いやーっ、悔しかったなーっ。何って、今年4回目を迎える予定だった「Soul Rebel」。直前に起きた局地的集中豪雨によって、まさかの中止なんて。「日比谷野音でレゲエを!」のコンセプトでスタートした時から、雨に泣かされることは覚悟の上だったんだろうけど、あんなタイミングなんてあり? このままじゃファンもスタッフも納得いかない! なんて思っていたら2003年12月9日、会場を川崎にあるチッタに移して“Revenge”の時がやってきました。

直訳すれば「反抗する魂の復讐」というイカツいイベント名に相応しく、この日のチッタは平日の開催ながら早くから気合いの入ったレゲエ・ファンで会場前は長蛇の列。お待ちかねのHome Grownが登場する頃には会場はすっかり出来上がっていい感じ。

まずはMC Banaの紹介で一番手、ランキンさんが登場。怪我をしたのがちょうど去年の「Soul Rebel」の直前だったんで、新曲「ただいまリハビリ中」から。自身のプロデュース作『Oh My Bad!』に参加したSoldier、Ent Deal Leagueも紹介して、最後はニュー・ダンスを踊りまくっての熱演! 続いて“兄貴”Nanjamanが早くも登場。「World Leader」を中心に硬派な展開も“兄貴”らしい懐の深さでグイグイ会場を引っ張ってゆき、最後は「Soul Rebel」でシメる貫禄のステージ。次もベテランの曲者、Papa Bが縦横無尽なスキルと音楽センス溢れる展開で、まさに圧倒! コミカルながら社会風刺に富んだ「お経でポン」に、早口攻撃のメドレーを経て、問題のジャパニーズ・ニュー・ダンス「Our Dance」で会場を煙に巻く。そして自身もお気に入りの時間だと言う前半のトリはMoomin。その言葉通りのリラックスした暖かいステージでみんなを包んでいく。スマッシュ・ヒットの「栽培したい」からダンス・ナンバー・メドレーへと続くと、ここでゲストにCone Headが駆けつけて場を盛り上げ、最後は「歩いて行こう」でしっとりとまとめ、前半終了。

出ずっぱりのHome Grownにここで休憩してもらってる間にも、Hemo & MoofireとSunsetが、Love Milk、Dear Chicks、なすっ子キューカンバと共に会場の温度を上げ続け、いよいよ後半戦へ突入。

まずは職人H-Manの客いじりにみんな楽しそうにいじられ、声を合わせていく。Neoの代わりにMama-Rでの「星にお願い」では一斉にライターが! 続いて登場したMighty Jam Rockで、会場はカオスそのものに! 怒濤のように突っ走るJumbo MaatchとBoxer KidにTakafinが絶妙なアクセントを入れ、あっという間のラスト・チューン「Gwaan Good」までタオルが回り続けるという、この日最大級の熱狂振り! そしてそしての大トリ前に、MC Banaが会場の皆にライターを求めると掛け値無しに会場中のライターが着いて、待ってました! 姐さん! Pushimにこの夜をしめてもらいましょう。この日のセットはフラメンコギターのNodatinをゲストに呼んでの編成からも分かるように、情熱のラテン風味を加味した彼女の新しい側面を魅せつけたステージ。Papa Bを呼んでの「雨のバンドネオン」で見事にオチをつけ、お待ちかねの「Forever」で大合唱! パチパチパチ……で、オシマイにならないのが「Soul Rebel」。Moominが飛び出して来て「One Song」のフレーズを。ここから出演者全員でのマイクリレーで大団円を迎え、みごと“Revenge”を果たせた夜でした。

Text by Thunder Killa from Riddim 251