろそろ肌の色にも関係が少しずつなくなってきてさえもある。
 
 「この5年半ぐらいの間に、タームで作っていたんですよ、色々な曲を。前のインストゥルメンタルのアルバム(Dev Large The Eyeinhitae名義で発表した『Kurofune 9000 [Black Spaceship]』)は、2004年にばーっと作ったものだけど、これは2001、2、3、4、5、6年と、その間に作って、書いていたものです。必然的に、そういう時間の経過が必要だったと思うんです。2004年に原型的なものは出来てたんですが、でも、その時出していたら違ったものが出ていたで しょうね」
 
 ヒップホップは魂の直裁な記録に成りうる、のであって、実はそこまで成立させている作品は多くはない。そして、それはそれでいい。ここは重要だ。ヒップホップはダンス・ミュージックで、パーティ・ミュージックで、楽しく、酒、異性、冗談、フリー・シャンペン、とかと一緒に消費されていいものだからだ。
 「もっと……なんというかな……影……一番汚い重い思いを経験したから、書けたものもあると思う。2004年じゃここまで書けなかった。最後に作ったやつとか……2006年に出た意味があると思う。もっと恥ずかしくないものを作りたい、と思ったんですよね。もうちょっと、2年ぐらい前に出てたら、前の感覚をひきずったものになってた気がします。今までは、ブッダでやってたのは、理屈は無視で、同じ音楽やってる人間をひねりつぶすとか、しか考えていなかったんですよ(笑)。でも、今回は違いますね。半々、もしくは、リスナーを考えて、10年後、20年後を考えて、その時聞いても恥ずかしくないものを作りたい、と思っていました。昔の音源を聞くと、恥ずかしいですよ、若いな、というか(苦笑)」
 
 生き様、という言葉は、マイナスもプラスもしょって、その微妙なバランスの上に成り立つ言葉で、年齢は関係ないが、ある時似合っていた言葉が、ふっとオーラと共に消える時もあるし、また、年輪、という言葉に似つかわしく、このゲームに参加して長いヒップホップ・ヴェテランにそうした風情が漂う時もある。
 
 「10年間聞いているアルバムとかいっぱいあるんですよ。普通のロックとかひっぱりだして、聞いてます。気持ちはロックなんですよ。仕事としては、サンプリング何取れるかなーって聞くのはロックが多いけど、それ以外の時間もプライヴェートで聞くのは、ロックが多いんですよ。分からないけど、そこで目に見えないものが込められているんじゃないですかね。たぶん子供のころに聞いていた、っていうのが大きい、と思います。最初にラジオのチューナーを合わせたら、流れて来たのはロックだったんで、ヒップホップだと、ウルトラマグネティックMC'sのファースト・アルバムとか聞いてます(笑)」
 
 なんて……考えてもらってもいい。マイク1本、もしくはターン・テーブル2台、そこから出発しようっていうゲームなんだから、こりゃたいした度胸だ。普通の神経じゃ出来はしない。確実に言えるのは、それを知りながらなお、一歩ステップ・インするかどうかが重要だってこと。するべき時に。後になって誰かに尋ねられて「なぜあの時やらなかったんだ?」。その時、「隣の人も黙って立っていたから」という答えでは、やりきれず、仕方ない。そのかわり、ヒップホップ年金がもらえるわけじゃない、だから、ゲーム、ストリートのゲームで、マイク渡された時に、いちかばちかで、やっちまうかどうか、ってことが大切になってくる。
 
 「自分の中で最近ヒップホップ聞いてて、つまらないなーというのがあって、当時、まだ自分がいちリスナーで聞いてたヒップホップ、俺が好きだったヒップホップは、こういうものなんだよ、っていうのがあって、今回はそれをまた見せただけなんですよ。若い子には新しいな、って聞こえてくれればいいな、と思ったし、古い人にはまた戻って来たな、と思ってもらえればいいな、と思っていました」。
   
「The Album」
D.L

[Ki/oon / KSCL-1061〜2 / CD]
 
「The Album (Admonitions)〜Instrumental〜」
D.L

[Ki/oon / SYUM-348 / LP]

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