3年目を迎えた関東最大の野外ダンス、「SOUL REBEL」(10月14日/日比谷野外音楽堂)。チケットも即日SOLD OUT! 過去最高の集客を記録したこの日の模様を駆け足で……バンドはもちろんHome Grown! そして今日のショウを仕切るDJ BANAのナビゲートが客席の期待を一気にヒートアップさせるなか登場したのは、シンガーAILIE。アイコンティニュアリーというレゲエ・バンドで活躍しているという注目株が、大観衆を前に見事先陣を飾った。

新顔のあとに登場は、包帯姿のRANKIN TAXI。なんでもイヴェントの直前に自転車事故を起こしてしまったそうで、当日の会場入口には出演キャンセルと告知されていた……が、さすがのプロ根性!で、急遽登場。短いながらも力強いステージを披露した。大ヴェテランに続くは、デビュー・シングルがいきなりの大好調!な、MINMI。大阪を中心に活動してきたこともあって、初めて彼女の生の歌声に触れた者も多いだろう野音の観衆を魅了した。

続いての登場は、PAPA U-GEE。ルーツ色を濃厚に漂わせる彼のその声は、確実に多くの耳を奪ったようだ。そして!職人PAPA-B登場に、会場中がドッと沸く。シュアなステージングで魅せるなか、9.11.以降の世界に向けたかのようなメッセージ・ソング「Live Up and Rise」では、アコースティック・ギターを抱えて熱唱。そしてそして!早くも登場のRYO the SKYWALKER。マシンガン・フロウの炸裂に、会場のタオル旋回度数はこの日一番のピークを記録(?)。「ふたりワンマンII」はもちろんの大合唱、そして「音ノ降ル島」には話題のニューカマー、Spinna B-illが参戦した。

RYOのステージで、前半戦は終了。汗だくのHome Grownが楽屋へと下がると、サウンド・タイム。SunsetとInterceptorのジョグリンは、観衆を少しも休ませない! 踊りに踊って酔いも回って、まさに素晴らしい夕暮れタイムを味わったところで、ステージにはふたたびバンドが登場し、後半戦に突入!

夜の部一発めを飾ったのは、JUMBO MAATCH、TAKAFIN、BOXER KIDによるMIGHTY JAM ROCK。三匹の鬼が入れ替わり立ち替わり前へ出る圧倒的なマイク・パフォーマンスは、向かうところ敵ナシ! 後半開始早々に、客席の熱狂はピークに!? スウィート&エロな「星にお願い」で登場したのがレゲエ馬鹿道場師範代、H-MAN。お約束の“ワカメ!”も飛び出し、いつもながらに誰もが笑みをこぼすステージは、今のシーンに貴重な逸材だ。

イヴェントも終盤に差し掛かり、PUSHIMの登場に大きな歓声が沸く。『COLORS』収録の「It's Goin' On」から始まったステージは、もはや揺るぎない貫禄すら感じさせる。JUMBO MAATCHとの「Man A Hotter」、RYOを招いての「From Distance」と嬉しいコンビネーションも堪能し、最新シングル曲「FOREVER」で大団円……と、なってもおかしくないぐらいの盛り上がりぶりだが、「SOUL REBEL」はまだまだ終わらない!

満を持しての登場は、今年待望のメジャー初アルバムをリリースしたFIRE BALL! 奇跡的に集合した黄金のカルテットが繰り広げるフォーメーション・プレイはいつ見ても圧巻。時間の経過を忘れさせる。ラストはやっぱり「BRING IT ON」!

そして大トリは、もちろんMOOMINだ。これまでの盛り上がりぶりを引き継ぎながらも、一気に和やかなムードに引き込むMOOMINのキャラクターは、唯一無二。この夏を彩った「夏の終わりのハーモニー」「禁断の森」をはじめ、YOYO-Cを招いての「S・P・A・C・E」、そしてライターの華が満開となった「Moonlight Dancehall」と観衆もステージ上も完全燃焼!かと思いきや、やっぱり今年はまだまだまだまだ終わらない!

2002年の最重要曲「Oasis」に最大級の盛り上がりをみせる。やはり、この夏いちばんのトピックといえば、長年日本のレゲエを支えてきたHome Grownが、初のアルバム『Home Grown』を完成させたことだろう。それをたたえるように、PUSHIM、PAPA U-GEE、RYO、PAPA B、FIRE BALLもステージに登場し、マイクをつないでゆく。

思えば、昨年巻き起こった三木道三の国民的ヒットなどで耕された新たなリスナーが、しっかりとレゲエの面白さを感じ取りシーンに定着していた結果が、この1年のリリース・ラッシュや、今夏各地で開催されたイヴェントの盛況につながっているわけで……2002年が日本のレゲエにとってかつてないほどのハーヴェスト・イヤーだったことを充分に思い知らされた素晴らしい一日だった。  来年も大きな声で叫ぼう!「レゲエはいいぞー!」

Text by Takeshi Mitauchi from Riddim 236