快晴。今回で5回目を向かえた「Soul Rebel」。昨年は、突然の豪雨で中止なんて、ありえないアクシデントに見舞われたけど(その後、チッタでリヴェンジ成功)、今年は大丈夫。爽やかな秋晴れに恵まれた日比谷公園内にある野外音楽堂の回りには、夜更かしが多そうなレゲエ・ファン達が、ちょっとまぶしそうな目をして集まり出している。東西で万人単位のショウが行われるようになった今のジャパニーズ・レゲエ・シーンでも、ここ日比谷野音は“聖地”。正にここから今のシーンの隆盛が始まったと言っても過言では無い場所での2年ぶりの開催なんだから、期待するなって言うのも無理な話。

絶妙なアーリー・タイム・セレクションでBanaとSun Setが観客を揺すり、お待ちかねHome Grownが登場する頃には、もうすっかり満員、できあがってる状態。MCのBanaの紹介での一番手は、ある意味「Soul Rebel」の顔である御大ランキン・タクシーが「ただいま、リハビリ中」とは思えないテンションで登場。途中Baddy 45の二人をダンサーとして呼び込むと、ニュー・ダンス“愛ちゃん”(笑)を披露。そのヴァイタリティには、いつも感心しますよ。お次は、意外なことに初出演になる横浜のベテランJunior Dee。独特の語り口とフロウ、その安定感はまさにワン・アンド・オンリーの存在。ゆったりと、でも確実に聴き手をロックしていく。続いてもフロム横浜、Yoyo-C。彼もソロでは初となるかも。昨年のRiddim Awardでも一番の票を集めたアルバムからの曲を中心にしたステージには、ゲストにソウル・スクリームのハブ・アイ・スクリームも加わり、まだ明るい時間だっていうのに場内は最初のピークに。そして前半のトリはRyo the Skywalkerが待望の新曲となる「Iko Iko」で現れるとまたも大爆発! 緩急自在なスキルにみんな気持ち良く転がされてる感じ。実際、この日は調子も良さそうで、名残惜しそうにステージをシメていたのが印象的だった。ってところで前半終了。

でも休憩時間も休憩にならないのが「Soul Rebel」で、今年もSun Setが熱いプレイで大いに湧かせたところで、後半のスタート。いい感じの夕暮れ時になったところでのMoominは、まさに独壇場だよね。途中、驚きのスペシャル・ゲストBoy Ken(!)を挿んで、最後はなすっ子キューカンバを呼んでの「ネバギバ」で陽気に退場。すっかり夜の雰囲気になった頃に大阪から、お馴染みJumbo Maatch、Takafin、Boxer Kidの3人が更に客を煽る、煽る。さすが和製“エナジー・ゴット”って感じでもう“盛り上げ職人”だね。“職人”と言えば、この日のセミ・ファイナルを務めるのはH-Man。今年はセカンド・アルバムのリリースや、単独ライヴの成功とステップを踏んでの、納得のこの位置だろう。ステージもその期待に応えるだけの完成度で、お馴染みのコール&レスポンスも気持ち良く決り、今日のMVPもの。そして、そしての大トリはやはり姐さん! Pushimがシメてくれました。貫禄の他に“艶”も増した最近のPushimのステージは、彼女が次のレベルにいる事が分かろうってもの。ゲストにRyoを呼んでの新曲も、それに続く「Forever」もホント凄かったね。ラスト、大団円の「Irie Music」まで場内のヴァイブは満タンのまんまで、いい一日でした。

帰りに飲みに行く店には困るけど、日比谷野音でやるからこそ、の「Soul Rebel」だなぁ、と改めて感じた一日でした。

from Riddim 261