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DABO
札と月
 
Interview by Ryo Komiyakawa As Realgold$ (Niko¥on Production)
Photo by Masashi Sakurai

 

 デビュー10周年を迎えた"Mr.フダツキ"ことDABOが初の書籍『札と月』をリリース。マイクをペンに持ち替え、独自の文体&筆さばきでユニークなコラムや小説、イラストを紡ぎ出している。 "表現者"、DABOに話を訊いた。
 
●新刊『札と月』はAmebaブログ『Paper Moon Man』に掲載した記事を中心にまとめたものですよね。
DABO(以下D):そもそも「世間のブログってぬるい! 俺なら、もっとこうする!」ってCDデビューの時と同じく、やんわりと殴り込みをかけるような気持ちでブログを始めたんです。でも音楽だと「良いべ、これ!」という自信があるんだけど、文章は違うんで最初は反応が気になりましたね。でも実際本になって分かったんですけど、ラッパーDABOを知らない人も読んでくれてるみたいで発売サイン会に普通にオバちゃんとか混じってて。聞いたら娘に勧められて食らっちゃったっていう。ラップじゃなくて文章のファンを発見できたのは嬉しかったですね。
 
●本はよく読みます? 影響を受けた作家は?
D:福永武彦さんと答えることにしています。文体が妙にツボでハマッた時期があって。でも漫画も読むし、いわゆる読書家ではないんですよね。10〜20代の頃 "ラップやるんだから言葉知らないと!"と思って、出かける前に両親の本棚から適当に数冊抜いて読み漁ってたんだけど、ラッパーを始めてからはネタ探しとして本を読むのを止めました。リリックにはちゃんと肉体化された言葉を使わないとね。借りてきた言葉ってバレるじゃないですか? だったら新しい言葉を作ってやろうという気持ちのほうが強いです。身内でしか伝わらないスラング......「ゆうべ"試合"(=セックスの意)した?」とか半疑問形で使って、周囲のリアクション探ってアリナシを決めたり。まぁヒドい下ネタでアレですけど(笑)。
 
●言葉のチョイスや使い方は凝っているけど、メッセージはストレート......特に家族やヒップホップへの思いは率直に描かれてますね。
D:あまりにもピュアに書いちゃったから恥ずかしいんですけどね。 もともと言葉及び文章フェチなんで表現にどっか勘ぐらせる部分を残したいタイプ。本来さらけ出すような表現は僕の美学には反してるんですけど今回は出しちゃいましたね。「何書いちゃってるの?」みたいな(笑)。でも最近はそういうのが「まいっか」と思えるようになった。自伝的な小説を書いたのも落ちこぼれだった昔の自分のような人に読ませたい気持ちがあったからで、そういう人は冷めてるから熱いもん流し込んでやらないと伝わらないんですよね。スタイリッシュなだけじゃ伝わらない。だから俺から裸になった感じですね。自分が社会に受け入れてもらえるきっかけはヒップホップだったので、その恩を返したいという気持ちもあるじゃないすか。 
 
こういう表現はクサイけど実際ヒップホップに救われたし、感謝してる。でも若かった自分にとって絶対にヒップホップじゃなきゃ、ってのはなかったと思うんですね。例えば僕がラップで評価されずに、ロックバンドを組んで売れていたとしたら、『札と月』はヒップホップじゃなくてロックの話になっていたと思うし。自分がスーパーマンになれるステージがたまたまヒップホップだったわけで、そりゃ感謝するじゃないですか。だから昔の自分みたいにエバれるものがない子たちにこの本を贈りたいんです。ヒップホップでもレゲエでもロックでも野球でもサッカーでも何でも構わないけど、何かひとつ上にノボれるハシゴがあったら俺たち出来損ないでも人生違うぜって。何もないなら牙磨け、俺がマイクに辿り着いたように君もなにかに辿り着いちまえ!ってね。
 
●文章を書く作業を経て得たものは?
D:『札と月』は"札=札束、金"、"月=金というエゴの象徴とは相反するスピリチュアルの象徴"って意味。これまではとりあえず「バーンとヒップホップやろう!」っていう"札"の気持ちが強くて、"月"部分の細やかな感情はあえて出し過ぎないようにしようと思ってたんですけど、今回は文章を書く中で結構自分の"月ゾーン"まで見せちゃいましたね。そして、腹の底まで見せちゃうと結構みんな受け入れてくれるもんだなって、ブログや本を通して今回学びましたね。
 
● ラッパーとして10周年を迎える2010年はどういう活動を?
D:アルバムを出して、ツアーを回って......何か新しいことをするというよりは、散々やってきたベーシックなことをよりタイトにやるつもり。今までは「何をラップするかなんてどーでもいんじゃね?」って気持ちが根底にあって、トランペットやピアノみたいな楽器のように"口演奏家"として、「人より上手に口が回りますよ!」っていう身体性の部分でラップをしてた気がするんです。でもデビューして10年たった今、リスナーも「DABOがラップできるのはもう知ってるよ」っていう感じだと思うし、むしろ「10年やってきた人が今、何を考えてマイクを持つのか?」って方に興味が行くんだと思います。だから今回は「こんなにラップできてすごいでしょ?」って所はあまり出さないつもり。
 
今後は何を思って、何を言うのか? という、気持ちや意味の部分を意識したく思います。「悲しくて死にそう」とか「ぶっ殺してやる!」とか「超愛してる」とか色々な喜怒哀楽をカラフルに表現していきたい。「母ちゃん大事にしろ」とか「仕事行くのダリい」とか「なんで人って死んじゃうんだろう」とかね、ヒップホップを知ってる人じゃなくても共感できるようなメッセージを出していきたいと思いますね。そろそろ"ヒップホップを知ってる人だけがわかるカッコイイこと"を超える何かをしないとマズいと思うしね。ベテランとして越えないといけない壁を今年はブチ壊しにいきます、後続のためにもね。


 

"札と月"
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